「好かれたい」を優先しすぎると、結婚後に苦しくなる

恋愛をしているとき、「嫌われたくない」と思うのは自然なことです。
好きな人には好かれたい。
できれば、ずっと大切にしてもらいたい。
だから、相手の機嫌を気にしたり、嫌なことがあっても我慢したり、「こんなことを言ったら嫌われるかな」と本音を飲み込んだりする。
恋愛中なら、それでも何とかなることがあります。
でも、結婚すると話は変わってきます。
結婚生活は、何年も、何十年も続きます。
一緒に暮らせば、価値観の違いも出てくる。お金のこと、仕事のこと、子どものこと、家事のこと。避けて通れない問題もたくさん出てきます。
そのたびに「嫌われたくない」と自分の気持ちを押し込めていたら、少しずつ苦しくなっていく。
そして、ある日ふと、「私は何を我慢しているんだろう」と思うかもしれません。
結婚生活を経験して思うのは、夫婦にとって大切なのは、自分の本音を伝え合うことだと思います。
「私はこう思う」
「これは嫌だった」
「こうしてほしい」
「私はこういう人生を送りたい」
そういうことを言っても、関係が壊れない。
そして、もっと大切なのは、自分の本音を伝えるだけではなく、相手の本音にも耳を傾けることです。
自分と相手は、違う人間です。
育ってきた環境も違えば、価値観も違う。お金に対する考え方も、家族に対する考え方も、幸せの感じ方も違う。
だから、意見がぶつかることもある。
そんなとき、「どうして分かってくれないの?」で終わらせるのではなく、
「この人からは、こう見えているんだ」
と、一度相手の立場から考えてみる。
それを繰り返していると、自分が当たり前だと思っていたことが、少しずつ揺らいできます。
自分の考えが変わることもある。
「私は絶対こうだと思っていたけれど、こういう考え方もあるんだ」
と気づくこともある。
私は、これも結婚の大きな意味の一つだと思っています。
自分とは違う人と、本気で向き合う。
ときにはぶつかって、傷ついて、それでも話し合う。
その過程で、自分自身も少しずつ変わっていく。
相手に譲ることを覚えたり、相手の事情を想像できるようになったり、自分の言葉を振り返ったりする。
そういう経験を重ねていくと、人は少しずつ柔らかくなるのではないでしょうか。
大切なのは、自分を失わずに、相手の存在も尊重すること。
二人の間に違いがあるからこそ、話し合う意味がある。
話し合ってもすぐに答えが出ないからこそ、二人で妥協点を探す意味がある。
そうやって真剣に向き合った結果、自分一人で生きていたら見えなかった世界が見えてくることもあります。
人生の幅が広がる。
人に対する理解が深くなる。
自分自身のことも、以前より分かるようになる。
結婚相手は、自分を幸せにしてくれる人を探すだけではないのかもしれません。
その人と一緒に生きることで、自分一人ではなれなかった自分になっていく。
そんな相手と出会えたら、結婚には大きな意味があると思います。
恋愛では、「どうしたらもっと愛されるか」を考える。
でも結婚では、それだけではなく、
「この人となら、本音を言いながら、一緒に成長していけるか」
を考えてみてもいい。
好かれることより、本音を言えること。
嫌われないことより、意見が違っても話し合えること。
そして、相手と真剣に向き合うことで、自分自身の人生まで豊かになっていくこと。
長い結婚生活で本当に大切なのは、「好かれ続けること」ではなく、「本音を言い合いながら、それでも一緒に成長していけること」だと思います。

