『仕事も人間関係もうまくいく放っておく力―もっと「ドライ」でいい、99の理由』の著者、枡野 俊明さんは、曹洞宗徳雄山建功寺の住職であり、庭園デザイナーであり、多摩美術大学環境デザイン学科の教授をされている方です。2006年「ニューズウィーク」誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」にも選出されました。
この世の中には、放っておいた方が良いことがたくさんあります。本書には、いちいち気にしない、反応しない、関わらないコツ、人生を快適化するヒントが書かれています。
本書を、次の9つのポイントでご紹介します。
- 職場では「ドライ」でよし
- 「ご縁」に従う
- 「世間」を気にしたら負け
- SNSに使われない
- 目の前の仕事に没頭する
- 「人それぞれ」をよく理解する
- 期待しすぎない
- 「去る者」を追わない
- 「平均」を調べない
目次
職場では「ドライ」でよし
職場では「ドライ」でいいのです。最近コロナ禍の影響で大分少なくなったと思いますが、少し前までは、飲み会、社員旅行等もよくあったと思います。
職場では、仕事がきちんと進めばそれで良いのです。お客さんに迷惑をかけず、仕事が問題なく進むのであれば、仲良くする必要などありません。
合わない人と仕事をする場合は、感情を入れずに粛々と仕事を進めましょう。

「ご縁」に従う
「ご縁」とは、運命的な結びつきや関係を指します。「ご縁」に従っていればうまくいくように出来ています。
ご縁があれば、またこの先どこかで出会うし、放っておいても戻ってきます。
逆に、例えば無理やり会社を辞めないように押さえ込もうとすると、その退職の決心を阻止された人は、「周りは自分の意見を聞いてくれないのだ」と感じます。
何事も、縁に背くと上手くいかないのです。
会社を辞める場合、その人がその会社に縁が無くなったから、ただそれだけです。だから、ただ受け止めてそっとしておくのです。
「世間」を気にしたら負け
世間や常識は、誰かに都合が良いから作られたキャッチコピーであることが多くあります。そのため、その時々によって急に変わることもあります。
世間や常識を気にする人は、「自分軸」で生きていないとも言えます。自分はこうしたい、こうなりたいという軸がないと、他人が決めたルールに則って生きていくことになります。そのような生き方で良いのでしょうか。「世間」は気にしなくていいのです。
SNSに使われない
SNSで大量の情報を浴びるようになった今、どこかの誰かがどう言ったかどうかで怒ったり傷ついたりしている人が増えています。
そもそも、みんな何かしらの事情があるものです。それにもかかわらず、白黒つけて袋叩きにするような論争をすることに、何の意味があるでしょうか。ある程度距離を置いてむやみに関わらなことが大切です。
SNSはあくまで情報収集やコミュニケーションのためのツールと割り切って、上手に使いこなす必要があります。

目の前の仕事に没頭する
SNSが気になってしまったり、恋人に依存して頻繁に連絡を取ってしまうのは、没頭するものがないからです。没頭していないから、暇すぎていちいち周りのことが気になってしまうのです。
自分の仕事に没頭している人は、どうでも良い連絡はしないし、SNSも気になりません。なぜなら、今自分にはやるべきことがあり、それに没頭しているからです。人は没頭していると、自然に情報がシャットアウトされて周りが気にならなくなります。
「人それぞれ」をよく理解する
基本的に、人と人とは分かり合えないものです。そして、人を変えることは出来ません。だから分かり合えない人とは無理に分かり合おうとせず、放置すればいいのです。
「人はわかりあえない」を前提に意見を交換すると、少しの意見の一致でも喜べるようになります。家族といえども「違う人間」なので、3割分かってもらえたらいい方です。
そもそも、多くの人と分かり合いたいと思うこと自体が妄想です。分かり合えない人とは、無理に分かり合おうとせずに放置すればいいのです。縁があればいつか、分かり合える時が来るかもしれません。
期待しすぎない
「期待しているよ」と言う人がいますが、期待された側は、その期待が重荷になって変なプレッシャーを感じます。しかも、大抵期待通りにはいかないものです。
だから、人に大きな期待をしないようにしましょう。人から期待された場合は、自分は目の前のことに粛々と取り組みましょう。それが、最も良いパフォーマンスにつながります。
「去る者」を追わない
私たちは、色々なところで人と出会い、恋人として友人として、仲間として付き合っています。しかし、「お付き合い」には必ず別れがあります。「別れ」が訪れた場合、縁がなかったと割り切りましょう。
これは、人間関係だけの事ではありません。仕事でも「縁」はあります。たまたまスケジュールが合ったのも縁、合わなかったのも縁です。
例えば、最終面接を受けた会社で内定に至らなければ、縁がなかったということです。そのように考えると心が楽になるはずです。そして、「あの時あの会社に内定しなくて良かった」と思える日は来るものです。
余計なことをせずに放っておくと、最も理想的な結果になるということです。縁を受けいれて、今目の前にあることを淡々とやっていけばいいのです。

「平均」を調べない
人は、誰かと比べて自分の方が下だと思うと落ち込み、誰かと比べて自分の方が上だと思うといい気になるところがあります。
しかし、何か1つでも平均以下のものを見つけてしまった場合、それは自分を卑下してしまうことになります。それなら、「平均がどうかは知らないけれど、私はこういう生き方をしている」と言えた方が余程楽しく生きられるでしょう。
そもそも「平均」ではかるのは、我慢して生きている証拠です。毎日楽しんで生きている人は、周りに興味がないので平均など調べません。比べるなら、過去の自分にするべきです。
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