恋愛において外見はどのくらい重要なのか。『美人の正体』

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越智啓太 著『美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学』では、特に外見的魅力に焦点を当て、恋愛に関する研究が紹介されています。

やはり美人は一人勝ちなのでしょうか。美人やハンサムではなくても恋愛できるのでしょうか。本書を、次の6つのポイントでご紹介します。

  • 恋愛において外見はどのくらい重要なのか
  • 美人は性格が良いのか
  • 美人は頭が良いのか
  • どんな顔が美人なのか
  • 魅力ある男性とは
  • 美人やハンサムでなくても大丈夫

恋愛において外見はどのくらい重要なのか

「好きなタイプは?」と聞かれたら、「優しい人」等と性格を答える人が多いですが、恋愛において重要なのは、本当に外見より性格なのでしょうか。

これについて、ある学生向け出会い系パーティで行われた、ミネソタ大学の実験があります。

「コンピューターが、貴方に最適なパートナーを探してくれる」という建前で集められた参加者は、受付で性格検査を受けます。その際参加者は、パーティ主催者にこっそり外見的魅力度も評価されます。そして建前に反し、実はパートナーはランダムに組み合わされていました。

参加者は、パートナーと2人で2時間半パーティに参加した後、個別に呼び出され、もう1度そのパートナーとデートしたいか尋ねられます。

この時実験者である大学には、パーティ参加者全員の性格検査結果、入試や普段の成績データ、外見的魅力度のデータがある状態ですので、この質問によって、性格とモテ度、成績とモテ度、外見的魅力度とモテ度の関係が分かることになります。

結果、性格特性とモテ度には相関がみられず、成績とモテ度にも相関がなく、外見的魅力のみが、モテ度と関係していることが分かりました。

この結果を受け、1度きりではなく何度も繰り返し会う場合(5回等)はどうなのか等、その後も様々な追実験が行われました。しかし結果は変わらず、外見的魅力とモテ度の関係には高い相関関係があるということが、いずれの実験においても証明されました。

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Photo by Tuấn Kiệt Jr. on Pexels.com

美人は性格が良いのか

美人は性格が悪い、そうでない人の方が謙虚で優しいという話を聞くことがありますが、本当にそうなのでしょうか。

ミルズとアロンソンの研究で、半分の被験者には、ある女性のメイクアップした状態を見せ、もう半分の被験者には、その女性のメイクオフした状態を見せ、印象の違いを調べました。

その結果、メイクアップした場合の方が、優しく、好感が持て、きちんとしていると認識されました。

また、外見の良い人に接した場合に最初に抱く、「良い人である」という第一印象は、その後もなかなか変わらないことが分かっています。つまり、美人は性格が良いと思われやすく、その印象も長続きするということです。

他にもイエール大学の研究で、145本の論文を分析した結果、外見的魅力が高い人は、低い人に比べて社会的不安が少なく、社会的スキルが高いことが分かりました。つまり本当に、美人の方がより性格が良い人が多いということです。

美人は頭が良いのか

特に欧米では、ブロンドの女性は頭が悪いという説がありますが、本当にそうなのでしょうか。

カプランの実験で、あまりよく書けていない論文を用意し、男女70人ずつの学生に評価させました。半数には魅力的な筆者の写真を、残りの半数には魅力的でない写真を添付して、どのように評価されるのかを調べました。

その結果、男性は美人の能力を高く評価し、女性は美人でない方を高く評価する傾向にありました。なお、筆者を男性という設定で同じ実験を行った場合は、外見的魅力と評価に相関は見られませんでした。

他にもロンドン大学の研究で、17,000人の子供の発達縦断研究のデータを分析した結果、7歳、11歳の時に教師から魅力的だと判断された子供の方が、そうでない子供に比べて知能が高いということが分かりました。

アメリカの20,000人の子供を対象にした研究でも、顔がいいほど頭がいいという結論が得られました。

この理由は2つ考えられます。

1.生物学的な要因

顔の良さは優れた能力を持っていることを示すという、生物学的なシグナルになっているということ。

2.社会的文化的な要因

顔が良い人は頭がいいはずだと教師から期待され、それに応えようとするから、知的能力が高くなるということ。

crop ethnic businesswoman with open notepad at table
Photo by Anete Lusina on Pexels.com

どんな顔が美人なのか

これには4つの仮説があります。

1.平均顔仮説

1990年のラングロワとログマンの研究で、男女96人ずつの顔写真を用意し、それらをコンピューターに取り込み、写真を組み合わせて平均的な顔を作りました。

その結果、重ね合わせる顔が多くなればなるほど、魅力度が高くなることが分かりました。

2.対称顔仮説

1998年の研究では、コンピューターで対称性を高めた顔を作り評価させたところ、対称性の度合いが高まるほど、魅力度が高くなることが分かりました。

これは、左右対称であるということは、健康で適応度が高いことのシグナルになるためだと考えられます。

3.お肌すべすべ仮説

コンピューターを使って、様々な顔と肌の質感を組み合わせた画像を使って魅力度を評価させたところ、平均化した顔と同じくらい、お肌がすべすべだと魅力度が高いと評価されることが分かりました。

これは、肌の状態が良いことが、ホルモン状態の良さや健康であることを示すシグナルになっているからだと考えられます。

4.幼形(ネオテニー)化仮説

顔の特徴を幼くすることで魅力度を上げることが出来るという説です。

2009年のイタリアの研究で、美人の顔を細かく分析したところ、顔の上半分が広く、下半分が小さく、顔全体が円形であることが分かりました。

若く見える顔の作りの方が、魅力度が高く評価されるということです。

woman in white bridal gown meditating
Photo by Pixabay on Pexels.com

魅力ある男性とは

男性の魅力度が女性からどのように評価されるかについては、次のような実験があります。

同じ男性が、2種類のコスチュームを着て女性に魅力度を評価してもらいます。一つはハンバーガーチェーンのユニフォーム、もう一つは白いシャツ、ネクタイ、ロレックスといった格好です。

その結果、世間話するだけ、デートをするだけ、結婚を考えた真面目な交際等、どの条件で考えた場合でも、経済力が高く見える男性の魅力度が高く評価されることが分かりました。男性に同じ実験をしても、同じ効果は見られません。

つまり、男性は女性の顔やスタイルなどのビジュアルを重視するのに対し、女性は男性の経済力を重視することが分かります。

そのため、恋人が離れそうになった時、男性は高価なプレゼントを贈る等、経済的な方法でつなぎとめようとし、女性はより丁寧に化粧をする等によりつなぎとめようとすることが、調査で分かっています。

blue suit jacket
Photo by lucas souza on Pexels.com

美人やハンサムでなくても大丈夫

美人やハンサムでなくても幸せな恋愛が出来るのかについて、恋愛のSVR理論というものがあります。

この理論は、恋愛には3つのフェーズがあり、それぞれのフェーズによって重視されるものが異なるというものです。

第一フェーズ

出会いのフェーズであり、外見的魅力度の影響が大きいです。

第二フェーズ

恋愛において最も大切になるのは、価値観のフェーズです。この段階では、時間を共有し、親密さを深めます。そのため、お互いの価値観の一致が重要になり、外見の重要度は低くなります。

どんなに美人やハンサムと一緒にいても、好きな食べ物も金銭感覚も何も合わないとなったら、次第に離れていきますね。

第三フェーズ

交際から結婚に至るかどうかのフェーズです。お互いに、夫婦として長期的な関係が築けるかが問題となるので、外見的魅力度の重要度はさらに低くなります。

つまり、外見的魅力が有利に働くのは最初の出会いだけで、その後は価値観が合うかどうかや、長期的な関係が築けるかどうかが重要になるということです。

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Photo by Magda Ehlers on Pexels.com

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本書に興味を持っていただいた方、詳細は『美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学』 をご参照ください。

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