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韓国ウォンが暴落しています。
2020年後半以降一貫してウォン安トレンドではあったものの、2022年9月22日に1ドル1,400ウォンを突破してから、その上昇スピードが上がっています。
韓国ウォンは、1ドル1,200ウォンが1つのボーダーラインと言われています。なぜなら、韓国政府や企業が1ドル1,150ウォン~1,200ウォンで事業計画を立てているところが多いからです。1,200ウォンを超えるのは、韓国政府や企業にとって予想外の領域です。なお、1ドル1,200ウォンを超えたのは、2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻の直後でした。
また1ドル1,400ウォンが2つ目のボーダーラインと言われています。1,400ウォンを超えると、1日の値動きの幅が大きくなるため、その変動幅を利用して利益を得ようと、ヘッジファンド等の投機資金入ってくるからです。この金融アナリストの見方の通り、ウォンは1,400のラインを超えてから、価値の下落スピードが勢いを増しています。
先日(【英国ポンド&国債暴落】金利の上昇により、中央銀行が巨額の含み損を抱えている)という記事に書いたように、ポンドが暴落しています。しかしそのポンドよりも下落しているのが、ウォンです。
ウォンは、今月に入ってから37年ぶりの最安値を記録しています。
ブルームバーグ通信と韓国銀行の経済統計システムによると、ウォン相場は9月1日~28日までで米ドル対比で6.3%下落し、他の主要国通貨より大幅に切り下げられました。(参考:韓国ウォン、英ポンドより大幅下落(韓国経済新聞))
韓国ウォンの下落は、何が背景になっているのでしょうか。またウォンの下落は何につながるのでしょうか。
韓国の金融アナリストは、「韓国の競争力に根本的な疑問が生じている。韓国の基礎体力、ファンダメンタルズの弱体化がウォン安につながる側面を無視できない。」と指摘しています。
韓国経済の基礎体力の1つ、韓国経済を支えているのは、輸出加工貿易です。輸出加工貿易とは 材料を輸入してきて韓国内で加工し、その加工したものを輸出して稼ぐというものです。
韓国にとっての最大の輸出国が中国、2番目がアメリカです。
輸出においては、最近の中国経済の低迷の影響が韓国を直撃しています。また、中国を牽制する目的が含まれているアメリカによるインフレ抑制法(IRA)、及び半導体助成金法(通称:CHIPS法)は、韓国に大きなマイナスの影響が出ることが予想されます。輸入においても、エネルギー高、原材料高等により増加しています。
2022年10月1日の”The Korea times”の情報によると、2022年9月単月の貿易収支は、輸出は575億ドル(9月単月過去最高)であったものの、輸入が612億ドルであったことから、37億ドルの赤字となりました。(参考:Exports up 2.8% in September; trade deficit extended for 6th month (koreatimes.co.kr))この貿易収支の赤字は、2022年4月に始まり、6カ月間連続となりました。
そして2022年1月~9月の、輸出から輸入を引いた貿易収支赤字は、累積で289億ドル、約4.2兆円に達しています。今後も貿易収支が改善する兆しは見えないため、しばらく累積赤字の拡大が続くとみられています。
韓国以外のG20加盟国は、輸出以外の産業が育っており、内需もそこそこ厚みがあるため、たとえ輸出が不調でも国の経済は維持できるのですが、韓国の場合、構造的に輸出に依存しすぎであり、中国に依存し過ぎであり、10大財閥に依存し過ぎという極端な状態にあります。
そして現在その極端な状態が全て裏目に出るような状況になっています。これが、益々ウォン安を加速させていくことになると思います。
本日のオマケ
私の本日の取引 (休場につき取引なし)
私の投資方針
1.投資対象は、株式インデックスファンド、又は個別株式のみ 2.世界株式インデックスファンドは、老後まで基本的に売却しない 3.レバレッジ、信用取引等はしない 4.財政状態、経営成績が良く、PER及びPBRが低めの割安株式を買う 5.平時は、預貯金の残高が減らないペースで積み立てる 6.暴落等により含み損が発生した場合、含み損状態を脱するまで、平時より積立額を増額する
投資方針の根拠
1.ジェレミー・シーゲル著『株式投資 第4版』 ・長期の実質トータルリターンは、他の資産に比べ株式が圧勝する 2.山崎元、水瀬ケンイチ著『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』 ・世界株式インデックスファンド、特に(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がお勧め 3.厚切りジェイソン著『ジェイソン流お金の増やし方』 ・基本的に売らない 4.ジョン・C・ボーグル著『インデックス投資は勝者のゲーム』 ・インデックスファンドは98%の確率で、アクティブファンドに勝てる 5.チャーリー・マンガー著『マンガーの投資術』 ・素晴らしい会社を適正な価格で買う