株式売買からの圧倒的なリターンを出している個人投資家の一人である片山晃さんと、 TOPIXなどの指標に対して負けたことのない機関投資家の一人である小松原周さんの、それぞれの立場でのトップ・プレーヤーが共著として出版されたのが『勝つ投資 負けない投資』です。
片山晃さんは、専門学校中退後ゲーム廃人となったものの22歳から投資を開始し、2005年からの7年半で元手65万円から12億円にされました。現在の資産は150億円とのことです。
小松原周さんは、大手運用会社のファンドマネージャーであり、「不敗の投資家」と呼ばれ、5,000社以上の会社に取材した経験を持つ方です。
本書から3つのポイントをご紹介します。
人の真似をしない
片山さんは元々デイトレーダーで、2006年に、資産200万円の状態で専業投資家になりました。2007年に資産1,000万円を突破したものの、2008年には1年かけて逆に資産800万円まで減らしてしまいまい、デイトレードに限界を感じていました。その時に参加したあるオフ会で、「割安株」の「長期投資」に活路を見出します。結果、150億円もの資産を築くに至りました。
片山さんは、「手法は人それぞれであり、徐々に身に付くもの」だと言います。
人により、賭けられる情熱、時間、目標とする金額、性格がそれぞれ異なります。それによって、取るべき手法は変わります。片山さんは専業投資家ですので、兼業投資家とは異なります。
「私と全く同じ手法は。情熱とかなりの時間を要する」
あまり時間をかけられないけれど、投資で勝ちたいという方は、投資信託、配当重視の投資、相場多下げた時だけ投資をする等、やり方は様々あります。
小型株を買う
片山さんと小松原さん、両者に共通したのが小型株投資をしているということです。
片山さんは、「小型株が頭角を現す初動を捉える」投資手法です。つまり安い時期に小型株を買い、長期保有し、大きく儲けることを目指すものです。
小型株は特定の製品やサービスに特化していることが多いため、メディアで取り上げられる等により、評価が一変し、大化けする可能性があります。
大型株では、大化けするということはなかなかありませんので、小型株投資をするということです。
小松原さんは、「大化け株は小型株に眠っている」と言います。
現時点での株式市場には利用可能なすべての新たな情報が直ちに織り込まれており、超過リターンを得ることはないとする効率的市場仮説という学説がありますが、これはウォッチしている人の多い大きな市場(最大の市場はニューヨーク証券取引所)、大型株ほど当てはまります。
つまり、小型株はウォッチしている人が少ないため非効率となり、ここに勝機があるということです。
また小松原さんは、小型株に関しては「マクロのデータはそこそこにした方が良い」と言います。
小型株に関しては、マクロの流れや景気の流れはあまり関係ありません。それらの影響を押し切って、成長する可能性が高い銘柄が存在します。
※ただし、大企業であればあるほどマクロ情報の影響がありますので、大型株に関してはマクロデータも注目する方が良いでしょう。
銘柄の選び方
片山さんは、良い銘柄を選ぶには、「変化」を捉えることと「想像力」を大事にすることが大切だと言います。
例えば、決算短信などの変化に対してどのような想像力を働かせられるか。ただ数字を見るだけではなく、想像を膨らませるということです。
想像を膨らませるとは、会社の業績が変化した理由が市場全体が変化したから(マクロ)なのか会社の努力など(ミクロ)によるものなのか、一過性のものか持続するものか等を考えるということです。これには、知識や経験が欠かせません。
小松原さんは、「好奇心がトレンドを掴む」と言います。一般に流通する様々な情報に興味をもって目を通すということです。「何でも知りたい性」という要素がないと、投資は向いていません。
また、「自分の投資に信念を持つことだ」と言います。
勝てない投資家は、恋愛でいうと「面食い」、つまり株価の動きしか見ていないのだと言います。
一方勝てる投資家は、きちんと内面を見ます。内面とは、ファンダメンタルズ、社長、社風等様々なものです。その上で、自分の哲学に従って投資判断をします。
本書の詳細は、『勝つ投資 負けない投資』をご参照ください。
本日のオマケ
私の本日の取引 (休場につき取引なし)
私の投資方針
1.投資対象は、株式インデックスファンド、又は個別株式のみ 2.世界株式インデックスファンドは、老後まで基本的に売却しない 3.レバレッジ、信用取引等はしない 4.財政状態、経営成績が良く、PER及びPBRが低めの割安株式を買う 5.平時は、預貯金の残高が減らないペースで積み立てる 6.暴落等により含み損が発生した場合、含み損状態を脱するまで、平時より積立額を増額する
投資方針の根拠
1.ジェレミー・シーゲル著『株式投資 第4版』 ・長期の実質トータルリターンは、他の資産に比べ株式が圧勝する 2.山崎元、水瀬ケンイチ著『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』 ・世界株式インデックスファンド、特に(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がお勧め 3.厚切りジェイソン著『ジェイソン流お金の増やし方』 ・基本的に売らない 4.ジョン・C・ボーグル著『インデックス投資は勝者のゲーム』 ・インデックスファンドは98%の確率で、アクティブファンドに勝てる 5.チャーリー・マンガー著『マンガーの投資術』 ・素晴らしい会社を適正な価格で買う