今、あらゆる業界で人手不足が当たり前になり、働き方を柔軟にして優秀な人材を確保するため、副業を解禁する会社が相次いでいます。努力次第で、収入を増やす環境は整ってきました。
山崎拓巳著『お金のポケットが増える スゴイ!稼ぎ方』では、本業だけで稼ぐのではなく、収入源を分散させて、できれば7つのポケットを持つことで、お金の悩みから自由になることが提案されています。
今はまだ、本業のみの収入に頼っている人も多いでしょう。本書よりお金のポケットが増えることのメリットを、次の8つのポイントでご紹介します。
- 「お金のセブンポケッツ」を作ろう!
- フリーダムを手に入れる
- 複眼を持てる
- 時間活用術を学べる
- 新しい仲間が出来る
- 経営者感覚が身につく
- 貴重な人材になれる
- やり損はない
「お金のセブンポケッツ」を作ろう!
私たちを取り巻く環境は、なかなか厳しい状況にあります。会社員として人生を捧げ、一生懸命働いた挙句、リストラされるということもあります。10年後、20年後の自分を安心し、楽観できる人等いない時代になりました。
だからこそ、「セブンポケッツ」と言う考え方が重要になります。この言葉は、米国でリーマンショックが起きた時期から、多くの人が口にするようになりました。
例えば、飛行機に複数のエンジンがついていたら、1つのエンジンが壊れても、他のエンジンでとび、近くの空港に着陸することが出来ます。
これと同じで、個人でも70万円という1つの収入源ではなく、20万+15万+10万+10万+5万+5万+5万等と分散することで、安定感を感じます。
つまり、本業+いくつかの副業による「複行」をすることが、これからの時代にあった稼ぎ方ということです。
フリーダムを手に入れる
お金のポケットをたくさん持つこと、複業の最大のメリットは、自由(フリーダム)を手に入れることです。
1つの会社で稼いでいる人は、その仕事を辞めようと思っても辞めると収入がゼロになるためなかなかやめられません。新しいチャンスが目の前にあっても、今の仕事を手放せないから身動きが取れなくなっているのです。
明治時代あたりまでは、稼ぎ先が1つしかないと安定感にかけると評価されていました。
仕事は1つで良いというのは、ここ50年~60年くらいの流れです。高度成長期にいい人材を獲得するために、「終身雇用」や「年功序列」を約束し、「副業」も禁止し、社員を自分の会社に囲い込んだのです。
でも、もう時代が変わりました。副業を持つことで、「会社の呪縛から抜ける時」が来たのです。

複眼を持てる
本業以外に副業を持つと、複眼的に世の中を見ることが出来るようになります。1つの仕事しか持っていない人は、行ってみれば1つの小窓から世界を覗いているようなものです。
新卒で入社して、そこで長い間働いて当たり前だと思っていたことが、転職したり、副業を始めたら、実は異常だったことに気づくということは良くあります。
会社内のルール等だけではなく、社会全体を見る時も同じです。
新しいものの見方を手に入れ、得意ジャンルを複数にし、自分の価値を飛躍的に増やすことで大きな成功を手に入れることが出来ます。
20代にして営業で年収1,000万円稼いでいたのに、e-learningの会社に転職し、大幅に年収ダウンしたものの、ブラジルでe-learningの事業を展開して億万長者になったという実例があります。
「営業力」「e-learningの知識」「ブラジル」、つまり1+1+1は算数の世界では3ですが、現実の世界では、10にも100にもなることがあります。
副業を持つということは、「自分の目の数を増やす」ようなものです。
時間活用術を学べる
副業を持つと、仕事を進める時の「時間配分」について考えるようになります。1つの身体で複数の仕事をするわけなので、1つの仕事だけをしている人よりも、「時間を有効に、効率的に使うこと」に意識が向くようになるのです。
「時間があればできるのに」と言う言い訳をする人は、時間に支配されている人です。副業を始めると、今までの発想自体が妄想だったんだと気づくことが出来ます。
副業をやるための時間は、「ある、ない」ではなく、「作る」ものです。ほどんとの人は、無意識のうちに無駄にしてしまっている時間があります。いざ副業を始めてみると、時間活用を考え始めるので、ぎゅうぎゅうだと思い込んでいたスケジュールの中に、案外すっとねじ込むことが出来ます。(お金の使い方にも同じことが言えます)
時間があればと思っている人には、いつまでたっても時間は出来ません。複数のお金のポケットを持つことは、複数の仕事をこなす体質を身に付けることにつながります。
この体質を持つことは、どんな仕事をする上でも役に立つので、一生使えるアドバンテージになります。

新しい仲間が出来る
アメリカの作家、リチャード・バックが書いた寓話的な小説『かもめのジョナサン』という本があります。
内容は次のような感じです。
漁師の船には餌目当ての魚が集まってきており、その魚のおこぼれを狙って漁船にはたくさんのかもめがいました。ところが1羽だけ「俺は飛ぶことが好きだから」と仲間に入らないジョナサンというかもめがいました。仲間は、「漁船にいれば魚が取り放題なのに」と馬鹿にするが、ジョナサンは、そんな彼らに愛想をつかして別のところに飛び立っていきます。
そうやって空を飛んでいると、同じように空を飛ぶのが好きなかもめたちにであり、そのかもめたちと飛び方を競ううちに、とうとうジョナサンは究極の飛び方や、簡単に魚を取る術をマスターします。そして、ふと昔の仲間を思い出して戻ってみたら、彼らはずっと漁船にとどまったままだったという話です。
ずっと漁船にとどまっていたかもめたちは、いわば終身雇用が約束されていた時代の会社員で、ジョナサンは、閉鎖された価値観の外に出ていくチャレンジャーです。
お金のポケットを増やすために、新しいことを始めると、自然と新たな仲間が出来ます。そうすると、今までに考えつかなかったような知識や技術を手に入れることが出来、世界が広がっていきます。
経営者感覚が身につく
会社勤めをしながら、経営者感覚はどうやったら身に付けることが出来るのでしょうか。
通常は不可能と思われがちですが、実は簡単な方法があります。副業を始めるのです。副業は、自分で、自分の時間を使ってお客さんから直接対価を得ようとするので、自然と経営者的なコスト感覚が身に付きます。
例えば、著者は副業でカフェを出したことがあります。そうすると、どのお店に行っても、常に計算を始めてしまう癖がつきます。店内の座席数を数えて、「ランチで2回転、夜は1.5回転ならば・・・」、「儲かっているのか?赤字かな?」と考えるようになるのです。結局そのカフェは失敗に終わったようですが、経営者感覚や多くのものを学んだと言います。
最近では、「経営者感覚を社員に持ってほしい」と言う願いから、副業を解禁している企業も出てきています。この感覚を持っているのといないのとでは、企画一つを考える時も雲泥の差が出ます。

貴重な人材になれる
副業をすることは、貴方にとってだけでなく、貴方を雇っている会社にも多くのメリットがあります。
自社しか知らない社員と比べて副業を経験した社員は、「複眼思考を持っている」「会社の外に人脈がある」「経営者感覚がある」等、会社にとってスペックが高い社員です。
実際、著者が少し前に社長と対談したあるIT関連企業では、社員に副業を奨励してるそうです。そして、副業をやって実力を磨いた人は、社員としてというよりも、「ビジネスパートナー」として扱っているそうです。
IT業界では、実力をつけた優秀な人材は、会社に囲い込もうとしてもいずれ外に出ていってしまいます。だったらはじめからビジネスパートナーとして、「副業でも何でもどうぞ」と自由にしてもらって大切にした方が、逆に「この会社居心地が良い」ということで会社に残ってもらえたりするようです。
他の業界でも、最近は「副業を認めた方が離職率が下がる」そうです。
やり損はない
著者は、先ほど述べたとおり、カフェ事業には失敗しました。しかし、ラーメン屋事業をやりませんかと声がかってやろうと決めた際、カフェでの失敗経験によって勉強になったことを活かすことが出来ました。
また、定期的に開催しているこの店のオーナー会議への参加も、すごく勉強になっているそうです。
つまり、チャレンジすれば必ず学びがあるということです。副業にやり損はありません。

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本書に興味を持っていただいた方、詳細は『お金のポケットが増える スゴイ!稼ぎ方』をご参照ください。
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