新型コロナウイルス等の感染症に対する対策には、マスクやワクチンなど、外からの力を活用する方法と自己の免疫力で感染を遠ざける方法があります。外からの力に頼りすぎることなく、普段から免疫力を上げる生活を心掛けることが感染症に対する根本的な対策と言えます。
本間 真二郎著、『新型コロナ ワクチンよりも大切なこと』より3つのポイントで紹介します。
- コロナ禍、ふりかえり
- ワクチンについて
- 自己の免疫力を高めるには
目次
コロナ禍、ふりかえり
新型コロナウイルスが世界中に広まってから1年半以上が経過し、データがそろってきたことで様々なことが分かってきました。
- 新型コロナには無症状者が多いこと
- 20歳未満や通常の健康な人にとっては症状の強い風程度ということ
- 高齢者と思い疾患を抱えているような人は死亡することがあること
- 死亡者・死亡率は国によって違いがあること
- 変異株が出現しても極端に死亡率は上がらないこと
2021年9月時点においては、日本は世界と比べても新型コロナウイルスによる死亡者数が少ない状態が続いています。一方で、テレビなどの主要メディアでは恐怖を煽る報道だけが選択的になされており、コロナの全体像を分かりやすく説明し、国民が安心して暮らしていけるような報道は少ないです。以下は、主な誤解、弊害です。
1.PCR検査の誤解
メディアで報道される新型コロナ感染者は、主にPCR検査で陽性が確認された「検査の陽性者」です。PCR検査で分かるのは、私たちの身体にウイルスがいる、もしくは少し前にウイルスがいた痕跡があるということです。ですので、ウイルスの断片が残っていれば陽性になるわけで、例え陽性になったとしても、ウイルスが死んでいるか生きているかもわかりません。そのため、PCR検査の陽性者=感染者とは言えないということを理解しておくべきです。
ですので、メディアで公表されている新型コロナの感染者数は、感染流行の実態からかけ離れている可能性もあり、この数字で一喜一憂しないことが大切です。
2.変異株の誤解
メディアでは、新型コロナの変異株が見つかると、従来のものより感染力が高い、重症化率も高い、ワクチンの効果はどうなのかということが大きく報道されます。
ウイルス学的に見ると、ウイルスは変異により凶悪にも穏やかにもなりますが、通常は大きく変わらない場合が多く、凶悪なウイルスは変異すると、おおむね性質は穏やかになるようです。なぜなら、死亡率が高いウイルスの場合、宿主である人がすぐに亡くなってしまうので、ウイルス自身も生きることが出来なくなってしまうからです。そのため、大抵の場合は徐々に性質が穏やかになるようです。
3.マスクの弊害
一般的に使われている不織布マスクの穴のサイズは5㎛(マイクロメートル=0.001mm)、ウイルスのサイズはその50分の1の直径0.1㎛ですので、マスクの効果はさほどないというのが本書の結論です。科学論文でも明確にマスクの感染予防効果を示したものはなく、WHO(世界保健機関)も、マスクの方針転換があります。(WHO、マスクに関するQ&Aはこちら)
また、ドイツで25,930人の子供を対象にマスク着用の盈虚を調べた2020年発表の調査によると、マスク着用に対して子供の不満は67%を超えており、頭痛や集中力低下など何らかの副作用が、全体の68%に認められました。ですので、マスクの着用は子供の健康に影響を与えることを頭の中に入れておく必要があります。(WHO、子供のマスク着用についてはこちら)

ワクチンについて
1.新型コロナと、ワクチンの実態
日本では合計接種数が1.7億回を超えており(首相官邸情報より。10月18日時点では180,219,121回)、接種への動きが広がっています。その一方で、ワクチンを打つか打たないかの判断に迷っている人もいます。日本では全ての予防接種が任意であり、ワクチンを打つか打たないかは個人の判断です。まずは、新型コロナはワクチンが必要な病気なのかということから、考える必要があります。
日本の2020年死亡原因の順位は、1位癌、2位心疾患、そして新型コロナは26位、3,466名で、死因数全体でみると割合は低いです。(死者数等最新情報はこちらから)

新型コロナの登場により、これまで経験したことのない感染症が広がったというイメージが強いですが、データを見ていくと、新型コロナで亡くなっている人の割合は日本では低く、死を想像させるような感染症ではないことが分かります。
2.新型コロナワクチンの効果
日本で一番接種されている新型コロナワクチンであるファイザーのmRNAワクチンに関しては、ワクチンの有効率は95%となっています。有効率というのは、ワクチンを打った人の95%が感染を防げるという意味ではなく、ワクチンを打った場合に、打たなかった場合に比べて発症をどれくらいの割合で減らせるかという意味です。
例えば、ワクチンを打たなかった人が100人中20人感染した時に、打った人が100人中1人しか感染しなかった場合、有効率は95%(=(20-1)/20)と計算されます。
現在世界中で新型コロナワクチンの接種が進んでいますが、イギリスやイスラエルで感染者数が減った、死亡者数が減少しているというニュースがある一方で、新たな変異株出現でワクチンの効果が落ちている、3回目のワクチン接種が必要といったニュースも出てきています。ですので、ワクチンの効果は、2021年10月現在では正確に評価できないというのが誠実な答えになります。
3.新型コロナワクチンの副作用
日本では主にファイザーとモデルナのmRNAワクチンが接種されています。厚生労働省が発表している令和3年10月1日開催分(令和3年2月17日から対象期間の9月12日まで)では、副反応疑い25,598件であり、その症状も、胃腸障害・心臓障害など、多岐にわたっていますが、割合は全体の0.02%とかなり少ないです。
これは、アメリカのCDC(感染症対策の総合研究所)も指摘していますが、一般に副反応疑いとして報告されているのは、実際の副反応の100分の1以下とされています。ですので、実際はもっと多いと想定されます。また、ワクチンの副反応は短期のものより、接種後長い時間が経ってからの長期の副反応の方が重要ですので、今のところ長期的には何が起こっても不思議ではないと考えていて良いと思います。
自己の免疫力を高めるには
新型コロナで重症化リスクが高い人は、高齢者及び基礎疾患のある人とされており、これは老化と生活習慣病が高リスクであると言って良いです。
新型コロナは、口や鼻から吸い込んだウイルスが、主に舌や鼻、肺などの「ACE2」という部位を持つ細胞に感染して始まります。この「ACE2」が多くの細胞の表面に表れている人は、血管に負荷がかかっている人であり、それはつまり高齢者及び基礎疾患のある人です。
新型コロナに限らず、全ての病気に共通することですが、病気になったということは、今までの生活に問題があったからです。まずは自分の食事や生活を改善し、自然に沿った暮らし方で免疫力を上げていくことが大切です。
1.体を冷やさない
自分の意思とは関係なく体の働きを調整する神経を「自律神経」と言います。自律神経には、活動時に活発になる交感神経と、休憩時に活発になる副交感神経があり、この2つの神経がバランスを取ることで体はベストな状態に保たれます。
身体の冷えが様々な病気につながるのは、血流の低下を引き起こすからです。そして、血流の低下には自律神経が関係しています。つまり身体が冷えると、交感神経の働きにより血管が収縮し、全身の血流が悪くなり、細胞に酸素や栄養がいきわたらなくなります。
現代人の体温が下がっているのは、不規則な生活やストレス、睡眠時間の減少、食事があります。食事については特に、ファーストフードやレトルト食品には、食品添加物などの化学物質の解毒や排出で、多くのエネルギーを消費し、身体の冷えを招きます。まずは冷えの原因になっている食事を改め、冷房の使いすぎに注意したり、夏でも冷やさない服装を心掛けることが大切です。
2.生活習慣病の予防策
生活習慣病の主なものに、高血圧と糖尿病があります。いずれも血管に関する病気で、様々な基礎疾患がある場合も多く、新型コロナでもハイリスクと言われています。
まず高血圧については、薬での治療や塩分を控えるというのは根本改善にはなりません。高血圧は、血管が固くなって柔軟性が失われる動脈硬化の影響が大きいので、動脈硬化の原因となる、食べすぎや運動不足を解消し、持続的なストレスをおさえることで改善できます。
次に糖尿病ですが、糖尿病は血糖値が高くなる病気です。原因は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが、不足したり分泌されても作用しないことにあります。生活習慣病としての糖尿病の多くは、砂糖や精白パンなどの高GI商品(血糖値が急上昇する食品)や、炭水化物の取りすぎにあります。高血糖では免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。なるべく精白されていない玄米や全粒粉を使った食品を食べることが大事です。

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本書は、ワクチンを打つより、マスク等で外から対応するより、もっと根本的な解決策として、自己の内面、免疫力の強化に目を向けることを提案しています。
普段から自分の身体や健康に向き合い、健康的な食事をし、運動をし、丁寧に生活をしていれば、そもそもウイルスを恐れることはないのですね。
不自然な生活をあらため、自然治癒力を引き出し、感染を恐れない生き方をしましょう。
本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『 新型コロナ ワクチンよりも大切なこと 』 をご参照ください。
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