『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』

Pocket

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』は、2014年の『NYタイムズ』等でビジネスベストセラーとなり、日本でも20万部以上売れている本です。

著者のグレッグ・マキューン氏は、シリコンバレーのコンサルティング会社THIS Inc.のCEOとして、Apple、Google、Facebook、Twitterのアドバイザーを務めている方で、2012年には世界経済フォーラムにより「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出されました。

「エッセンシャル」とは、「本質的」という意味です。

本書で語られていることは、自分の人生にとって本当に本質的で重要なことにだけに集中するべきということです。逆に言うと、それ以外の本質的ではない事柄は全て迷うことなく捨てなければなりません。

これは、本当に有意義な人生を送るために非常に重要なことですが、実際に実践できている人はとても少ないことでもあります。

本書を、次の5つのポイントでご紹介します。

  • 優秀な人ほど成功のパラドックスに陥りやすい
  • 「選ぶ」ことを選ぶ
  • ノイズの大多数は無価値である
  • トレードオフ、何かを選ぶことは何かを捨てること
  • 少数の重要なことを見極め、多数の瑣末なことを切り捨てる

優秀な人ほど成功者のパラドックスに陥りやすい

皮肉なことなのですが、優秀な人であればあるほど、この「エッセンシャル思考」の実現が難しいという事実があります。

これは、「成功者のパラドックス」が原因です。

優秀な人は、頼まれた仕事をきちんとやり遂げるので、周りから「頼れる人」という評判を得ることになります。そしてその結果、その人は更にたくさんの仕事を頼まれるようになり、本来やるべきことをやる時間やエネルギーがなくなるということが起きます。

この悲劇を避けるためには、本当に重要なことに集中し、それ以外の頼まれごとは断ることが必要です。

人からの依頼を断るのは勇気がいることですが、本来やるべき仕事だけに集中することで、仕事の質も高くなり、結果的には、例え依頼を断ったとしても周りからの信頼を得ることにつながるのです。

ball ball shaped blur daylight
Photo by Pixabay on Pexels.com

「選ぶ」ことを選ぶ

「エッセンシャル思考」の最初の一歩は、自分で「選ぶ」ことを選ぶということです。

自分で優先順位が決められない人は、次第に自分の意思が無くなり、人に言われたことを黙々と実行するだけの人になります。

選ぶ力を手放すことは、他人に自分の人生を決めさせることと同じなのです。

ノイズの大多数は無価値である

「パレートの法則」、別名「80対20の法則」をご存じでしょうか。

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート氏が提唱した法則で、売上の80%はたった20%の商品から生み出されるというものです。

つまり、努力と成果が比例するとは限らないということでまんべんなくあらゆることを努力するよりも、本当に重要なことに集中して努力をするべきだということです。

「ごく限られた少数のものだけが非常に役に立ち、その他のほとんどは無価値だ」(by ジョン・C・マクスウェル)

多数の良いチャンスは、少数の非常に良いチャンスに遠く及びません。

本当に重要なことに “Yes” というために、その他の全てのノイズに “No” というのです。

brown paper with handwritten text
Photo by cottonbro on Pexels.com

トレードオフ、何かを選ぶことは何かを捨てること

何かを選ぶということは、他のものを捨てるということです。「エッセンシャル思考」の持ち主は、このトレードオフを当たり前の現実として受け入れています。

例えばサウスウエスト航空は、至れり尽くせりのサービスで価格を吊り上げるのではなく、機内食を出さないことを選び、座席指定も廃止し、単純に飛行機を乗り物として使ってもらうことにしました。

最初、このやり方は批評家から「そんなやり方がうまくいくわけがない」と批判されていましたが、2年もたつとサウスウエスト航空の経営は軌道に乗り、大きな利益を上げ始めました。

他の航空会社はその成功に驚きやり方を真似しようとしましたが、中途半端な真似に終始し、失敗に終わっています。

例えばコンチネンタル航空は、機内食や手厚いサービスを廃止して、料金を安く抑えるプランを開始しました。しかし従来の通常サービスも並行して行っていたため、期待していたほどコストを削減できず、結局厳しい価格競争の中で業績は悪化して数億ドルの損失を出しました。

非エッセンシャル思考の人は、トレードオフが必要な状況でどうすれば全部できるかを考えます。

他方エッセンシャル思考の人は、どれを引き受けて全力を注ぐか、まず選択します。

unrecognizable woman demonstrating clothes in store
Photo by Liza Summer on Pexels.com

少数の重要なことを見極め、多数の瑣末なことを切り捨てる

本当に重要なものごと見極め、多数の瑣末なことを切り捨てるために必要なことは、次の5つです。

1.孤独:考えるためのスペースを作る

数多くのどうでも良いノイズの中から、数少ない重要なことを見分けるには、誰にも邪魔されない時間を確保することが不可欠です。

エッセンシャル思考の人は、目の前の選択肢にすぐには飛びつかず、調査と検討に時間をたっぷりとかけます。

考える余裕を持つには、集中せざるを得ない状況に身を置くことが重要です。

例えば、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏は、1週間丸々考えるためだけに使う時間を定期的に確保していることで知られています。

忙しさのピーク時も、ゲイツ氏は年に2回ほど時間を作って1週間仕事から離れ、一人きりで大量の本や記事を読み、最新の技術について学び、これからのことに思考をめぐらせていたと言います。

たとえ短い時間であっても忙しい日常から離れ、自分だけでいられる時間を確保しましょう。

2.睡眠:1時間の眠りが数時間分の成果を生む

優秀な人ほど、睡眠を生産性の敵だと考え、出来る限り睡眠時間を削って多くの仕事をしようとします。

しかし、私たちの最大の資産は自分自身です。心と身体の健康をないがしろにすると、価値を生み出すことが出来なくなってしまいます。

例えば一流のバイオリニストは、良く練習するだけでなくよく眠るということが明らかになっています。彼らの平均睡眠時間は1日平均8.6時間で、昼寝も週に平均2.8時間取っているといいます。

睡眠が、一流のパフォーマーの並外れた集中力を支えているということです。

また、脳は眠っている間に膨大な情報の整理と再構築を行っているので、十分に睡眠をとることで、物事を明確に決断することが出来るようになるのです。

3.選抜:最も厳しい基準で決める

重要なことを選択するためには、中途半端な “Yes” をやめて、絶対にやりたいか、それともやらないかの2択にすることです。

そのためには、10段階評価で9以上の選択肢しか選ばないという「90点ルール」で考えると良いです。

明確で厳しい基準を持っていれば7,8くらいの評価の中途半端な選択肢に悩まされることはなくなります。

非エッセンシャル思考の人はいつも、消極的な基準で物事を選んでいます。「誰かに頼まれたからやる」、あるいは「みんながやっているからやる」、という基準です。

ソーシャルメディアで多くの人がつながっている現在、「みんながやっているからやる」という基準で決めていたら、あらゆるどうでも良いことに手を出す羽目になってしまいます。

絶対に “Yes” だと言いきれないなら、即ち “No” であるというのが、エッセンシャル思考の考え方です。

4.拒否:断固として上手に断る

不要な物事を抱え込まないためには、断固として上手に断る技術を持つべきです。

自分にとって本当に重要なこと以外に対して “No” というコツは3つあります。

  • 沈黙の時間を持つこと
  • 代わりとなる代替案を出すこと
  • 即答を避けて、「予定を確認して折り返す」と伝えること

断ることで相手を失望させたくないと思うかもしれませんが、うまく依頼を断ることは、自分の時間を安売りしないというプロフェッショナルとしての証明になります。

長期的に見れば、好印象を持たれるよりも敬意を持たれる方がより大切なことなのです。

5.キャンセル:過去の損失を切り捨てる

チケットを買ったからというだけで、つまらない映画を最後まで見るのは、「サンクコスト」(埋没費用)と呼ばれる心理的バイアスが理由です。

すでに払ったお金や時間が無駄になるのがもったいないからといって損な取引を続けていると、益々その損失は広がります。

「もしこのチャンスを逃したらどうなるか」と考える代わりに、

「もしこのチャンスが自分のところに来ていなかったら、手に入れるためにどれだけのコストを払うか」と考えてみるのです。

そうすることで、冷静に価値を判断してきっぱりと過去の損失を切り捨てることが出来ます。

pexels-photo-1010973.jpeg
Photo by Miguel Á. Padriñán on Pexels.com

・・・・・・・・

本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』 をご参照ください。

☆関連記事

イシューのみに集中する。『イシューからはじめよ。知的生産の「シンプルな本質」』

ユーザーが本当に求めているものを提供する。『シンプルに考える』

頑張らなくても勝てる場所に行く。『1%の努力』

にほんブログ村

投資信託ランキング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。