日本の婚姻数と将来人口、未婚化の要因『結婚滅亡』

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日本は他国に比べ、「結婚は必ずするべきだ」「結婚はした方が良い」と考える人が多いです。しかし今の日本は毎年結婚率が下がり、離婚率は3組に1組を切ることはなく、人口は減り続けています。なぜこのようになっているのでしょうか。結婚はしなければいけないのでしょうか。それとも、しない方が良いのでしょうか。

結婚に関する興味深いデータ、提言が、荒川和久著『結婚滅亡~「オワ婚時代」のしあわせのカタチ~』にあります。本書より、次の4つのテーマでご紹介するとともに、中国の結婚事情についても触れます。

  • 日本の婚姻数と将来人口
  • 日本の未婚化の要因
  • 離婚について
  • 結婚規範という名のハラスメント
  • 中国の結婚事情 ~中国にも日本と同様の現象がある~

日本の婚姻数と将来人口

日本の婚姻数は年々減少し、独身で生きる道を選択する人が増えています。結婚をしないということは、子供が出来ないということですので、毎年人口が減少している日本では特に未婚化が問題視されています。

日本で一番婚姻件数が多かった年は第二次ベビーブーム期に当たる1972年の年間1,099,984組でした。2018年になると年間586,481組にまで減少しています。これは、前年2017年と比べても約2万組の減少です。(令和2年版 少子化社会対策白書 (内閣府))今後も、日本の人口は減少し続けるでしょう。

国立社会保障・人口問題研究所によれば、2110年には人口が4,286万人まで下がると推計されております。(出所:内閣府)これは、現在の半分以下の水準です。今後新たに少子化対策をし、たとえそれで出生率が多少改善されたとしても、この大きな流れは簡単には止まりません。

日本に限らず、平均寿命が延びれば、出生率は必ず減ります。縄文時代には女性は一人当たり8人ほどの子供を産んでいたようですが、生まれた子供の半分は、15歳までになくなっていました。子孫を残すため、多くの子供を産む必要がありました。

人口学的には、①多産多死、②多産少死、③少産少死、④少産少死というように流れています。現在の日本は③の段階にあり、世界に先駆けて④に突入しようとしています。

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」によれば、2040年には男の3人に1人、女の5人に1人が50歳時点まで未婚であると推測されています。 (令和2年版 少子化社会対策白書(内閣府)

日本にはかつて皆婚時代と言われる、ほぼ全員(約95%)が結婚する時代(国勢調査が始まった1920年から90年まで)がありました。その理由は、1898(明治31)年に公布された明治民法により、近代日本の婚姻制度が成立されたためです。(明治民法以前は、夫婦共働き、離婚も再婚も多いという、現代と似た時代でした。)

明治民法では、結婚保護政策(お見合い)及び家父長制(夫は外で働き、妻は家で家事等をする)が制定され、主に妻の経済的自立と自由が奪われることになります。この社会的な政策のお陰で、ほぼ100%の人が結婚を実現できました。

しかし、昭和の終わりとともにこの制度も消滅していきました。

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Photo by SplitShire on Pexels.com

日本の未婚化の要因

現在では、お見合い及びお見合いに準ずる結婚相談所による結婚は、全体の5%でしかありません。お見合いに変わって増えていったのが恋愛結婚ですが、その副作用として離婚も増えました。

結婚の減少要因としては、1990年代に、①終身雇用と年功序列という会社制度が破綻していったこと、②それが第二次ベビーブーム世代の就職氷河期と重なり、フリーターやニートが生まれていったこと等があげられます。

この1990年代に、50歳時未婚率が急上昇し始めました。

よく、結婚率の低下は若者の草食化ともいわれますが、恋愛をしている未婚男女率は今も昔もそれほど変わっていません。恋愛をしている未婚男女率は、統計を取り始めた1982年以降の30年間一度も、3人に1人以上になったことはありません。

これを著者は、「恋愛強者3割の法則」と呼んでいます。恋愛が出来る男女は、いつの時代も大体3割ほどしかいないということです。

また、人口構造上の問題もあります。その一つが「男余り現象」といって、全年齢合計で「未婚男性が未婚女性より340万人も多い」という現象があります。また、「時間差一夫多妻制」といって、離婚男性が初婚女性と再婚する、つまり恋愛強者である男性が結婚と離婚を繰り返し、時間差で一夫多妻制になるという現象があります。

こういった「男余り現象」が生じているにもかかわらず、現実の婚活市場では、結婚したい男性299万人に対し、結婚したい女性が308万人という「女余り現象」が生じています。さらに、2018年に内閣府が行った意識調査では、結婚したい20から40歳代の未婚女性の約3割は年収500万から700万円を希望し、全体の約72%が400万円以上を希望しています。

これに対して、20から34歳の未婚男性で年収が400万円以上ある人はたった19%に過ぎません。

<参考>

(出所:内閣府 少子化社会対策に関する意識調査

つまり、結婚したい女性の大半が、希望する結婚相手を見つけられないという現実があります。未婚の高年収女性は、結婚相手に自分より高い年収を求めるという特徴があるので、対象となる人が少なく、未婚率が高くなります。

また男性にも、自分より低い年収の女性を希望する下方婚志向があります。日本の男性と女性の間にはこのように様々なミスマッチが生じてしまっています。

結局日本の未婚化は、人口上、経済上、環境上といった構造的問題に起因していると言えます。「今は、結婚できないのは努力が足りない、結婚に向けてもっと自分を磨けという自己責任論を押し付けるのは無意味である」と著者は指摘しています。

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Photo by Pixabay on Pexels.com

離婚について

2001年からずっと3組に1組離婚する状態が続いています(出所:厚生労働省)しかしそもそも、日本は昔(江戸時代から明治初期にかけて)から離婚率が世界の上位の国でした。離婚率が低かったのは、 明治民法による近代日本の婚姻制度が機能していた時代の特殊な現象でした。

この離婚率が低かった時代は、お見合い結婚が多かった時代です。つまり、お見合い結婚では離婚率が低くなるということです。その理由について、お見合い結婚の場合は、相手のことを良く分からない状態で結婚するため、日々過ごしていく中で加点されていく関係性が生まれるからだと考えられています。

逆に恋愛結婚をした場合は、結婚式をした時がピークであり、日々過ごしていく中で減点されていく関係性だからです。加点方式と減点方式では、減点方式となってしまう恋愛結婚の方が、より離婚しやすいだろうということが、直感的にも分かるのではないでしょうか。

結婚規範という名のハラスメント

日本は、他国と比べて「結婚はするべきだ」という規範に強く影響されている未婚者が多いです。強い結婚規範を持つ既婚者は、周囲の説得に応じず結婚しない人を、「何か問題のある人物」だとみなす傾向があり、実際に男女ともに、多くの未婚者がソロハラを受けて精神的に苦しい思いをしています。

生涯子供を持たないソロを「フリーライダー」「社会に対して何の義務も果たしていない」とみなす既婚者や親族、政治家、そういった人々と未婚者との不毛な対立と分断が今の日本には蔓延しています。

中国の結婚事情 ~中国にも日本と同様の現象がある~

本日President Onlineにて、中国の結婚事情に関する興味深い記事が掲載されていました。日本と同じような現象が生じています。興味のある方は、以下より是非ご参照ください。

「1700万人もの男性が余っている」中国で結婚したくてもできない人が増えているワケ 二人っ子政策にしても進む人口減少 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

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Photo by zhang kaiyv on Pexels.com

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恋愛したくても出来ないと、自己否定してしまう未婚男女が多いという現実があります。多様性に寛容な社会になり、自己否定をやめ、自分自身を愛せる人が増えることを願います。

とはいえ、2040年には独身者が人口の5割になる社会が到来することが分かっています。独身者が多数派になりますので、時の経過とともに、結婚規範は自然に薄れていくと思います。

本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『結婚滅亡~「オワ婚時代」のしあわせのカタチ~』 をご参照ください。

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