幸福の正体、優先順位、性質。『精神科医が見つけた 3つの幸福』

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「幸せになりたいか」と聞かれたら、ほとんどの人が「はい」と答えるでしょう。しかし、「どんな状態になれば幸せなのか」、「貴方にとっての幸せとは何か」と聞かれたときに、はっきりと答えられる人は少ないと思います。

幸せとは何かがはっきりしない状態では、幸せにはなることは難しいです。なぜなら、目的地を決めずに目的地に到達することはできないからです。

樺沢紫苑著『精神科医が見つけた 3つの幸福』には、幸せの定義、現実的かつ具体的に実践可能な幸せになる方法が書かれています。本書を、以下の4つのポイントでご紹介します。

  • 幸福の正体
  • 幸福の優先順位
  • 幸福の性質
  • 幸福になるための具体的な方法

幸福の正体

本書では、幸福の正体は脳内物質であるとしています。私たちが幸せを感じている時には、ドーパミン、セロトニン、オキシトシン、エンドルフィン、アドレナリン、ノルアドレナリン、GABA等、100種類以上の幸福物質が脳内で分泌されています。

  • ドーパミン:お金や成功、達成の幸せ
  • セロトニン:やすらぎ、気分の安定の幸せ
  • オキシトシン:愛、つながりの幸せ
  • エンドルフィン:ランナーズハイ等、限界に陥った時に分泌される。多幸感を感じる。
  • アドレナリン、ノルアドレナリン:興奮、不安、恐怖を感じた時に分泌される。エキサイティングでスリリングな快感。

しかし、100種類以上の幸福物質があると言っても、それらすべてを満たすように考え行動するのは難しいですよね。私たちの日常的な幸福を構成する主な幸福物質としては、ドーパミン、セロトニン、オキシトシンの3つが特に注目されています。これらは、他の書籍でもよく幸福物質、幸福ホルモンとして紹介されており、3大幸福物質と考えて良いでしょう。

ドーパミンが出ている時は、心臓がどきどきするような高揚を伴う幸福感を感じます。

セロトニンが出ている時は、爽やかで安らか、穏やかな幸福感を感じます。

オキシトシンが出ている時は、愛に包まれた幸福感を感じます。

つまり幸福とは、脳内でドーパミン、セロトニン、オキシトシンといった幸福物質が出た状態を言い、これらの幸福物質を出す条件が、幸せになる方法であると言えます。

私たちが普段感じる幸福は、ドーパミン的幸福、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福の3つに分類できます。

ドーパミン的幸福とは、お金、成功、富、名誉、地位等、達成の幸福です。

セロトニン的幸福とは、健康の幸福、心と身体の健康の幸福です。

オキシトシン的幸福とは、つながり、愛、友情、コミュニティへの所属などの人間関係の幸福です。

私たちが一般的に考えている幸福、一般的に求める幸福は、この3つのどこかに含まれると思います。ではこれらをどのような順番で、どのように組み合わせていけば幸せになれるのでしょうか。

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Photo by Hanawasthere on Pexels.com

幸福の優先順位

ドーパミン的幸福、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福の3つ全てが満たされている方は当然幸福です。しかし、3つとも全て満たされてる方は非常に少ないです。なぜなら、3つの幸福を得るためには優先順位があるからです。そして、ほとんどの人がその優先順位を間違えています。

幸福になるためには、まずセロトニン的幸福、次にオキシトシン的幸福 、最後にドーパミン的幸福を満たすのが正解です。この順番を間違えると、幸福になるどころか、むしろ不幸になってしまう可能性があります。ここで重要なのは、ドーパミン的幸福は一番最後に満たすべきということです。

なぜなら、セロトニン的幸福をないがしろにしてドーパミン的幸福を目指すと、メンタル疾患や身体疾患に陥る可能性が高くなるからです。これはつまり、自分の健康を害してまで成功を目指すということです。心身がすり減ると、幸福になるどころか不幸になりますよね。そのため、「セロトニン的幸福が先、ドーパミン的幸福は後」です。

また、オキシトシン的幸福も、ドーパミン的幸福より優先するべきです。毎日残業続きの仕事人間は、家族や夫婦で食事をする時間もなかなか取れません。家族に対して全くケアが出来ないと、妻から離婚されたり、子供が不登校になったりする可能性もあるでしょう。どれだけ仕事で成功したとしても、そうなってしまっては寂しいですね。そのため、「つながり(=オキシトシン的幸せ)」が先、「成功(=ドーパミン的幸せ)」が後です。

つまり、セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福を満たして初めて、ドーパミン的幸福を求める準備が出来るということです。

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Photo by Lovefood Art on Pexels.com

幸福の性質

幸福には4つの性質があります。

1.「Be」の幸福と、「Do」の幸福

セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は、そこにある幸福感です。つまり、「Be(=ある、存在する)」の幸福です。

朝起きて太陽の光を浴びて、爽やかだな、気持ちが良いなと感じるのがセロトニン的幸福です。朝起きてそこに最愛のパートナーがいて、コーヒーを淹れてくれる。それがオキシトシン的幸福です。

しかし、そこに感謝がなければ幸せを感じません。「Be」の幸福を手に入れていても気づかない人が多いのです。ほとんどの人は失ってから、今まで「Be」の幸福を持っていたことに気づきます。それでは遅すぎますね。

これに対してドーパミン的幸福は、行動や努力の結果得られる幸福です。つまり、「Do(=行動する)」の幸福です。

例えば「お金持ちになりたい」のであれば、より多くの「Do」をすれば良いのです。

2.幸福は結果ではない、プロセスである

努力していると、いつか幸福が手に入ると思っていませんか?それは、幸せを「結果」としてとらえているということですが、その考えは間違いです。

日々のセロトニン、オキシトシン、ドーパミン分泌の中に「幸せ」という状態が存在します。

何か大きな目標を達成したとき、大金を手にしたとき等、その瞬間はドーパミンが大量に分泌されるので、大きな幸福は得られますが、長続きはしません。

幸せとは、今この瞬間の「状態」であり、プロセスです。ゴールでも結果でもありません。「今、健康である」というセロトニン的幸福、「貴方を支えてくれる人がいる」というオキシトシン的幸福、これら「Be」の幸福、今ここにある幸福こそが、本当の幸福です。

3.「減る」幸福と、「減らない」幸福

多くの人は、お金持ちになると幸福になれると信じて仕事を頑張っていますが、それは本当でしょうか。

プリンストン大学、ノーベル経済学賞を受賞されたアンガス・ディートン氏は、①ポジティブ感、②憂鬱でない、③ストレスフリーの3つの指標で収入と幸福度の関係を調べました。それによると、年収400万円くらいまでは収入が増えると幸福も比例して増えていきますが、年収600万円くらいで幸福の増加ベースが鈍くなり、年収800万円を超えると、あとは年収がどれだけ大きく増えても幸福度はあまり変わらないということが分かっています。

他に日本人2万人を対象にした別の研究があり、それによると世帯年収1,100万円を超えると、それ以上は幸福度が増えないことが分かっています。

ここから分かることは、ある程度の金額までは「お金が増えれば増えるほど幸福になる」と言えますが、800万円から1,100万円を超えると、それ以上お金が増えても幸せはほとんど増えないということです。

また、宝くじに当選した後に続く幸福感は、たったの2か月ということも分かっています。

これらお金の幸福は、言い換えるとドーパミン的幸福です。ドーパミン的幸福は「減る」ということです。

これに対し、セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福は「減らない」幸福です。

今朝起きて太陽の光を浴びて、爽やかだな、気持ちが良いなと感じます。朝の太陽の光は10回浴びても100回浴びても実に気持ちがいいものです。このセロトニン的幸福は減らないのです。

最愛のパートナーが側にいてくれる、それに感謝していると、毎日毎日オキシトシン的幸福を感じます。オキシトシン的幸福も減らないのです。

セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福をベースにしていれば、幸福感は永続するのです。

4.幸福の掛け算で全ての幸福が手に入る

例えばお金を得た場合、ドーパミンしか出ないのであれば、その幸福感は減ります。しかしオキシトシンも一緒に分泌されたら幸福感は持続します。これを幸福の掛け算(この場合ドーパミン×オキシトシン)といいます。

オキシトシンは、感謝の気持ちで分泌されます。お金に感謝をすれば、幸福感が持続します。

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Photo by Pineapple Supply Co. on Pexels.com

幸福になるための具体的な方法

本書には色々と紹介されていますが、厳選して簡単に紹介します。

  • (朝)散歩:15~30分。
  • プチ幸福アウトプット:「綺麗だな」、「幸せだな」、「ありがたいな」と言う
  • 3行ポジティブ日記:夜、その日の楽しかったことを3つ思い出して書く
  • スキンシップ:ハグ、マッサージ等
  • 他者への親切と感謝
  • 非リタイア:人と接触するため働き続ける
  • 制限:娯楽は制限することで、長く楽しめる
  • コンフォートゾーンの外に出る:普段の行動範囲の外に出ることで成長する
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Photo by Ron Lach on Pexels.com

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幸福がホルモンの観点から説明されており、腑に落ちやすく、非常に理解しやすいですよね 。

今の状態、「Be」の幸せを、幸せだと感じられるその感度こそが幸福であり、その鍵となるのが「感謝」です。

貴方が今健康であること、貴方の側に愛するパートナーがいることは、当たり前ではありません。

本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『精神科医が見つけた 3つの幸福』 をご参照ください。

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