AIは職を奪うのか。『LIFE SHIFT2: 100年時代の行動戦略』

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アンドリュー・スコット 、リンダ グラットン著『LIFE SHIFT2: 100年時代の行動戦略』は、特に高齢化が進んでいる日本が題材として書かれている、『LIFE SHIFT』の続編です。

本書には、新テクノロジー、AI、長寿化、コロナ、リモートワーク、副業、、、この変わり続ける世界で、私たちはどう生きれば良いのか、私たちが個人レベルでとれる具体的な行動戦略が、書かれています。

本書を次の5つのポイントでご紹介します。

  • AIは職を奪うのか
  • 少子高齢化の代償
  • 人生の「物語」を紡ぐ
  • 探索する
  • 豊かな人間関係を構築する

AIは職を奪うのか

アメリカではトラック運転手の人口は約400万人いますが、現在テスラや、グーグル傘下のウェイモが開発している自動化運転が完成すれば、その3分の1が失業するとの試算が出ています。長距離トラックは、人件費や人材不足等の問題を抱えており、ルートも決まっているので自動化しやすい分野です。既にテスト走行もされており、人が運転するよりも優れているそうです。

日本でも、新型コロナの感染拡大の影響もあり、レストランでは配膳ロボットが働いているのを見かけた方もいるのではないでしょうか。コンビニも、徐々にセルフ型のレジに置き換わっています。

このようにAIの進化によって失われる職はありますが、全体としては、雇用は保たれると考えられています。中でも「非提携業務」の多い職業は、AIに代替されにくいと考えられています。例えば飲食・宿泊サービス等はマニュアルがあり、定型業務が75%と多いためAIに代替されやすい職業ですが、逆に教育職は定型業務が25%と少なく、AIに代替されにくいと言えます。

なお、定型業務が90%~100%の職業は職業全体のたった5%程度ですので、それ以外の職業は無人化が一気に行われることはないと考えられています。

また、AIにより、新しい仕事も生まれます。歴史的に見ても、テクノロジーの進化で新しい職業が生まれてきました。例えば、表計算ソフトの誕生により帳簿係はなくなりましたが、データ分析の仕事が生まれました。ATMの出現により、銀行員が増えるという現象も起きました。今後は、AIの判断を解釈し説明する仕事、例えばインストラクターなどの仕事が増えると考えられています。

person reaching out to a robot
Photo by Tara Winstead on Pexels.com

少子高齢化の代償

下図は、日本の15歳未満と65歳以上の割合を表しています。

平成元年(1989年)には、15歳未満の割合は18.8%ありましたが、平成30年(2018年)には12.2%に減少した一方、65歳以上の割合は、同じ期間3倍弱も伸びています。今では約3人に1人が65歳以上の高齢者と言われており、日本は世界トップの少子高齢化国として、注目されています。

その代償として、今後日本では以下のことが予測されています。

  • 毎年0.6%のペースでGDPが落ち込むこと
  • 年金制度が崩壊の危機になること
  • 長寿による生活資金を賄うのに80歳まで働くこと
  • 非感染疾患による医療費出費が高額化すること

つまり、死ぬぎりぎりまで働いてやりくりしなければならなくなるということです。ただし、次のように年齢に対する考え方を変えることで、年を取っても生き生きと過ごすことが出来ます。

  • 寿命の伸びのほとんどは、健康寿命の伸びであること(英国の調査によると、2000年~2014年で平均寿命が3.5年のび、そのうち2.8年は健康でした)
  • 高齢になっても働く人ほど、健康で長生きできること
  • 雇われない働き方、起業に挑戦すること(創業者は、若いより40歳以上の方が、高い成長率を出しています)
  • 世代の固定概念をなくすこと(ベビーブーム世代等の世代のラベルは、メディアが作り出した空想に過ぎません)

柔軟に考えることで、生物的な年齢に縛られず、若々しく生きることが出来ます。

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Photo by Hasan Albari on Pexels.com

人生の「物語」を紡ぐ

「物語」とは、自分の人生のストーリーを設定して、人生の分岐点となる選択を考えることです。アイデンティティを掘り下げて、マルチステージの人生設計を行うことです。

従来は、下図のように人生を3つのステージに分けていましたが、今の時代では成り立ちません。

学習は「青年期」で終わり、「生産期」と呼ばれる働く世代は、働くこと、子育て、親の介護で手一杯でした。その間、出産によってキャリアを諦めたり、50代で早期退職を促されたり、老後資金が枯渇したり、「生産期」に家庭を顧みなかった結果、熟年離婚といった危機もありました。

これからの時代は、長期化する職業人生の中で複数のキャリアチェンジを想定するべきです。本当に自分がやりたいことは何かを考え、仕事や余暇の時間を見直し、人生の時間に等しく再配分しましょう。テクノロジーの進化は、常に労働時間の短縮をもたらしてきたので、それが可能になります。

また、今の仕事を解雇される可能性も考えて、足場を固めて軌道修正しましょう。一つの仕事だけで乗り切ろうとするのは危険です。

医療の進歩により、私たちは現在の平均寿命よりも長く生きる可能性があります。複利の効果を活用し、お金と健康に投資しましょう。

close up of eyeglasses on book
Photo by ugurlu photographer on Pexels.com

探索する

探索とは、学習と変化を重ねることによって、キャリアの移行を成功させることです。AIや長寿化などの因子がキャリアに与える影響を深く考えましょう。

1つのスキルで生涯働き続ける時代は終わりました。常に好奇心をもって社会の変化に合わせて学びなおせる人が、キャリアの移行を容易にします。中高年の学び直しは、AIに代替されにくい結晶性知能を重視するべきです。結晶性知能とは、経験や学習から獲得される能力であり、洞察力や共感力等です。

学び直しの時間を優先的に確保しましょう。そのためにも、住む場所や付き合う人を変え、学びを促進する環境を準備することが大切です。

豊かな人間関係を構築する

豊かな人間関係とは、家族との深い絆や世代を超えた友人関係を構築して維持することです。

家族関係は、キャリアが閉ざされた場合の保険や、心の支えになる関係です。共働き夫婦が増え、子育てにかける時間が減り、キャリアを追求したいと考える割合が増えていきます。それを実現するためにも、普段から対話を十分に行い、良い協力関係を築きましょう。

世代を超えた交流や生涯の友人を作ることは、人生の幸福につながります。

地域活動を通じたコミュニティ活動やボランティア活動に積極的に参加することは、報酬以上の精神の健康と人生の満足度を与え、長生きする確率も高まることが研究で示されています。

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いま私たちは、生き方と働き方に関して100年に1度と言ってもいいくらいの大変革を経験しつつあります。変化の激しい世界ですべての人が光り輝ける未来を作り出しましょう。

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Photo by Pixabay on Pexels.com

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本書に興味を持っていただいた方、詳細は『LIFE SHIFT2: 100年時代の行動戦略』 をご参照ください。

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