夫が妻を大好きな夫婦は、うまくいきやすい?|夫婦関係を研究から考えてみた

結婚相手を選ぶとき、私たちはいろいろな条件を見る。
結婚は生活そのものでもあるから、条件を考えることは大切である。
でも、条件を一つずつ確認していった最後に、意外と大切なのが、「この人は私のことをどれくらい好きなのか」ではないかと思う。
Xでもよく見かける。
夫が妻のことを大好きな夫婦は、うまくいきやすいという説。
少し研究を調べてみた。
「愛し合っていること」は、夫婦満足度と関係している
日本の中年夫婦277組を対象に、夫婦関係と結婚満足度を調べた研究がある。
この研究では、「お互いに愛していること」や「夫の生活スタイルを尊重すること」「妻の生活スタイルを尊重すること」などと、夫婦それぞれの結婚満足度との関係が調べられた。
その結果、「愛し合っていること」が、夫と妻の双方の結婚満足度と強く関係していた。(出典:PubMed)
一緒に暮らしていると、家事やお金、子ども、仕事など、現実的な問題はいくらでも出てくる。
でもそんなとき、「この人のことが好き」「この人を大切にしたい」という気持ちがあることは、夫婦関係の土台になるのだと思う。
「愛している」より「愛されている」が大事なのかもしれない
さらに興味深いのが、「自分が相手を愛していること」と「相手から愛されていると感じること」の違いである。
近年の研究では、恋愛関係の満足度を考えるとき、自分がどれだけ愛情を注いでいるかより、パートナーからどう扱われていると感じているかが重要になる可能性が示されている。相手から理解され、気にかけてもらい、大切にされていると感じることが、関係への満足と結びついていた。(出典:PubMed Central (PMC))
「私はあなたのことが好き」
という気持ちももちろん大切だ。
でも、
「私は、この人に愛されている」
と感じられることも、同じくらい大切なのではないだろうか。
自分のことを好きでいてくれる。
自分を大切にしてくれる。
自分が喜ぶことをしてくれる。
自分の話を聞いてくれる。
そういう相手と暮らしていると、「この人と一緒にいていいんだ」という安心感につながる。
実際、日本とアメリカの既婚者・長期同居カップルを対象にした研究でも、パートナーが自分を理解し、価値を認め、気にかけてくれていると感じることは、幸福感と関連していた。日本の参加者でも同じ方向の関連が確認されている。(出典:PubMed Central (PMC))
だから「夫が妻を大好き」は、悪くない
「夫が妻を大好きなら離婚しない」という話ではない。
夫婦関係は、愛情だけで決まるものではない。
お金、仕事、子ども、家事、性格、性生活、親との関係。
長く一緒に暮らしていれば、さまざまな問題が出てくる。
愛情があっても、話し合いができなければ関係が壊れることはある。
逆に、多少の意見の違いがあっても、「この人を大切にしたい」という気持ちがあれば、話し合って乗り越えようと思えることもある。
大切なのは、単純に「夫が妻を好きかどうか」だけではない。
好きだから、大切にする。
大切にするから、相手の気持ちを知ろうとする。
そして、その気持ちを相手も受け取る。
そういう循環なのだと思う。
愛されることを「当然」にしない
夫が妻を大切にしてくれる。
何かをしてくれる。
時間を作ってくれる。
心配してくれる。
それを何年も続けていると、いつの間にか「やってくれて当然」になってしまうことがある。
でも、最初は嬉しかったことも、当たり前になった瞬間に感謝しなくなる。
これは、夫婦関係にとって少し怖いことだと思う。
大切にされることに慣れすぎない。
何年一緒にいても、「嬉しい」と思ったら嬉しいと言う。
「ありがとう」と思ったら伝える。
相手の努力に気づく。
そういうことも、夫婦関係を長く続けるためには大切だと思う。
愛情は、「あるか、ないか」だけではない。
相手の愛情に気づき、それを受け取り、また返す。
そんな日々の積み重ねでもあると思う。
結婚相手は「条件」だけでは選べない
婚活では、どうしても条件を見る。
それは当然である。
でも、条件をすべて満たしている人と出会ったとしても、その人が自分を大切にしてくれるとは限らない。
逆に、条件だけを見ると見落としてしまうような部分に、結婚生活の幸せが隠れていることもある。
この人は、私のことを大切にしてくれるだろうか。
私は、この人といると安心できるだろうか。
何年経っても、お互いを大切にしようと思えるだろうか。
結婚相手を選ぶとき、そんなことも考えてみたい。

