幸せになれる脳の使い方。『科学的に幸せになれる脳磨き』

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最新の研究から、脳の中でも「島皮質」という部位を鍛え、脳全体をバランスよく協調的に働かせることが、その人の人生を豊かに幸せにするとわかってきました。

本書のタイトルにある「脳磨き」とは、「島皮質」を鍛えることです。

岩崎 一郎著 『科学的に幸せになれる脳磨き』を、次の3つポイントでご紹介します。

  • 世界一幸せな脳を持つチベット仏僧
  • 「島皮質」の役割
  • 「脳磨き」のポイント6つ

世界一幸せな脳を持つチベット仏僧

アメリカのウィスコンシン大学ダビッドソン博士が率いる脳科学研究グループは、脳にはアクセルとブレーキに相当する部位があることを発見しました。

脳の前頭前野の左側がアクセル、右側がブレーキに相当します。

何かに集中したり、何かに前向きに取り組む際には、脳のアクセルに相当する部分が活性化し、立ち止まるようなときは、脳のブレーキに相当する部分が活性化します。

この、アクセル部分が活性化していると、前向きになり、幸せを感じる一方、ブレーキが強くなりすぎると、心が沈み、ネガティブになり、鬱になることもあります。

この研究グループは、1,000人以上の協力を得て、脳のアクセルの活性が高いのはどのような人なのかを調べる実験を行いました。その結果、最もアクセルの活性が高かったのは、チベット仏教の僧侶で、ダライ・ラマの通訳も務めているマシュー・リカール氏でした。つまり彼が、脳科学的に世界で一番幸せな人だということです。

彼の脳のアクセル部分の活性度は、通常時でも普通の人の10倍から100倍高いのですが、利他の心で世界平和や人の幸せを祈る瞑想をしている時に最高に活性し、その時の活性度は彼の通常時の5倍以上、つまり普通の人の50倍から500倍であることが分かっています。

最高に活性する「 利他の心で世界平和や人の幸せを祈る瞑想をしている時 」は、セルフレスの(=私心がない)状態です。つまり、自分の欲求をかなえることではなく、他者の幸せを願っている時の方が幸せを感じられます。

またこの「セルフレス」の状態の時、脳全体がバランスよく活性化していることも分かっています。

wood people art relaxation
Photo by Michelle on Pexels.com

「島皮質」の役割

豊かに幸せに生きるためには、セルフレスになり、脳全体をバランスよく使えばいいというのが、本書の主張です。

その鍵となるのが「島皮質」という部分です。「島皮質」は脳の中でハブ(=中継基地)のような役割をしており、私たちの感情や反応等幅広いものに関与しています。

自分の内側と外側を、他人と自分を、過去と現在と未来の自分をつなぐ働きをしています。「島皮質」の働きのお陰で、私たちは他者の気持ちを理解し、他者に共感することが出来ます。つまり、「島皮質」が発達している人ほど共感力に優れています。

また「島皮質」はハブの働きをしているため、ここが発達していると、脳をバランスよく使うことが出来ます。そして、脳をバランスよく使える人が幸せに生きられる人です。

『ウェルビーイング(≒幸せ)と島皮質の厚みは正の相関関係にある』(by スターリング大学、ルイス博士らの研究)

green mountain surrounded by body of water photo
Photo by Borislav Krustev on Pexels.com

「脳磨き」のポイント6つ

島皮質が厚いと幸せであるということは、島皮質が厚くなる脳の使い方をすれば私たちは幸せになれるということです。

その方法は次の6つあります。

1.感謝の気持ちを持つ

感謝には次の2つの種類があります。

  1. 恩恵的感謝:ポジティブな成果を得たから感謝するというもので、自分に良いことがあったと解釈できるときに感謝します。
  2. 普遍的感謝:感謝の気持ちをいつも感じている心の在り方のことです。例えば、生きていることに感謝している等。あらゆるものに感謝することが出来るようになる在り方です。

常に感謝の気持ちを持つ、毎日「ありがとう」というということは、他の自己啓発本等でも良く言われていることですが、上の2つのうちの「普遍的感謝」を指します。

恩恵的感謝だけの人は、何かいいことがないと感謝出来ませんので、鬱傾向を強くするという研究結果もあります。

「普遍的感謝」を身に付けるには、毎日感謝日記をつける、他者に対してその人を勇気づけるような言葉をかける(ありがとうと言う)等の方法があります。

2.前向きになる

3.気の合う仲間や家族と過ごす

4.利他の心を持つ

5.マインドフルネスを行う

最近話題になっているマインドフルネスは、脳磨きにも最適です。

マインドフルネスとは、「今この瞬間に、余計な判断を加えずに、自分の人生がかかっているかのように真剣に意識して注意を向けること」です。

つまりあれこれ考えず、ただただ自分の心を身体に向き合う時間を過ごすということです。集中とリラックスが共存し、精神と身体、脳が安定した状態です。集中して行うと、そこにエゴが入る余地がなくなっていきます。

その方法は、次の通りです。

  1. 壁などにむかって座る
  2. 姿勢を正して余計な力を抜く
  3. 一礼する
  4. 目を開けたまま、目線を下に
  5. 肩に力が入らないように手を太ももの上などに置く
  6. 身体を最初は大きく、徐々に小さく左右にゆらし、最後に重心を安定させる
  7. 大きく深呼吸を2回し、普通の呼吸に戻す
  8. 息を吸って吐いて「一つ」と心の中で数え、また吸って吐いて「二つ」と心の中で数え・・・吸って吐いて「十」まで数え、また「一つ」に戻る・・・ということを一定時間続ける
  9. 最後に、一礼して終える

やり方は諸説ありますが、大事なことは、余計なことを考えず、ひたすら呼吸に意識を向け続けることです。余計な考えが頭をよぎっても受け流しましょう。

著者は、脳トレ座禅を毎朝5分から20分程度行っているそうです。

最初は1分でも良いです。大切なのは、1回の時間の長さよりも、続けることです。毎日が理想です。

なお、『ホモ・デウス』、『21 Lessons』の著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は毎日2時間瞑想(≒マインドフルネス)をしているそうです。 その他故スティーブ・ジョブズ氏、ビル・ゲイツ氏等、多くの著名人がマインドフルネスを日常に取り入れています。

アメリカのマハリシ経営大学、アレキサンダー博士による、平均年齢81歳、73名を対象に行った研究によると、マインドフルネスの瞑想を毎日20分、朝と晩の2回続けていた高齢者は3年後の死亡率は0%、認知症の症状がほぼ見られなかったのに対し、マインドフルネスの瞑想を行っていない高齢者は3年後の死亡率は12%、認知症のスコアが30%下がっていました。

他の研究でも、マインドフルネスを実践したグループの免疫力は30%もアップするという結果が見られました。

このようにマインドフルネスは、健康にもプラスの影響を与えることが分かっています。

6.Awe(オウ)体験をする。

Awe体験とは、大自然や大宇宙に接し、自分のちっぽけさを感じる経験を言います。

カナダのトロント大学の研究では、Awe体験をすることで、自分のエゴが小さくなり、謙虚な気持ちが起こることが分かっています。前向きになり、誰かのために役立ちたいと思うようになります。自分の人生の目的や志が見えてきます。

中国の広州大学の研究では、Awe体験をすることがで、未来の時間感覚を持てるようになることが分かっています。未来を、今と同じような感覚で捉えるようになるということです。

さらにAwe体験をすることで、インターロイキン6の濃度が下がり、寿命がのびることが分かっています。

写真や映像を見ることでも、実際に大自然等を体験した時と同様のAwe体験を得ることも出来ます。

horseshoe bend photo
Photo by Pixabay on Pexels.com

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本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『科学的に幸せになれる脳磨き』 をご参照ください。

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