男と女で決定的に違うポイントは、子孫を残すときの戦略です。
子孫を残すためにたくさんの女を追わなければならない男と、子供を産み育てるために浮気せず自分一人を愛して欲しい女という、子孫を残すときの戦略の違いが、女と男をお互いに分かり合えなくしています。
橘玲著『女と男 なぜわかりあえないのか (文春新書)』には、そんな女と男の違いについて、様々なデータが紹介されています。次の8つのポイントでご紹介します。
- 魅力的だと思う年齢の違い
- 性行為までのハードルの違い
- 浮気に対する傷つき方の違い
- 理想の違い
- モテる要素
- 競争に対するモチベーションの違い
- 恋が終わる仕組み
- 男女の友情は成立し得る
目次
魅力的だと思う年齢の違い
1年間に1,000万人が利用する婚活サイトのビッグデータを解析したところ、下図の通り、男性は何歳になっても20歳から21歳の若い女性が好きだということが分かりました。
つまり20歳の若者も、50歳のおじさんも、年齢関係なく皆、若い女性が好きだということです。

逆に女性が好むのは、下図の通り自分の年齢とほぼ同じ年齢の男性だということが分かります。
つまり20歳の女性は20歳前後の男性が、50歳の女性は50歳前後の男性が好きだということです。

ここから、男女がお互いに恋愛対象とする年齢が違うということが分かります。
しかし現実的には、50歳の男性と付き合おうと思う20歳の女性は稀なので、男性は本当は若い女性と付き合いたいと思っていても、女性に連絡する時は、自分の年齢より5歳下あたりの女性を狙うことが分かっています。
男性の、「本当は20歳の女性と付き合いたい」けれど、「無理だからせめて自分より5歳下の女性と付き合いたい」という考え方によって、35歳を過ぎた女性は一気に結婚が難しくなります。

性行為までのハードルの違い
女性にとっての性行為は、妊娠、出産、子育てをしなければならなくなる可能性がある、リスクの高いものです。そのため、女性はまず相手がどのような男性かを分析しなければなりません。健康か、経済力があるか、浮気をしないか等、立派な子供を産み育てられるかどうかをくまなくチェックします。性行為をするのは、その後です。避妊具を使って避妊する方法はありますが、それはせいぜいここ100年程の話です。「性行為はリスクが高い」という本能が、女性には残っています。
一方男性は、子育ての責任を放棄するのであれば、妊娠も出産もしないので性行為のリスクはほとんどありません。若くて健康的で可愛い女性であれば、話をするよりまずベッドに行きたいというのが男性です。
下図は、ナンパでOKと答えた割合を示したものです。

男性は、出会ってすぐにベッドOKと答えるのですが、女性はデートはOKでもベッドは0%、絶対に無理ということです。
男性のすぐにでも性行為したいという気持ちと、女性のしっかりと相手を知らないと性行為できないという気持ちのズレを埋めるためにも、デートは必要なのです。
浮気に対する傷つき方の違い
浮気をされると誰でも怒るし傷つきますが、男性と女性とでは傷つき方が違います。
男性は女性の「身体」の浮気に怒り、女性は男性の「心」の浮気に怒ります。
男性が、女性の「身体」の浮気に怒るのは、もし女性が別の男性と性行為をしていたら、自分の子供を妊娠する可能性が下がるからです。自分の子孫を残せない可能性や、別の男性の子孫を育てる可能性があるからです。
一方女性が、男性の「心」の浮気に怒るのは、もし男性の心が自分から離れたら、男性が稼いできたお金を自分と子供に注いでくれなくなるからです。自分1人で子育てをすることになるかもしれません。女性にとってこれほどの危機はないのです。
理想の違い
男性は、すぐに性行為をさせてくれる淫らな女性を夢見ています。例えば、タンクトップ&ショートパンツの格好をした若い綺麗なお姉さんがいて、彼女の方から迫ってくるような。だからポルノは、このような展開が多い。
一方女性は、ロマンスを、「白馬に乗った王子様」を夢見ています。女性にとっての理想は、自分のことが好きな、1軍の素敵な男性の中から1人の男性を選ぶことです。なお1軍とは、ヒエラルキーの高い男性です。会社でいうと社長、学校でいうと部活の部長、文武両道のイケメン等。逆に1軍以外の男性とは、会社でいうと平社員、学校でいうと部活の部員(補欠)、根暗のオタク等というイメージです。女性は基本的に、1軍の男性に愛されたいのです。
このように、男女で理想や夢は違います。女性の理想は、1軍の男性から愛されて、その中から自分で一人の男性を選ぶことなので、必然的に男性は必死で出世をして、1軍の男性になろうとします。

モテる要素
どんな要素がモテるために必要なのかを調査した結果(大学生を対象)によると、男女ともにまず、見た目が最優先でした。つまり、学生の間は美男美女がモテるということです。性格も、成績の良し悪しも、モテる・モテないにはあまり関係がありません。
社会人を対象とした同様の調査結果によると、顔も大事ではあるものの、それよりもっと重要な要素が、女性の「若さ」と男性の「お金」であるということが分かっています。
女性は年を取るとモテなくなります。なぜなら女性は年を取ると妊娠しづらくなるからです。女性は、若いというだけでモテます。
男性は、顔を磨きつつ、モテるためには必死に働いて仕事で結果を出し、1軍の男性になるしかありません。女性の幸せは、1軍の男性に愛されることがだからです。
競争に対するモチベーションの違い
男性は女性よりも競争を好むことが分かっています。女性より男性の方が経営者が多いのは、男性の方が競争が好きだからです。
男性はどこかで勝負に勝って1軍の男にならないと、一生女性から相手にされないリスクがあります。だから男性と女性とでは、仕事や競争に対するモチベーションが全く違います。男性は、若いというだけでは女性には見向きもされません。ですので、無謀であったとしても、一発勝負であったとしても、自分の子孫を残すためには勝つ必要があります。
逆に女性は、競争を避ける傾向にあります。流産したり自分が死ぬと、子供を産み育てられなくなるからです。男性に比べると安全、安定志向です。しかし、それは勝負をしないということではありません。女性は勝率を冷静に判断し、勝てる勝負をします。そのため、起業家のようにこの先どうなるか分からないことに、女性はあまり挑戦しようとはしません。
ギャンブルにはまるのは男性が多く、女性は少ないのも同じ文脈です。だから女性は、男性が競争をしている時は応援してあげることです。男性は、女性が一歩踏み出せないことを理解し、導いてあげることです。

恋が終わる仕組み
恋愛をしている時は、脳内でドーパミンが大量に出ているので、誰にとっても楽しいものです。しかしこのドーパミンが出るのは、最初の半年から8か月ほど。そこから先は、「好き」という気持ちに変わって「信頼関係」に移っていきます。うまく信頼関係が築けなければ、3か月から6か月で恋の情熱が冷め、別れることも多いです。
昔は避妊具等がなかったので、恋愛をして1年後からは子育てをしていました。子供がいるのに恋愛気分に浸っていては子育てが出来ないため、恋の情熱は半年程度で冷めるようになっているのです。
つまり、半年程度は「好き」という気持ちだけで突っ走ることが出来ますが、本当に相手と一緒にいられるか、信頼関係を築くことが出来るのかは付き合ってから半年後に分かります。ですので、付き合って半年以内に結婚は決めない方が良いです。
男女の友情は成立し得る
男女のどちらかが相手を友人だと思っていたのに、相手は自分をそうは思っていなかったということはよく聞きますね。そして認識がずれていると、ゆくゆくは破局します。
男性は、男性ホルモンであるテストステロンが思春期には爆発的に上昇します。それ以降、性的なことばかり考えてしまうようになります。男性は52秒に1度性的なことを考えるという研究結果もあります。
<参考>

ですので、10歳前後までは男女の友情はありますが、それ以降は男性は女性を意識してしまうということです。ただし、「ある条件」を満たせば男女の友情は成立します。
その「ある条件」とは、男性が、目の前の女友達よりも魅力的な女性と関係を持っていることです。つまり、魅力的な女性と付き合えていれば、そのほかの女性を女性として見なくなるので男女の友情は成立するということです。逆に言うと、男性に彼女がいない場合や、目の前の女友達が魅力的な場合は男女の友情は成立しません。

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単純に、面白いですよね。納得!と思う部分も多いと思うので、是非参考にしてみてください 。
ただ、モテる要素については、実体験からもここでいうほど単純なものではないと思います。結局総合点での判断になりますし、人によって好みも価値観も違うので。
最近大学時代の友人に結婚相手を選ぶ際の基準を聞いて、そんな価値観もあるんだと思ったのでネタですが、重視する基準が、学歴と職業なのだそうです。(私はどちらもどうでも良いです。そこに興味はありません。)
学歴は、自分と同じ大学卒が良いそうで、職業は医者、弁護士、会計士、官僚が良いそうです。彼女は、その条件にぴったりな方と結婚しました。
本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『女と男 なぜわかりあえないのか (文春新書)』 をご参照ください。
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