意識への旅。『世界のエリートが実践する 心を磨く11のレッスン』

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世界の経営者、トップエリート、エグゼクティブたちが、あらゆる苦悩を超越するために取り組んでいるのが、コンシャスネス(意識)の学びです。彼らは自分の内面に向き合い、心の成長を経るというコンシャスネス(意識)の学び を通じて、人生やビジネスの重要な局面を「美しい心」で決断できる「コンシャスリーダー」へと成長していきます。

Nami Barden、河合 克仁、 Krishnaraj著『世界のエリートが実践する 心を磨く11のレッスン』より、「心を磨く5つのステージ」について、次の5つのポイントでご紹介します。

  • 意識への旅
  • 自己昇華&自己鍛錬
  • セルフ・エンパワーメント
  • 自己を知る
  • セルフ・トランセンデンス&リアリゼーション

意識への旅

人間の心の成長段階には、5つのステージがあります。世界中のどの文化圏の人も、この5つのステージを通って心が磨かれていくそうです。

それぞれのステップは次の通りです。

  1. 自己昇華&自己鍛錬のステージ
  2. セルフ・エンパワーメントのステージ
  3. 自己を知るステージ
  4. セルフ・トランセンデンスのステージ
  5. セルフ・リアリゼーションのステージ

このステップのうち、自分は今どこに位置しているのかを把握することがとても大切です。

コンシャスネスの学びは、知恵をもとに真理を追求する旅です。この探究心は、人類に元々備わっているものです。それぞれのステージにいる人間は、誰もが知らないうちに同じ源へ引き寄せられています。それがコンシャスネス、つまり「意識への旅」です。

皆そのうち、この5つのステージを通りますが、この心の成長段階を通るタイミングは、人によってバラバラです。経済的に大成功を収めた後かもしれないですし、大病を患った後かもしれません。平凡な人生を歩み、死の直前にステージが上がるかもしれません。ただ、これらを知識として知っておいたら、人生を早い段階でかなりいい感じに出来るというのが本書の主張です。

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Photo by Irina Iriser on Pexels.com

自己昇華&自己鍛錬

この第一ステージは、モラルと正しさを大切にしています。人は、心の成長を意識し始めると、まず初めに「良い人」になろうとして、悪いことや自己中心的な考えをやめようと努力をし始めます。キレたり、他者を傷つけたりするような攻撃的な行動を控えようとするのもこのステージです。性格が悪く、人様に迷惑をかけていた自分を反省し、人として正しい道に戻ろうとする際に通る、一番最初のステージです。

このステージでは、「良い人」にはなりますが、世間で一般的に言われていることに従ったり、親が言うことを守ったり、神様や王様等、色々な権力者が言うことに、疑問を持たずに従うという特徴があります。人間とは何か、社会とはどのようになっているのか、人生とは何か、本当の自分はどうなのかというように、「本質」について「哲学的」に考えたりはしない段階です。

このステージの長所は、「こんな風に生きるのが正解だよ」というモラルの道しるべを描いてもらえることです。多くの人は、何が道徳的であり、何がそうでないかということをはっきりさせて、それに従うことが、シンプルで分かりやすい生き方だと考えます。この場合、自分の思考や行動について、深い「哲学的な内観」を必要としません。それぞれの信仰や政府、あるいは文化の上の人から、「人としての生き方」のチェックリストを与えられたような感じです。この生き方に従うことで魂は清められ、神・王・リーダーからのご加護を受けることが出来ると信じます。人々を統率しやすくなり、社会へ貢献する人を育てやすくなります。

日本は、特にその良い例です。相手を尊重し、規律を重んじる日本の文化は、世界でも評価されています。東日本大震災の時も、新型コロナウイルスの時でも、他の国のように攻撃的な行動に移る群衆は全く見られず、落ち着いた心で落ち着いた対応をしていました。

つまり日本人の大半の方が、第一ステージまでは到達しており、人間性はなかなか素敵だということです。国民の大半が、心を磨くステップの第一歩を踏み出しているのは、世界的に見るとすごいことかもしれません。

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Photo by Ekaterina Belinskaya on Pexels.com

セルフ・エンパワーメント

この第二ステージは、「自己啓発」のステージです。会社にも国にも縛られず、経済的な自由を勝ち取っていて、自由に楽しい人生を生きたいとか、成功者になるために色々な能力開発をやろうとするのがこのステージです。

他者に決めてもらう人生から、自分で全てを決める人生へのシフトがこの段階です。この段階に入ると、人生の自己コントロール感が芽生えます。好きな仕事をして、好きな場所に住み、好きな能力をゲットし、理想の収入を得ているという、ぱっと見一番人生が楽しそうなステージです。成長にどん欲な人たちや、成功者と呼ばれている人達の大多数がこのステージです。

このステージは、自分に自信をつけること、そして「自己肯定感」をつけることにフォーカスして、セルフエンパワーメントを求めます。自由と独立、そして自信のある姿が目標です。

多くの自己啓発やコーチングは、このセルフエンパワーメントが基本になっています。自分にパワーをつけて独立した生き方を達成することが目標です。

このステージの良いところは、実際に富と成功が手に入ることです。セルフエンパワーメントは、目標を達成し、自分のキャリアを成功させ、富をもたらし、自信をもたらし、独立することにおいては長けている方法と言えます。

しかし、これにも問題があります。それは、このような幸福感は長続きしないということ。目標を達成して、成功を手に入れたとしても、その幸福感は長続きしません。有名になっても、お金持ちになっても、自由な暮らしが手に入っても、幸福感は長続きしません。何かを達成したり、結果を出すことによって得られる幸せは、長期的な視点で見るとあまりあてにならないということです。

セルフエンパワーメントというのは、100m走の前にエナジードリンクを飲むようなものです。エナジードリンクを飲み続けることはできませんね。

結果を出すということと、人生を生きることというのは違います。幸福感、勇気、自信、平穏さなどは、私たちの心が美しい心の状態になった時に、自然と湧き出てくるものです。何らかのテクニックや方法を駆使しても、長期的に自分の心を幸せにしたり、自信をもたらしたりすることはできません。そして多くの場合、人との関係や心の成長、精神の成長といったものは、この一般的なセルフエンパワーメントの領域を超えたところに存在します。

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Photo by Joonas kääriäinen on Pexels.com

自己を知る

この第三ステージは、人生の目的とか、生まれてきた意味を哲学的に考える段階です。本当の幸せとは何かを真剣に考えだすのもこのステージです。ビジネスやプライベートで成功を収めた人たちが、最終的にここにたどり着く傾向が強いのですが、もちろん一般的な成功をおさめなくても、このステージにたどり着く人もいます。

このステージは、自分を知り、人生を内側から見つめるステージです。人は、第二ステージで自己肯定感を高め、自信をつけて、成功と富を手に入れた後に、この自己を知るステージにたどり着きます。がむしゃらに頑張りつつけてきた結果、その先には幸せがないことを知ったり、健康を害したり、自分の今までの生き方に違和感を覚えたりするからです。このステージに来ると、人は、自分自身を深く理解したいと思います。

簡単に言うと、外面的な成功から、内面的な成功へとシフトするのがこの第三ステージということです。幸福への全ての鍵は、自分の内側にあると気づき始める段階です。このタイミングで人は、スピリチュアルや仏教思想などの精神世界への関心が高まってきます。このステージに来ると、人は苦悩を解消し、心の平穏さと幸福を見つけることにフォーカスしだします。

このステージに来ると、本当の意味での自信が持てるようになります。自分の強さも弱さも、落ち着いた心で受け入れることが出来るようになります。これが本当の意味で自信をつけ、自分を強くさせることにつながります。

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Photo by Emma Llamas on Pexels.com

セルフ・トランセンデンス&リアリゼーション

第三ステージまでは全て自分個人についてのものであったのに対して、この第四ステージ以降は自分個人を超えたステージになります。私という存在と周囲のものが別個のものという感覚ではなく、全ては一つという感覚が生まれ始めます。

エゴが弱くなってくると、慈悲の心が生まれ、全ては一つという感覚が生まれてきます。最も揺るぎのない形の、潜在的な自己肯定感と自信は、ここから生まれます。潜在的な自己肯定感があるとき、人生は希望にあふれ、特定の理由がなくても生きる意義を見出すことが出来ます。また自然と、他人を助けたい、社会貢献したいと思う心も出てきます。

第五ステージ、最終段階は、セルフ・リアリゼーションと呼ばれるステージです。このレベルは、完全なワンネスです。私のものとか、私の身体とか、人間とその他の生き物、というような感覚がありません。完全にワンネスなので、この人にとっては時間も一つしかないし、空間も一つしかありません。

私たちの本質はコンシャスネス、つまりただの意識であり、静かにすべての物事を見ているだけです。死ぬこともなければ生まれることもない、永遠で幸福なコンシャスネスです。静寂な心で、ただすべての目撃者になっている時、ついに私たちは「しないこと」を経験します。色々なプロセスをただ目撃しているだけです。つながりは自然と生まれ、全ての物事は楽に流れるようになります。自然と会うべき人に会い、問題に直面した時には、自然とベストな決断をしていくことが出来ます。この状態になると、人生は奇跡の連続であることが、真に理解できるはずです。

photo of white and red petal flower under blue sky
Photo by Recal Media on Pexels.com

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第一ステージから第五ステージまで、それぞれの特徴を見てきました。

ここで大切なのは、24時間ずっと同じステージに居続ける必要はないということです。

例えば筆者は、第四段階に居続けるのは不可能だと言っています。日々色々な体験をする中で心は動くので、同じ人でも第二段階や第三段階に戻ることもあります。それでも、第四段階や第五段階を経験する時間や回数が増えていくのであれば、心はちゃんと成長しています。

本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『世界のエリートが実践する 心を磨く11のレッスン』 をご参照ください。

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