ビクター・ボック著『すべてのお金の悩みを永久に解決する方法』は、お金を引き寄せることをメインにした本です。著者のビクターさんは、無一文から身を起こし、ラジオ番組のパーソナリティーとして頭角を現し、全米で企業研修と講演活動を行っている方です。
本書より、お金を引き寄せる根幹となる重要な2つの力について、次の3つのポイントでご紹介します。
お金に働く物理学の法則
ビクターさんは、お金の流れも物理学の法則に従うと言います。
物理学には3つの運動の法則が働きます。
- 力を受けない物体は静止している
- 物体に力が働くとき、力の方向と力の大きさに比例した速度の変化を生じる
- あらゆる力に対して、同等で反対方向の力が働く
例えば凧をあげるとき、凧は空中のちょうど良いところで安定して浮いたまま止まります。このように安定するのは、風によって押される力と、自分がひもを引っ張る力の2つの相反する力が同等に反対方向に働いているからです。
お金も「物」であるため、物理学の法則が働き、2つの相反する力がたえず働いています。その2つの相反する力とは、お金を「引き寄せる力」と、「引き離す力」です。お金を、先ほどの3つの物理学の法則に当てはめると、この2つの力関係には次の3つのパターンがあります。
1.お金を「引き寄せる力」=「引き離す力」
お金は引き寄せられず、引き離されない状態です。お金が停滞し、入ってきたお金はやがて出ていきます。
2.お金を「引き寄せる力」<「引き離す力」
お金は自分から流れていき、どんどん貧しくなっていきます。
3.お金を「引き寄せる力」>「引き離す力」
お金は自分に流れてきて、何をしてもどんどん豊かになっていく状態です。
つまり、お金を自分の人生に流れてくるようにする唯一の方法は、お金を「引き寄せる力」を、お金を「引き離す力」よりも大きくすることです。そして、それを強力に働かせるためには、お金を「引き寄せる力」を最大化し、お金を「引き離す力」を最小化することです。これは無意識レベルで働いている強力な力なので、どれだけすごいお金を得るノウハウがあっても、この力の通りになります。
お金を「引き寄せる力」
お金を引き寄せるための1つの強力な方法に、「アファメーション」があります。
アファメーションとは、肯定的な言葉を繰り返し唱える方法です。アファメーションを効果的にするには、自分にぴったりの内容を選ぶことが大切です。理想の状態を実現させるものなので、現実とは違う内容を唱えます。
現実とは違う内容を唱えるので、唱えると疑う気持ちが出てくるでしょう。しかし、ここで大事なのは、唱えることで少しでも気分が良くなることです。そのため、全く気分が良くならない場合は、別の言葉が良いでしょう。逆に、少しでも気分が良くなるのであれば、気分が良くなる側面に焦点を当てることが出来ているので、それを繰り返すことで、言葉が潜在意識に浸透していき、疑いも消えていきます。繰り返し唱えるものなので、ビクターさんは短い言葉を勧めています。
お金についてのアファメーションの基本となる構成は、「私、(名前)は、(理想の状態を肯定的に表す)になります。」です。
例えば、花子さんが、今より豊かになりたい場合、「私、花子は、経済的にゆとりある生活を送っている」、「私、花子は、毎日どんどんお金持ちになっている」等と言うということです。アファメーションを使ったことがない方や、長いアファメーションを使っている方は、この短い言葉をつかってみて、自分がどう感じるかを体験してみると良いでしょう。短くて簡単に覚えられるので、繰り返し唱えることが重要なアファメーションとしては使いやすいと思います。
お金を「引き離す力」
お金を「引き離す力」とは、執着することです。執着とは、「ある物・事に強く惹かれ、深く思い込んで、どうしても忘れきれないこと」です。執着をするのが望ましくない理由は、執着はその対象を遠ざけるからです。
例えば、麻薬中毒、過食症、セックス依存症、買い物依存症などの中毒や依存症は、一時的な快楽は得られますが、本当の幸せを遠ざけます。「承認欲求」も、承認されることに執着している状態なので、本当に欲しい人間関係を遠ざけます。
中毒や依存症と執着は、度合いが異なりますが、波動的には近く、流れる方向は同じです。
執着は、粘着的に強烈に望んでいる状態です。粘着質的に望むのは、「ないこと」に焦点が当たっているからです。そうすると、自分が欠乏の状態の波動になり、欠乏の波動の状態を引き寄せることになります。ではどうすれば執着を手放せるのでしょうか。
それには、「執着」を「好み」に高めることだとビクターさんは言います。好みとは、好きな物の傾向という意味です。好みに合っていれば、嬉しい気分になるという軽やかな状態です。この状態では、「あること」に焦点が当たるので、豊かさの波動になり、同じような波動の状態を引き寄せます。そのためには「自分から喜んで与えること」が必要です。喜んで与えればどのような形でも良いですが、ビクターさんは、収入が入ったら寄付するのが良いと言います。寄付する先はどこでも良いです。これが出来ると、お金に執着していない証拠になります。
寄付するというと、収入の1割という話もありますが、ビクターさんは、「色々調べた結果、それは多すぎることが分かった」と言います。ちょうど良いのは、手取り収入の1%から5%とのことです。これは憶測ではなく、膨大な研究によって出た数字なのだそうです。
ただし大事なのは、金額そのものではなく「自分から喜んで与えること」なので、手取り収入の1%から5%であっても、支払った時に欠乏感を感じるのであれば、それは逆効果です。お金を与えることが目的なのではなく、波動を変えることが本当の目的だからです。ですので、自分の状況によって、実行することを変えていく必要があります。
与えることに抵抗があるということは、執着していることなので、与えることが出来る方が良いです。だから、お金が入ったら、その中から手取り1%から5%を寄付し続けるのが良いです。しかし、1%与えるだけでも不快になるなら、そのままでは与えない方が良く、1%に満たなくても、例えば1円なら喜んで寄付できるなら、そこから始めるのです。また例えば、1%を分割すれば喜んで与えられるなら、分割するなどの工夫をするのです。慣れてきて、喜んで与えられるようになったら増やしていって、1%から5%を寄付します。
このように、自分の気持ちに正直になった上で、喜んで寄付するように工夫すると良いでしょう。喜んで与えられるのは、執着を手放せている状態であり、自分が豊かであることを心の底から信じている状態です。それが出来れば、お金を「引き離す力」を最小化していることになります。実際に寄付すると、考えるだけの時とは、感じが違ってきます。抵抗を感じる人や、欠乏感を感じる人もいるかもしれません。実際にやってみると、自分の心の中でどんな力が働いているのかが分かります。
もちろん、これは波動の話なので、寄付したらすぐにどうにかなるものではありません。継続していくうちに、知らないうちに変化があるものなので、これが直接的な原因だとはわかりにくいものです。だから、気長にやっていく必要があります。お金が多くなるほど、エネルギーも多くなります。繁栄し続ける大富豪が寄付するのは、自分のエネルギーバランスが崩れないよう、自分が執着していないことを確認する意味もあるのかもしれません。
本書の詳細は『すべてのお金の悩みを永久に解決する方法』をご参照ください。
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