離職には3種類ある。『辞める人・ぶら下がる人・潰れる人』

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離職、生産性やモチベーションの低下、心身の不調、人間関係のトラブル、ハラスメント等々、組織において「人」に関する問題はつきものです。

上村紀夫 著『「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?』には、良い人材が健全に定着する組織を作る方法が書かれています。

離職を0にするのは無理ですが、離職は最適化すべきです。

そのためには、どの層を優先しどの層を諦めるのかを明確に決め、必要な施策を実行していくことが必要です。本書を、次の8つのポイントでご紹介します。

  • なぜマイナス感情に着目するのか
  • マイナス感情が発生する要因
  • 離職には3種類ある
  • 離職を最適化する
  • ターゲティング戦略
  • Whoには5種類ある
  • Whoの優先順位
  • WhatとHowを決める

なぜマイナス感情に着目するのか

マイナス感情とは、不平不満、不公平感のことです。

組織の衰退はマイナス感情の蓄積によって起こります 。そして、ある人の会社に対するマイナス感情は、その人の周りの人にも伝染します。

マイナス感情に着目する理由は、マイナス感情はプラス感情より強烈に印象に残り、様々な影響を長期にわたって及ぼすからです。

プラス感情を増やすための制度、例えば昇給、フレックスタイム、ノー残業デー、フリードリンク、リモートワーク等は、その制度が導入された直後は嬉しいものの、すぐにそれが当たり前になっていきます。

一方、例えば減給された場合や、同期と比べて自分の給与が大きく低い場合、不公平感や虚しさで会社に不満を抱くのではないでしょうか。またその感情をすぐに忘れることは出来ないのではないでしょうか。マイナス感情は、それくらい強烈に印象に残るのです。

当たり前になっていたこと、例えばリモートワークが急に廃止になった場合も同様です。当たり前が失われたことに対するマイナス感情は、プラス感情を感じた時以上に大きく感じます。

それにもかかわらず、多くの企業はプラス感情を増やす制度ばかりに手を付けています。なぜなら、プラスの施策の方が手っ取り早く短期的な効果が出て、簡単だからです。

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Photo by Pixabay on Pexels.com

マイナス感情が発生する要因

マイナス感情が発生する要因は、社員が求めるものと、会社が与えられるレベルに差があるからです。

また、マイナス感情は人によって感じ方が異なるため、誰かにとってのプラスは、誰かにとってのマイナスになりうるため、全員のマイナス感情をなくすことは出来ません。

だからこそ、誰をターゲットにするか、誰のマイナス感情を優先してなくすような施策を打つかを決めることが重要です。そしてそのターゲットに対してのみ、マイナス感情を解消する施策を打つべきです。

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Photo by Eva Elijas on Pexels.com

離職には3種類ある

離職と言っても様々な理由があります。大きく3つの種類に分けられます。

1.積極的離職

積極的離職とは、自分の希望を叶えるための離職です。

ステップアップ、働き甲斐などを求める前向きな離職で、やりたいことがあるから辞めるというものです。

2.消極的離職

消極的離職とは、今の環境から逃れるための離職です。

働きやすさ、居心地の良さなどを求める後ろ向きな離職で、会社に不満があるから辞めるというものです。

3.離脱

離脱とは、心身の健康悪化で働けなくなる離職です。うつ病等でやめる場合が当てはまります。

このように離職理由を種類別に分ける必要があるのは、離職は0にするべきものではなく、最適化するべきものだからです。

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Photo by Ksenia Chernaya on Pexels.com

離職を最適化する

会社にとって最も深刻な状況は、会社に不満はあるけれど、転職しない・出来ない人、いわゆる「ぶら下がり人材」が定着することです。

「ぶら下がり人材」は、仕事に対する意欲がなく、言われたことだけをする人たちのことです。

働きやすさを改善させる、プラス感情を増やす施策をしても、「積極的離職」を防ぐことは出来ません。それどころか、働き甲斐がなくても居心地がいいからこのままい続けようという「消極的定着」が増加していきます。

その結果、「ぶら下がり人材」が増加して、ますます会社がダメになっていってしまいます。

では、どうすれば良いか。

労働価値が異なる社員全員を幸福にするのは不可能なので、どの社員の価値観を満たすのか、戦略的に優先順位を決めること(ターゲティング戦略)が必要になります。

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Photo by Mica Asato on Pexels.com

ターゲティング戦略

ターゲティング戦略では、次の3つのことを決めます。このうち、Whoを最初に決めます。

1.Who(誰に向けてするのか)

2.What(どの課題を解決するのか)

3.How(どのような施策をするのか)

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Photo by RODNAE Productions on Pexels.com

Whoには5種類ある

全社員(Who)を次の5つに分類します。

1.優秀人材(10%)

すでに優秀で、企業や組織のけん引役となっている人材で、40代以上が多い。

2.ハイポテンシャル人材(10~20%)

3年から5年後に優秀な人材になるであろう人材で、幹部候補生。年代は20代後半から30代中盤が多い。

3.立ち上がり人材(10~20%)

入社から1年以内の人材。中途入社もここに含まれます。

4.普通人材(50~60%)

やるべきことをきちんとこなす人材。平均的な水準です。

5.ぶら下がり人材(0~10%)

仕事をしない、出来ないわけでもないが、言われたことだけをしている人。

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Photo by Kaboompics .com on Pexels.com

Whoの優先順位

本書では、ハイポテンシャル人材 ⇒ 立ち上がり人材 ⇒ 優秀人材 ⇒ 普通人材 ⇒ ぶら下がり人材の順に優先することが提案されています。

ハイポテンシャル人材は、労働価値が似ているため一気に対策がしやすく、優秀人材が抜けても穴を埋めることが出来、組織として安定します。また、立ち上がり人材にとっての良い目標にもなります。この層が育っていることが、組織で最も重要です。

立ち上がり人材の一部は、ハイポテンシャル人材に育つ可能性があります。また、入社後の離職率は採用にも影響を与え、この層が生き生きと働いているのは、対外的にも分かりやすいプラスイメージをもたらします。

優秀人材は優秀なため、引く手数多であり、離職を防ぐことはそもそも難しいという特徴があります。また、優秀人材が離職することにより、ハイポテンシャル人材に重要なポストを渡すことも出来るため、優秀人材の離職は悪いことばかりではありません。優秀人材を軽視するわけではなく、あくまで離職対策の優先順位が低いというだけです。

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Photo by Sutee Pheera on Pexels.com

WhatとHowを決める

「Who」でセグメントを決めた後、どの課題をどう解決するかを決めます。

1.ハイポテンシャル人材に対する施策

  1. 離脱が多い場合:疲労の蓄積に注目し、メンタルヘルス対策をします。
  2. 消極的離脱が多い場合:働きづらい環境になっていることが要因なので、定期的なヒアリングを実施します。課題が明確である場合が多いです。
  3. 積極的離脱が多い場合:働き甲斐を上げるための機会創出が必要です。この問題の解決は、1,2,3の中で最も難しいため、優先順位は最後になります。

2.立ち上がり人材に対する施策

  1. 離脱が多い場合:採用時の価値観合わせやストレス耐性チェックをします。
  2. 消極的離脱が多い場合:業務負荷、人間関係等、特に職場でのサポートが不足していないかを確認します。定期的な声掛けや1 on 1 面談等を実施します。
  3. 積極的離脱が多い場合:目標となる人がいないと転職してしまう傾向が強いため、見本となるハイポテンシャル人材を複数作ることが効果的です。
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Photo by MART PRODUCTION on Pexels.com

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誰(Who)に対する、どのようなマイナス感情に(What)、どう対応するか(How)を決めていくと、良い人材が健全に定着する組織を作ることが出来るということです。

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本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『 「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする? 』をご参照ください。

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