『非常識に生きる (ShoPro Books)』の著者の堀江貴文氏は、東大を中退してインターネット事業会社オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)を設立し、東証マザーズに上場後、会社を時価総額8,000億円までに成長させました。「時代の寵児」と目されましたが、その後証券取引法違反容疑により逮捕されます。これだけアップダウンの激しい人生を送っている人も珍しいでしょう。
突き抜けている人というのは、周りから見たら非常識に生きているように見えます。なぜならそもそも常識に従う必要などないと考えているから。自分の生きたいようにに生きるという信念を持っています。そしてこれからの時代はそんな非常識な人が活躍していくと思います。
本書を、以下の7つのポイントでご紹介します。
お金のために働かない
生活のため、家族を養うため、食べていくために辛い仕事をしなければならないと思い込んでいる人がいますが、その考え方は古いです。そもそも人が働くようになったのは、穀物が出来たから。それまでは人類はずっと狩りをして生きていましたが、穀物が出来ると同じ場所に住むようになり、毎日小麦を育てるために水を与え、土を耕し、肥料となるものをまき、収穫してまた種をまくという生活を始めました。小麦の奴隷になったとでも言いましょうか。その時から人間は、生きていくために辛い労働をしなければならないと思い込むようになりました。(『サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福』にも同じ内容の記載あり。)
しかし今は、嫌々働かなくても食べていける時代です。安いお金で空腹を満たせますし、フードバンクに行けば余った食料を分けてもらえ、ユニクロで良質な安い服が手に入る。娯楽もほとんど無料です。生きていくのにそれほどお金が必要なくなりました。
そしてこれからは、テクノロジーの進化でAIやロボットが人を食べさせてくれるようになります。辛い労働がどんどん減っていき、ベーシックインカムの実装も進んでいきます。そうすると確実に、自由な時間が増えます。
ただぼーっと雲を眺めて時間をつぶすわけにはいかないので、人類は遊ぶのが仕事という時代が来ます。そのため今のうちから、食べるためではなく楽しいと思える仕事をやるべきです。これがこれからの常識になります。仕事と遊びの境界線はもうありません。
正社員の幻想
いまだに正社員は安心と思い込んでいる人がいますが、今の時代、会社員になるメリットはありません。そもそも終身雇用も年功序列も崩れ去っています。希望退職者を募集する会社も増えました。ホンダ、LIXIL、パナソニックといった名だたる大企業がリストラをしています。だから有名な会社にいても安定はないし、いつ会社から放り出されるか分かりません。そういう意味では、会社員もフリーターも派遣社員も同じです。
しかも会社というのは同調圧力の塊だから、社内で自分の好き勝手にすることは許されません。これからは食べるためではなく楽しいと思える仕事をやる時代ですので、安定もしない正社員になる必要はありません。さらに言うと「家を買えば安心」とか「保険に入れば安心」というのも誤解です。住む場所を固定される持ち家や、高い手数料を取って胴元がしっかり儲かる生命保険に、入るべきではありません。
成功の秘訣は「しつこさ」
この本には、成功するために一番大切なのはしつこさだと書かれています。才能がなくても頭が悪くても「しつこさ」があれば成功できます。逆に才能があっても「しつこさ」がなければ成功できないことも普通にあります。
例えば、YouTubeの才能があってもすぐに心が折れてやめてしまえば成功できません。ビジネスでうまくいかない人は、才能とかの前にまず「しつこさ」が足りません。多くの人はある程度の壁が来たらすぐに「もう無理」「やっぱり自分はダメなんだ」といって諦めてしまいます。そもそも、何かを上達するために練習をしていると必ず、プラトーと呼ばれる成長を全く実感できない停滞期間にぶち当たります。成長したかと思えば壁にぶつかり、それでも進み続けて壁を乗り越え、また壁にぶつかる・・・というのを繰り返して、人は上達していきます。
それが普通なのに、ほとんどの人はこのプラトーになった段階で、心が折れてやっても意味がないと投げ出してしまいます。それではいつまでたっても何もマスターできないのです。(しつこさ=継続力については、億を稼ぐ積み上げ力でも記載されています。)
動き出す前に考えない
「こんなアイデアを思い付いた」と自画自賛している人は多いですが、実際に行動する人は少数です。やってみたら無反応だったり、くだらないというコメントを受けたり、自分のアイデアが大したことないと気づかされるかもしれません。でもそれでいいのです。それでもいいからやってみましょう。0で止まるくらいなら-1の方がまだましです。なぜなら0というのはずっと寝ていたのと変わらないから。それなら失敗して経験を積んだ方がずっといいです。
何かを始めようという時、準備を整える前に好奇心に従ってすぐに動き出すことです。それから考え、動きながら考えましょう。形にならないアイデアに価値はありません。(まず動け。うまくいっている人の考え方 完全版 (ディスカヴァー携書)でも記載されています)
将来の蓄えは必要ではない
貯金するのも良いですが、お金を今しかできない経験や体験に使わないと勿体ないです。漠然とした不安のためにずっと我慢してお金を貯めていると、死ぬまで節約生活になるのがオチです。活きたお金の使い方をした方がいい。貴重な経験や体験を買いましょう。今しかできない経験やレアな体験にお金を使えば、それだけで魅力的な人になることが出来ます。
他にも歯列矯正、視力矯正、旅行やレジャーも良いです。歯列矯正していなくて恋愛できなかったり、眼鏡しているから自信がないなどであれば、それは機会損失ですよね。若い頃にしかできない経験にお金を使っていけば、将来大きく返ってくる可能性も高いです。
多くの人が貯金に取りつかれているのは、嫌々仕事をしているからです。嫌いな仕事をしているその鬱憤を貯金額の数字を増やすことで何とか折り合いをつけています。どうせなら、お金を使わなかった後悔より、使った後悔をした方がいいです。(経験にお金を使うべきというのは、DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルールにも記載があります)
希少な経験をシェアする
節約しないで、魅力的な人間になるために面白い体験にお金を使うべきなのは、その体験をシェアできるからです。今は何でもシェアする時代。車も服も家具も体験もシェアするようになりました。特に体験のシェアは素晴らしく、今の時代に求められているのは、面白い体験をしてシェアしてくれる人です。そしてこれからもどんどんその傾向は強くなっていきます。
多くの人と同じ体験や経験しかしてこなかったら、みんなと同じ普通の意見しか言えなくなってしまいます。他の人とはちょっと違う体験を自分にさせてあげれば、自分がアップデートされて語れることも変わります。
お金を得たいなら信用を得ること
お金が欲しいのならまず信用を得ることです。信用があればお金を生み出すことが出来ます。クラウドファンディングは、この人が言うなら応援してあげたいといってお金を集めることです。お金よりも信用をどう得るのかを真剣に考えて実践していくことで、お金を生み出せるようになります。
因みに、信用は楽しむことで得られます。自分がやっていることに、真剣に楽しんでいれば、信用されて自然と人が集まってきます。
「子曰、知之者不如好之者、好之者不如楽之者」(子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず)
(孔子)
物事の知識がある人であっても、好きな人には叶わない。好きな人であっても、それを楽しんでいる人にはかなわないということです。
本書の詳細は 『非常識に生きる (ShoPro Books)』 をご参照ください。
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