『達人のサイエンス — 真の自己成長のために』

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達人のサイエンス — 真の自己成長のために』は、アメリカ教育界で多くの賞を受賞し、合気道の師範でもあるジョージ・レナード氏の著書です。

私たちが何かを習得するまでの過程は、一直線に成長するわけではなく、下の図のように成長したかと思えば壁にぶつかり、それでも進み続けてようやく壁を乗り越え、そしてまた壁にぶつかるということを繰り返して成長していきます。

この、成長を実感できない停滞期間のことを「プラトー」と呼びます。

ほとんどの人は、このプラトーになった段階で心が折れ、「やっても意味がない」と言ってやめてしまいます。だからいつまでたっても何も高いレベルで習熟することが出来ません。

つまり、今まで生きてきて何も習熟できていない場合、それは才能のせいではなく、いつも途中で投げ出してきたからです。

しかし裏を返すと、このプラトーに耐え続けた者だけが物事を高いレベルで習熟し、達人になることが出来るというわけです。この世の中のありとあらゆるものは全て、学び始めて成長し、停滞期間を経て習熟できるようになっています。

新しいことに挑戦している方、壁に直面して悩んでいる全ての方に、勇気を与えてくれる本書を、次の8つのポイントでご紹介します。

  • 達人になる人はプラトーが来てもやめない
  • 達人になる人は、ほとんどの時間をプラトーで過ごす
  • プラトーに耐えられない人の3つの特徴
  • 達人になる人は、その物事が好き
  • 達人になる人は学び続ける
  • 越えなければならない壁「ホメオスタシス」
  • 短期目標を追わない
  • 勝つことが全てではない

達人になる人はプラトーが来てもやめない

何か物事を始めると、最初は誰でも上達します。何もわからなかったところから、少しずつ色々なことが分かっていきます。しかし必ずプラトーにぶつかります。

物事を上達できる人と出来ない人の違いは、この段階から生まれます。

つまり、いつまでたっても何も習熟出来ない人は、成長を実感できなくなるとやめてしまいますが、達人になる人は、自分の成長をいまいち実感できていなくても決して投げ出しません。たとえ先が見えなくても、毎日地道な練習を続けます。他の人を参考にしたり、何度も試行錯誤を繰り返していきます。そのうちついにプラトーを抜け、上達する日が来ます。もう上がらないと思っていたレベルが、一段上達するのです。

運動も、勉強も、料理の腕も、成長を感じられなくなってから続けられるかどうかが、その上のでベルまで上達出来るかどうかの分かれ目です。だから大事なのは、このプラトーをどう乗り越えるのか、です。

達人になる人は、ほとんどの時間をプラトーで過ごす

私たちが何かに習熟することを目指す時、成長を感じないプラトーという期間になっても練習を続けなければなりません。しかし、続けることが難しいのです。

プラトーとはまるで出口の見えない洞窟のようなものなのです。毎日努力してくる中で、果たしてこの先に本当に出口があるのか、不安になることもあるでしょう。それでも努力を続けた結果、ついに出口を見つけます。レベルが上がるということです。

それまで勝てなかった人に勝てるようになったり、格下の相手に負けなくなります。そして、強いやりがいを感じます。しかしその瞬間、また次のプラトーに入ります。

そのプラトーは前回の物よりもっと長く暗いプラトーです。レベルが上がったという一瞬の喜びと、今度またいつレベルが上がるのか分からない不安な気持ちのまま、それでもまた成長できることを信じて、出口を探して洞窟の中を歩いていくことになります。

つまり達人になる人は、ほとんどの時間をプラトーで過ごすことになります。毎日、上達しているのかしていないのか分からないまま、上達する日を信じて歩き続けることが、達人の道なのです。

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Photo by Tsvetoslav Hristov on Pexels.com

プラトーに耐えられない人の3つの特徴

達人になれない人のプラトーに対する向き合い方には3パターンあります。

1.ダブラ-型

一度成長した後、プラトーが訪れるとそれに耐えられずに辞めてしまうタイプです。

このタイプは熱しやすく冷めやすい、新し物好きなミーハータイプです。最初は成長を感じられるのでモチベーションがありますが、一旦成長が落ち着いて、プラトーに向けた後退が始まるとモチベーションが消え去ってしまいます。

その結果、次の新しいものに飛びついて、新たな成長の快感を求めます。

2.オブセッシブ型

このタイプはダブラ-型と違い、プラトーに入ったからといって諦めはしません。むしろ、成長が止まったことを許さず、がむしゃらに努力するタイプです。

しかし、どんなに努力したところでプラトーは必ずあり、避けられないものですので、努力の割に伸びない状態が続くことになります。結局、無理な努力は続かず、後退が来て、やはり断念してしまうことになります。

3.ハッカー型

プラトーのままずっとそこにとどまってしまうタイプです。

このタイプは、プラトーが来ても特に焦ったりはしません。ただし、するべき努力もしないので、実力がそこで止まってしまいます。その結果、次のステップへの成長が永久に訪れなくなります。

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Photo by Pixabay on Pexels.com

達人になる人は、その物事が好き

達人は、プラトーを嫌な物とは思っていません。プラトーは、表面上上達していない期間ですが、達人たちは、練習を続けていればいつかレベルが上がると知っています。

周囲の人からは「意味ないのに努力している」とか、「才能がないから努力をしても無駄」と笑われることもあります。しかし、いつかこのプラトーを越えられることを知っている人達は、周りを気にせずに練習を続けることが出来ます。

達人になる人は、物事そのものも好きなのです。例えば陸上選手であれば、走ることそのものが好きだということです。だからプラトーの期間が来ても、その物事に向き合い続けることが出来るのです。「好きこそ物の上手なれ」ということですね。

達人になる人は学び続ける

私たちが学ぶ目的は、変化するためです。変化するために学ぶのです。

達人と呼ばれる人たちは、他にもっと優れた方法ややり方があるのではないかと常にありとあらゆるものから新しいものを学んで、変化しています。

新しいやり方を試したら悪くなった等、変化した結果失敗することもあるかもしれません。それでも何度も立ち上がり、トライし続けるのが達人です。

繰り返し練習するのはもちろん大切ですが、それを習得したらどんどん新しいことを学んで変化していかなければ成長しません。同じ問題ばかり何度も解いても、それ以上成長しないのと同じです。

新しいことを知り、小さくても良いから変化することが達人なのです。「私はもう完璧だから学ぶことはない」と言っている人は、達人ではありません

越えなければならない壁「ホメオスタシス」

ホメオスタシスとは、生物に備わっている現状を維持しようとする性質のことです。

例えば、私たちの体温が、今の体温から4℃上がったり下がったりすると、体調が非常に悪くなり歩けなくなります。このように、私たちの身体は変化に抵抗して常に一定の状態を維持しようとしています。

このホメオスタシスは精神的な面でも働いています。例えば飲食店でいつも同じ席に座ろうとするのは、このホメオスタシスのせいです。

だから新しいことを学び変化しようとすると、このホメオスタシスが「変わりたくない!」と抵抗してきます。変化する時に嫌な気持ちになるのは、このホメオスタシスによって現状維持を選ぶように人間がプログラムされているからです。

このホメオスタシスに抗い変化しなければ、達人になることは出来ません。

一方、ホメオスタシスを活かすことも出来ます。それが「習慣」です。

例えば、運動を習慣にしている人は、運動が出来なくなると気持ちが悪くなります。勉強を習慣にしている人は、勉強しないとサボっているようで気持ちが悪くなります。これは、ホメオスタシスによって現状維持しようとしているからです。

達人になるためには一定の努力をし続けなければなりません。だから、達人になりたければ練習を習慣化すれば良いのです。習慣化すれば、ホメオスタシスを利用して毎日楽に努力を続けることが出来ます。

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Photo by Arnie Chou on Pexels.com

短期目標を追わない

短期的な目標を追い、それを達成すればやめるというやり方では達人になることは出来ません。達人への道とは、終わりなき成長の道なのです。

例えば、受験に向けて1日10時間勉強したとしても、受験が終わった後にも勉強を続けている学生はほとんどいないと思います。

一方、プロのスポーツ選手等、大会が終わったからといって練習をやめることはしません。勝とうが負けようが、練習は続いていきます。なぜなら、毎日成長し続けなければ次の大会で勝てなくなるからです。

私たちはついつい短期目標を決めてそこまで頑張ろうとしますが、それではずっと達人になることは出来ません。達人とは、生涯を通して練習を続ける人なのです。

勝つことが全てではない

自分以外の周囲の人は、親であっても「結果」しか見ていません。この社会では、結果が良ければすごい、結果が悪ければだめな人だという評価をします。

しかし、日々努力をしてきた自分に関しては、結果だけが全てだと思ってはいけません。勝つことばかりに固執すると、ズルをしたり、近道をしようとしたりするからです。またもし結果が全てなら、練習内容も、自分の成長もどうでも良くなってしまいます。

達人になる人は、「大会は自分の成長をお披露目するもの」として考え、勝つために今持っている自分の能力を出し切ることを目標としています。そのような心持ちであれば、勝っても負けても、自分の能力を出し切れれば潔くなれます。全力を出したら、負けても相手を尊敬し、潔い気持ちでいられるのではないでしょうか。

そして少しでも自分の成長を感じることが出来れば、今のまま練習を続けていけば、相手に勝てる日が来ると信じて練習を続けられます。そうやって結果が全てだと考えないからこそ、大会の翌日からでも、地道な努力を続けていけるのです。

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Photo by Darwis Alwan on Pexels.com

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本書に興味を持っていただいた方、詳細は『達人のサイエンス — 真の自己成長のために』をご参照ください。

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