『最短でラクラク2000万手堅く稼ぐ!成長株集中投資術』には、YouTubeでもおなじみの株の買い時さんが行っている株式への投資術が書かれています。
株の買い時さんは、現在安定的に年間20%のリターンを出しているそうです。インデックスファンドに投資する場合では、期待されるリターンは年5%程度であること、「投資の神様」と言われているウォーレン・バフェット氏の年平均リターンも20%程度であることを考えると、かなりの好成績であると言えます。年間20%ものリターンを出すことが出来れば、本の題名にもある通り、老後「2,000万円」問題も、投資で解決できてしまいます。
本書は、インデックスファンドへの投資を上回るリターンが欲しい方、株式の分析を出来るようになりたい方、決算書を読めるようになりたい方、投資を楽しみたい方等にお勧めです。
本書を次の4つのポイントでご紹介します。
株で勝てるようになるまで
株の買い時さんは当初、彼の父親にインデックスファンドへの投資を勧められて始めたそうなのですが、それだけでは面白くないと思ったことから、個別株式の投資を始めたそうです。
しかし最初は、「イナゴ投資家」だったと言います。「イナゴ投資家」とは、株価が上がりそうな情報が出た株について、何度も売買を繰り返す集団のことです。 この行動が、稲に群がり次々に飛び去るイナゴのイメージと似ていることから、そのようにいわれています。
筆者は2013年に投資を開始し、「2チャンネル」の掲示板等を参考にしていたそうです。その結果、アベノミクスで一時的に儲かったものの、結局は大きく損をしました。その反省から、決算書や業績をきちんと見るようになりました。株価は業績に連動して動いているということや、きちんと勉強して投資をしなければならないことを、その時分かったそうです。 株の買い時さんは 、これを理解し、勝てるようになるまで3年かかりました。
筆者が採用しない投資手法
著者は、以下の投資手法には弱点があると考え、投資手法として採用していません。
1.バリュー株投資
ウォーレン・バフェット氏が最も得意とする、割安になっている株式に投資する手法です。この手法は、理論価値を算定して、株価が理論価値より安ければ割安と判断するものなのですが、割安なまま長期間放置されることもあり得るという弱点があります。つまり、割安であれば本来理論価値まで上がるはずなのに、ずっと割安なまま上がらないことがあるということです。
2.高配当投資・優待投資
配当金や株主優待を得ることを目的に投資する手法です。
元本が十分あれば、配当金や株主優待で生活が出来るので、それなりに意味はあるかもしれませんが、例えば5%の配当金を得ても10%株価が下落すれば、結局損をしているのであまり意味がありません。また、配当性向が既に高い会社は、減配されたり株主優待が廃止される可能性もあるので、そうなった時には値下げのリスクがあります。
株の買い方、選び方
筆者は、次の4つのポイントで株を選びます。
1.今期最高益を更新したか、上方修正したもの
株探の「銘柄探索」(株探 | 銘柄探検 – 株式投資の【有望銘柄】発掘をサポート (kabutan.jp)で、今期最高益銘柄等を見つけることが出来ます。
2.売上高、EPSが前年同期比で増加しているもの(売上高+25%が理想)
連続最高益銘柄の中で、「9069 センコーHD」がPBR1を切る割安株だったので、今回ピックアップしてみます。同じ「株探」で、3か月ごとの売上高の推移、修正1株益(=EPS)等を調べることが出来ます。
下図の通り、前年同期比で、売上高は+9.0%、修正1株益は+7.6%であることが分かると思います。(売上高25%以上増加という条件には合致してはいません。)
3.上昇トレンドであるもの(200日移動平均線)
200日移動平均線が上向きであれば、約1年間上昇傾向であるということです。
下図の青い線が、「9069 センコーHD」 の200日移動平均線です。緩やかではあるものの、上昇トレンドであることが分かると思います。なお、緑は25日移動平均線、赤は75日移動平均線です。
4.株価が上がりすぎていないもの
ボリンジャーバンドというテクニカル指標で、上がりすぎていないかを確認できます。
一番外側の紫色の線の上が+3σ、下が-3σです。この、+3σに株価が近い時は、株価が上がりすぎていることが分かります。現状むしろ下の方に近いですので、今は割安であるという判断が出来ます。
図の下側のオレンジ色の線は乖離率を表しています。現在-7.7%となっていますが、これが+10%以内であれば割安と判断しますので、この指標でも、割安と評価できます。
株の売り方
筆者は、次の3つのポイントのいずれかが当てはまった場合は、株を売って利益を確定するか、損切りをするべきと言っています。
1.25日移動平均線割れ
25日移動平均線を割るということは、短期的な上昇が終わったことを意味します。25日移動平均線で反発してあげるということもありますが、下落トレンドに入る可能性もありますので、売るべきということです。
2.成長の鈍化
成長株に投資することが前提ですので、成長スピードが減速すると、株価が下がりやすいため、一旦株を売るべきということです。
3.7~8%の損失
7~8%の損失が出た時に売るべきということです。成長株がこの程度下げるときは、その後もずるずると下げる可能性が高く、取り返しのつかない損失が出る可能性があるためです。
本書の詳細は 『最短でラクラク2000万 手堅く稼ぐ!成長株集中投資術』 をご参照ください。
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