欲しいものに囲まれて豪華な暮らしが出来たら幸せか、というとそうでもありません。それどころか、物を持ちすぎるとむしろ不幸になります。物に対する執着がなくなり、本当の意味での幸せを手に入れる方法を、ジョシュア・ベッカー著『 より少ない生き方 ものを手放して豊かになる』より、以下5つのポイントでご紹介します。
より少なく豊かな暮らしを実現する
より物を少なくする、物を手放すことで得られるメリットは数多くありますが、最大のメリットは、時間とエネルギーとお金が増えることです。
物を持つためには、その物について調べ、実際にお金を払って物を購入し、それを整理したり、古くなったら買い替えたり売ったり・・・と、かなりの時間とエネルギーとお金を消費します。だから物を少なくすれば、時間・お金・エネルギーが増えます。増えた分、他の大切な何かに使うことが出来ます。
スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグ氏が、毎日同じ服を着ていたというのは有名ですが、考え方は同じです。着る服を考えるのにかける時間や労力が勿体ないからということ。
物を少なくするメリットは他にもあります。
- 物に振り回されなくなる分、自由が増える
- 物が散らからない分、ストレスが減る
- 必要な物だけにお金をかければ良いため、上質なものが買える
ミニマリズムというと、何でもかんでも捨てなければいけないというイメージを持っている人もいますが、そうではありません。ミニマリズムの本質は、一番大切なものを最優先にするということです。人生から不要なものを排除すれば、本当に大切なものに集中することが出来ます。その結果、人生の満足度が飛躍的に上がります。
見栄を張ることに意味はない
他人と比べたり、見栄を張って物を買うのはお勧めしません。仮に頑張ってお金を貯めて1,000万円の車を買ったとして、もし知り合いが3,000万円の車を買ったら、見栄を張って頑張って買ったものであればあるほど、劣等感を抱くことになるでしょう。そういう考え方をしている限り、世の中上には上がいるので、永遠に勝てない比較競争に苦しみ続け、幸せになることはできません。それだったら300万円の車を買って、浮いた700万円をもっと別の大切なことに使う方が、はるかに幸せになれます。
また一番大きな家計支出は、家賃又は住宅ローンという方が多いと思います。多くの人は必要以上に大きな家を買っています。小さな家の方が幸せになれるかもしれないのに、です。小さな家は管理が楽でお金がかかりません。家族が顔を合わせる機会が増えるから絆も深まります。そしていざ不要になった時に売りやすいというのもメリットです。
物欲をおさえるためのコツ
1.消費しても幸せにはなれないことを知る
CMからは、その商品を買えば幸せになるかのような内容が伝えられ、私たちは日常的に消費の誘惑にさらされています。しかし本当は、消費=幸せではありません。消費の誘惑をおさえるためには、物を売る側の戦略を知っておくことが重要になります。
実は、大抵の消費者は商品の正しい価格が分かっていません。だから元の値段を高く設定しておけば、それを「セール価格」に下げるだけでお買い得感が出ます。例えばスーツの販売店で、メンズスーツが最大50%OFF、シャツ、ネクタイ、ベルトの〇〇円の商品が、3点で〇〇円(3点合計より割安)等年間を通して大幅な値引きをしている等がありますが、これはそもそもの定価が高い設定になっていることが考えられます。他にも客寄せの特売品、ポイントカード、サンプル配布、残りわずか、期間限定という煽り文句で、消費者を誘惑するものはいくらでもあります。
物を売る側の戦略を理解して、本当に必要な物だけを買えるようになれば、物とお金から自由になることが出来ます。
2.足るを知る
多くの人は、物をたくさん持っていれば安心だと信じています。しかし、生きるために本当に必要なものはそれほど多くはありません。実のところ、必要なものと欲しいものの区別がつかず、安心と快適の違いも分からなくなっています。だから安心のためと思いながら、実は快適や快楽のために物を買ってしまいます。そして安心を求める以外に物を買う大きな動機が、承認と満足を求める気持ちです。しかし残念ながらその欲求は、物を買うことで満たされることはありません。別の方法で欲求を満たすことが必要になります。
安心は、愛のある人間関係から、承認は、自分なりの成功基準を決めることから、そして満足感は今あるものに感謝することから、自然に手に入ります。
捨てられないものの手放し方
多くの人が、思い出の品、郵便物の紙類、本などを捨てられないでいます。
1.思い出の品を手放す
思い出の品を手放すときに有効なのが、写真を撮っておくということです。思い出は心の中にあるものなので、その物を処分してしまっても、写真を見ればいつでも思い出すことが出来ます。手紙や子供の作品なども、この方法がお勧めです。
2.郵便物の紙類
郵便物は、届いた瞬間にその場で決断して、捨てる、請求書ならすぐ支払う、重要な書類ならファイルするなどの処理をするのが鉄則です。すぐに処理できないものは、決められた場所に一時保管して時間が出来た時に一気に処理すると良いです。
3.本
本も捨てづらいと思いますが、これは所有する本の上限を決めるなどのルールを決めるのが有効です。電子書籍にしてしまったり、本棚に並んでいるだけで読まない本は人にあげたり売ったりするのが良いでしょう。
ミニマリズムを習慣化する
せっかく部屋を片付けて物を少なくしても、続かなければ意味がありません。続けるには、毎日の掃除習慣を確立することです。
- 食事が終わったらすぐに食器を洗う
- テーブルやソファーなど、平らな表面には何も置かない
- 読み終わった雑誌はすぐ処分する
- 服はすぐにしまう
- 使ったら必ず元の位置に戻す
この5つを意識して実行します。週4日以上、6週間続けたことは習慣化しやすいという研究結果があるので、そこを乗り越えられたらずっと続けられるはずです。
本書の詳細は 『 より少ない生き方 ものを手放して豊かになる』 をご参照ください。
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