ジェームズ・アレン著『「原因」と「結果」の法則』は、1902年に発行され、1世紀以上も多くの方に読まれつづけている、驚異的な超ロング・ベストセラーです。
仕事、人生、人間関係等、悩みの多い人々に、原理原則を説き、問題解決へと導きます。現代成功哲学の祖、ナポレオン・ヒルナポレオン・ヒル、デール・カーネギー、オグ・マンディーノ等に多大な影響を与えたといわれた伝説のバイブルです。とても本質的な内容です。
- 思いと人格
- 思いと環境
- 思いと成功
- 信念
- 穏やかな心
思いと人格
「心の中の思いが私たちを創っている。私たちは自分の思いによって作り上げられている」(by ジェームズ・アレン)
つまり、自分自身の思いによって、自分を素晴らしい人間にすることも出来れば、破壊的な人間にすることも出来るということです。この法則は、私たちの心の中で機能しており、どのような策略を用いたとしても変えることが出来ない絶対的な法則です。(=原因と結果の法則)
例えば仕事で、「失敗するかもしれない」と思っている人は、なぜか失敗します。「成功できる」と思っている人は、なぜか成功します。
これは、「思い」という原因によって、「現実」という結果が作られたからです。私たちは思い方次第で、環境や運命を変えられるということです。私たちの思い方次第で、自分自身の人格も変えられます。
思いと環境
思いによって現実を作っているという原因と結果の法則。この法則はどのような仕組みになっているのでしょうか。
「心の中にまかれた思いという種の全てが、それ自身と同種のものを生み出します。それは行いとして花開き、やがて環境という実を結ぶことになります。」(by ジェームズ・アレン )
実は、外側の世界である環境は、心という内側の世界に合わせて形作られます。良い思いの種は良い実を結び、悪い思いの種は悪い実を結びます。この法則の特徴は、人も時間も場所も選ばず機能するということです。
世の中には、凶悪な犯罪者や極度の貧困に苦しむ人たちがいます。彼らがそのようになってしまうのは、環境のせいではありません。彼らの心の中にある思いが、不純であったり利己的な願望であったりするのが原因です。このことから、環境が人間をつくるわけではないということがいえます。良い結果を得たければ、まず原因である自分の思いを改善することです。
良い思い方に変え、良い人格を作り、良い環境の設計者となることで、良い環境をつくることが出来るのです。

思いと成功
世の中にあふれる成功本の原点ともいえる「原因と結果の法則」。ここで気になるのは、どうやったら成功できるのか、という点ではないでしょうか。
「自分の欲望のかなりの部分を犠牲にしなくてはならない」(by ジェームズ・アレン )
なぜなら、身勝手な欲望によって自分の心を正しくコントロール出来なければ、大きな影響力を持ち、重要な責任を果たすことが出来る地位にはつけないからです。
自分の欲望を優先させる人は、明晰な判断が出来ず、秩序だった計画を立てられず、自分の能力開発を行うことが出来ません。成功するには、強い決意で自分の欲望をおさえ、計画の上で、いかに心を保てるか、にかかっているのです。
例えば、大企業の社長を目指す人がいたとします。この時の動機が、「お金が欲しい」、「大きな家に住みたい」、「高級車に乗りたい」といった利己的な欲望ばかりであったとしたら、その会社は顧客のことは考えず、利益ばかりを追求する会社になるでしょう。利益ばかりを追求する会社は、発展することが出来ません。ここでも、原因と結果の法則が働いています。
信念
成功するには、欲望を犠牲にする必要がありました。成功を目指すうえで絶対にやらなければならないことは、目標達成です。成功するためには、それに付随する目標を立てなければいけません。そしてその目標達成に必要なのは、信念です。
なぜなら、人間を目標に向かわせるパワーは、自分はそれを達成できると思える「信念」から生まれるからです。
例えば、プロジェクトを成功させたいと思っている人がいたとします。もし彼が、自分に達成できるのか、誰かに邪魔されないかと心配したり不安を持っていたら、目標達成は出来ないでしょう。自分は出来るという信念があれば、その思いが人格を作りプロジェクト成功の環境を作り出せるのです。
自分の思いが、目標と、自分は出来るのだという信念に結び付いた時、創造のパワーが発揮されます。この2つがあれば、欲望や感情に流されることなく実行に移していくことが出来ます。

穏やかな心
成功や目標を現実化するには、「思い」という原因を変えていく必要がありました。原因と結果の法則の先、最終的な到達点は、穏やかな心を持てるようになるということです。
「原因と結果の法則を知ると、最終的に穏やかになる」(by ジェームズ・アレン )
その理由は、自分が想いによってつくられた存在であることを理解できると、あらゆる現象を正しく眺められるようになるからです。
不平不満、悩み、いらだち、悲しむことをやめ、落ち着き、安定し、穏やかな心を保てるようになります。つまり、成熟した人格を手に入れることが出来るのです。さらに穏やかになると、自分自身を正しくコントロールできるようになり、自分自身を相手や環境に順応できるようになります。このような人であれば、より大きな成功や影響力、権威を手にすることが出来るようになります。
著者は、「自己コントロール」を強さ、「正しい思い」は訓練技能、「穏やかさ」はパワーと表現しています。全て自分次第で身に付けることが出来ます。

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お金も、恋愛を含む全ての人間関係も、そして健康までも、自分の外側で起こることはほぼすべて、自分の考え方・内面が関係するということでした。
つまり何か自分にとって不都合なことが起こったら、まずは自分の心の中を見つめると良いということですね。
本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『「原因」と「結果」の法則 』 をご参照ください。
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