三菱サラリーマンさん( 穂高唯希氏)をご存じでしょうか。
30歳でセミリタイアされた投資ブロガーの方で、『本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法』の著者です。(ブログはこちら (freetonsha.com))
FIRE (Financial Independence, Retire Early:経済的独立を達成した上で早期退職を達成する)に関する本を、このブログでも既に3つほど紹介しておりますが、三菱サラリーマンさんは日本人のサラリーマンで、セミリタイアを達成された方ということで、より身近に感じられる方が多いのではないかと思います。
ブログプロフィールに、「給与が高く、グローバル・多様性もあると思しき」会社に入社されたとあるので、 三菱サラリーマンさんの就職先は、三菱商事なのではないかと私は推測しています。「普通でいなければならない」空気に違和感を覚え、入社(=入舎=豚舎=tonsha)当日にセミリタイア/アーリーリタイアを決意されました。
そして、22歳で就職してから給与の8割を投資し続け、8年後の30歳の時、「配当金収入月平均20万円超え、金融資産は7,000万円」に到達してセミリタイアされています。
本書より、次の3つのポイントでご紹介します。
- 配当金を積み上げる
- 株価が暴落した時には
- 資産形成の基本は支出の最適化
配当金を積み上げる
三菱サラリーマンさんは、給与の8割とボーナス全額を、アメリカ、日本、イギリス等の高配当株や連続高配当株の買い付けに回していました。(三菱サラリーマンさんのポートフォリオはこちらをご参照ください。)高配当株は不況に強いという特徴があります。
三菱サラリーマンさんが高配当株や連続高配当株投資をした理由は、長期的に何かに取り組み続けるためには、右肩上がりに積み上げていけるものを数値で可視化できることが極めて有効だと考えたからです。また継続的な不労所得が得られるこの手法は、FIREにも向いています。
配当金を受け取れること、高配当株に投資することのメリットを、ここでは5つ挙げます。
1.手間がかからない
一度高配当株を購入すると、その企業が利潤を生みだす限り自動的に定期的に配当金が入金されます。時間をかけずにキャッシュフローを得られることは大きな魅力です。
2.再現性が高い
デイトレードのような短期取引で利益を得る方法は、個人の力量に大きく左右されます。他方高配当株への投資は、それを続けていけば、高い確度で入金される配当金の額も増えていくという再現性の高さがあります。
3.不労所得が可視化される
配当金という不労所得が可視化されることで、生活費のうちの何割を配当金で賄うことが出来るのかを客観的に数字ではっきり把握できます。不労所得が月々の生活費を上回れば、経済的自由は達成していることになります。
それでも余った分はさらに高配当株式の購入に充てることで、更に配当金が増えます。この循環を作り出せば、自己増殖的に配当金が増える段階に入ります。
4.出口戦略を考える必要がない
配当金は、含み益などの未実現利益とは異なり、確定利益です。配当金という形で都度現金化されるので、いつ売却するのかという出口戦略を考える必要がありません。そのため、例え短期的に株価が下がっていても売却タイミングを考える必要がなく、精神的にも安定します。
5.モチベーションが保たれる
株式投資は、FX等のゼロサムゲームとは異なり、市場参加者全員の利益合計がプラスになるプラスサムゲームです。その恩恵を最大限に受け続けるには、長期的に市場に居続けることが大切です。配当金があることで、相場の局面にかかわらずモチベーションを維持できます。
配当を受け続けると、投資期間が長期化すればするほど、元本割れリスクが低くなります。
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なお三菱サラリーマンさんは、高配当株や連続高配当株投資をしていましたが、以下の通り、人によって何にどう投資するかは様々です。
- 米国株一択の方
- 全世界に分散する方
- 高配当、株主優待が期待できる個別株に投資する方
- 高配当ETFが良い方 等々
これについて三菱サラリーマンさんは、最も効率的な運用にこだわらないこと、自分が継続していて心地よい投資方法を継続するのが良いと言います。どのような投資手法をとるのかというのは、最後は人それぞれの価値観だからです。
☆個別株の管理が大変だという方は、下図のような高配当ETFをご活用ください。
VYMが最も配当利回りは低いものの、過去データが豊富、SPYDはその逆で最も配当利回りは高いが、過去データは少なく、そしてHDVはその中間とお考え下さい。
株価が暴落した時には
アメリカでは、過去の暴落局面における株価下落率は、平均30%です。なお、リーマンショック時の株価下落率は、天井と底を比較すると、57%下落しています。
つまり私たちは、30%から60%程度の暴落は、いつ何時でも起こりうるという意識を持っておく必要があります。そしてこのような時こそ、淡々と株式を購入することを考えましょう。次の上昇相場で、リターンを最大限享受するためです。
資産形成の基本は支出の最適化
資産形成の核心的要素は、①収入-支出の最大化と、②運用利回りの最大化の2点です。
このうち、資産形成の基本は、①の方です。②はコントロールできないことが多いのに対し、①は自分でコントロールできることが多くあるからです。
①の中でも、支出の最適化に関しては、セミリタイアをするときに必要な資産額のハードルを大きく下げることも出来るため、特に大切です。
例えば生活費(支出)が月20万円であれば、6,000万円(税引後配当利回り4%と仮定)の資産が必要ですが、生活費が月10万円であれば、3,000万円で済みます。この3,000万円の差額を労働収入で得ようとすると、膨大な時間が必要です。
三菱サラリーマンさんの支出最適化のポイントは以下の通りです。(個別項目は14個です。【支出の最適化】節約方法おすすめ14選【経済的自由達成の原動力】 (freetonsha.com)をご参照ください)
1.公共施設を多用する
図書館、公園、水泳やフィットネスのジムも公共施設を使う。
2.生活満足度を下げずに、支出を削れるところを削る
コンビニを使わない、1000円カット、格安SIM、保険に入らない、現金でなくクレジットカードで支払う、株主優待を利用する等。
3.使うべきところには使う
お世話になった方に対して、クルーズやレストラン等のプレゼントをする。1点豪華主義。
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本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法』 をご参照ください。
当ブログのFIRE関連の記事は以下の通りです。
☆人生を楽しむ。『遊ぶように働く! 目指せFIRE! 大人の夏休みライフの始め方』 – 足は大地に 理想は高く 心には愛を (life-full-of-happiness.com)
☆FIREを達成するための3ステップ。『FIRE最強の早期リタイア術』 – 足は大地に 理想は高く 心には愛を (life-full-of-happiness.com)
☆FIREの考え方はこの本から始まった。『お金か人生か』 – 足は大地に 理想は高く 心には愛を (life-full-of-happiness.com)