お金持ちになるための手段は、大きく2つあります。1つは仕事、もう1つは資産運用です。仕事で多くの報酬を得続けるためには、小さなことの積み重ねが必要です。お金持ちの人は、それを知っている人なのです。
お金持ちというと、どのような人を想像しますか?医者や弁護士、経営者でしょうか。経営者のようにリスクを負っている人、医者のように専門職の人、これらの職業の方がお金持ちなのは、世界共通ですよね。しかし、これらの職業でない人でも、金融資産が1億円を超えている人はたくさんいます。そういう人たちはどのような方法でお金持ちになったのでしょうか。
中桐啓貴著『日本でお金持ちになる人の思考法』より、お金持ちになる人の思考法を、以下の3つのポイントでご紹介します。
お金持ちの考え方
1.資産を社会に還元する
お金を出来るだけ稼いでから死にたい、稼いだお金で評価されたい等々、お金に固執している人の元には、残念ながらお金は集まりません。
お金持ちの人は、自分の手元にお金が多く残っていることを偶然だと言います。運に恵まれただけ、優秀なビジネスパートナーに恵まれただけ等々。このように考えているからこそ、そのお金を寄付等により社会に還元します。
日本だけではなく世界を見ても、子供や家族に資産を残さない人がお金持ちになる傾向が強いことが分かっています。ビル・ゲイツ氏も、子孫には最低限しか資産を残さないと言っています。お金持ちの人は、資産を社会に返そうとします。これは重要な考え方の一つと言えます。
もちろん誰もが、それなりに稼げるようになるまでは、お金を稼ぐことばかりに執着してしまうものです。自分自身がお金をもっていないのに、社会に還元ばかりしていても自分をすり減らしてばかりでは、長く続けることも出来ません。しかし、ビジネスを通して成長していくうえで、「自分のために稼ぐ」から「社会にお金を還元していく」という意識にシフトするきっかけに必ず巡り合います。
そのきっかけに巡り合った時に、お金を還元していこうと思えるかどうか、それがお金持ちになれるかどうかの境界線と言えます。
また、お金持ちは大欲を追いかけます。いい車が欲しい、いい家に住みたい、お金持ちになりたい等々は、小欲(=自分にしか欲の焦点が合っていない欲)です。大欲とは、世の中を変えたい、人を助けたい、社会貢献したい、世の中に影響を及ぼしたい等々、大きな広い視点での欲です。
お金持ちの人に共通しているのが、自分の大欲が何であるのか、自分でしっかりと把握できています。大欲がはっきりしていれば、過去未来を含めた、自分の人生を大きな視点から見つめることが出来ます。そうすることで、今やらなければならないことが分かってきます。お金持ちの人は、いつの間にかお金持ちになっているものです。楽しみながら大欲を追いかける。だからこそ、充実した人生を送ることが出来ます。
「気が付いた時に残っているのが、本当の資産だ」
(渋沢栄一)
2.無私の行動により徳を積む
努力を続けているうちは、徳を積む期間と言えます。徳がある程度貯まると、運が向いてきます。
「 徳は弧ならず、必ず隣あり」
(孔子)
徳のある人には、必ず理解者や協力者が現れるということです。徳は、無私の行動でしか積むことはできません。無私とは、自分のためではない、利害の計算をしないということです。
お金持ちの人は、仕事をすることですぐにはお金は得られないかもしれないが、徳は積めると考えることで、モチベーションを保っています。目の前の人を助ける、ボランティアをする等々、お金にならないことに対しても快く請け負うのは、それによって徳を積むことが出来ると考えているからです。
損得勘定抜きにして、善い行いが出来ることが、お金持ちの思考だということです。
3.挫折から謙虚さを学ぶ
全く同じ成功を収めた2人がいたとします。
1人は成功に至る過程で一切失敗も挫折もなかった人。もう1人は失敗の連続、挫折も経験し、辛酸をなめていたがどうにか成功をつかみ取ることが出来た人。
どちらがいいでしょうか?
お金持ちの人は、苦労して成功した方がいいと考えます。なぜなら、成功よりも失敗から学ぶべきことが多いからです。また何より、社会の荒波にもまれて生きてきた方が、角が取れると考えるからです。
挫折を味わったことがない人は、傲慢になってしまいがちです。一方挫折はしたけれども成功した人は、立ち直った経験があるはずです。
挫折から立ち直った人に、どうやって立ち直ったのかと聞くと、必ず「支えてくれた人がいたからだ」と答えます。挫折を味わった時に、周りの人の存在を大きく感じることが出来ます。この体験を経てこそ、角が取れ、謙虚になることが出来るということです。
お金持ちの人は謙虚です。また、必要以上にプライドの高い人はいません。そして、お金持ちの人が欲するものの一つが成長です。失敗無くして成長はありません。成長しようと思う気持ちを何よりまず優先し、それを満たすために行動します。
行動するから失敗し、失敗するから成長します。成長に対する貪欲さが、お金持ちの人に共通することです。成長無くして、お金が集まることはありません。
お金持ちの性格
1.悲観も楽観もしない
お金持ちの人は、何事にもリスクを恐れず積極的にチャレンジを続けます。しかし、決して楽観はしません。お金持ちでも、資産が減ること、過ちを犯しているのではないかと不安に思っています。不安だからと悩むのではなく、不安を糧にして行動します。
根拠もない余裕を感じている人に、成功は訪れません。なぜなら、余裕があるということはリスクをとっていない証拠だからです。リスクを取らなければ、大きな功績を残すことはできません。
お金持ちの人が最も恐れているのは、何もしなくなって成長が止まってしまうことです。
お金持ちの人は、不安を感じてはいるものの、自分は運がいいと思っています。少しの努力ではそれに見合う程度の結果しか返ってこないけれど、この努力を続けていれば、いつか報われると信じているのです。行動を続ける人だけが、足元をすくわれることなく、ゴールに近づいていくことが出来ます。
2.短気は損気と考える
お金持ちの人の多くは、大抵にこにこしていて、人を非難することは決してありません。心に余裕があるからお金持ちになれるのです。
腹を立てていれば仕事に集中できませんし、怒りをあらわにすると人は近寄ってきません。怒りに任せて他人を非難したところで、メリットも一つもありません。
お金持ちの人は、今の腹立たしさを、未来の資産を築くための仕事に充てることが出来ます。
3.縁を大切にする
お金持ちの人は、縁を大切にしています。普通に生活していると、人と出会う機会は意外に少ないことに気づきます。そんな数少ない出会った人との縁を大切にしているのが、お金持ちの人なのです。
お金持ちの人は、積極的に縁を求めもします。人とのつながりがあって初めて、ビジネスは成り立つからです。お金を生むであろうアイデアが思い浮かんでも、そのアイデアを実現できる人とのつながりがなければ、それは絵に描いた餅に終わります。
縁を大切にすることの積み重ねによって、ある日出会うべき人に出会うことが出来ることを、お金持ちは知っています。
お金持ちの習慣
1.本を通して世界を広げる
お金持ちの人には、読書家がたくさんいます。本を読む理由は、社会の変化を読み取るため、人生哲学を追い求めるため、読書によって気づく力を得るため等です。
限られた時間の中で、個人が経験出来ることは限られています。しかし本を読むことで、その限界を超えることが出来ます。自分では経験できないことを、その経験者である著者に教えてもらうのです。
本を読むことで自分の世界を広げることが出来ます。自分の世界が広がれば、それまで全く気付かなかったことに気づく力を得られます。
2.心安い行きつけの店を持つ
お金持ちの人は、行きつけの店を何か所か持っています。そしてその店は、高級だけでなく、ホスピタリティが行き届いたグレードの高い店であることがほとんどです。
そういった行きつけのお店があることで、人間関係をうまく築くことが出来るものなのです。多くのお金持ちの人は、自身のお客様との距離を縮めようと思った時に、そういった高級の行きつけの店を利用します。それは、お客様に安心してくつろいでいただきたいという思いが込められています。
見栄を張っていったことのない高級な店に行って、勝手が分からずあたふたしてしまうと、連れていかれた方も落ち着くことが出来ません。自身のお客様に信頼され、親しくなるためのお酒の場を持っておくことも、お金持ちにとって重要な要素の一つです。
3.「応援してください」と言える
お金持ちになろうと思ったら、仕事の成果や人となりを評価されなければなりません。そして、支援してくれる人も重要です。特に20代、30代の若者が出世しようと思ったら、強い信頼関係で結ばれた仲間と、サポーターが必要です。
サポーターとは、貴方の努力や考え方に共感し、投資してくれる人です。言葉で、そして態度で、「応援してください」と素直に言える人が、多くのサポーターに支えられ、お金持ちになることができます。
本書の詳細は 『 日本でお金持ちになる人の思考法 』 をご参照ください。
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