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株価の指標、株式の価格形成の知識(PER、PBR、ROE、資本コスト等)

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株価の指標

今の株価水準がどの程度なのか、投資するべきか否か等を判断するために重要な指標を、日本の通信サービス業界時価総額第1位の日本電信電話(NTT)を例にとり、ご紹介します。

(出所:SBI証券)

1.配当利回り

配当利回りは、1株当たりの配当額(DPS=Dividend Per Share)を、その時の株価で割ったものです。なお、1株当たりの利益(EPS=Earnings Per Share)のうち配当に配分される比率を「配当性向」と言います。

NTT株に当てはめると次の通りです。

配当利回り=DPS÷株価
     =120円(予想1株配当)÷3,969円(株価)
     =3.02%
配当性向=DPS÷EPS
    =120円(予想1株配当)÷345.9(予想EPS)
    =34.69%

2022年9月末の日本のプライム市場における単純平均配当利回りは2.26%、スタンダード市場における単純平均配当利回りは2.22%ですので(出所:東京証券取引所)、NTT株の配当利回り3.02%は平均よりも高く、比較的高配当であると言えます。
また配当性向については、米国企業平均は 30~40%程度、日本企業の平均は30%程度と言われており、NTTの配当性向は平均的であると言えます。(参考:info_nfa_2020_02.pdf (quick.co.jp))

2.株価収益率(PER)

株価を1株当たり利益で割ったものが、PER(株価収益率=Price to Earnings Ratio)です。この指標が高いほど、利益水準に比べて株価が高いということです。そのため、PERが高いほど株価は割高になります。

NTT株に当てはめると次の通りです。

PER=株価÷EPS
  =3,969円(株価)÷345.9(予想EPS)
  =11.47

2022年9月末の日本のプライム市場における単純平均PERは18.9倍、加重平均PERは21.3倍ですので、NTT株のPER11.47倍は割安(バリュエーションが安い)と言えます。

(出所:東京証券取引所データより作成)

3.株価純資産倍率(PBR)

株価を1株当たり純資産(BPS=Book Value Per Share)で割ったものが、PBR(株価純資産倍率=Price to Book Ratio)です。PER同様に、このPBRが高いほど、純資産に比べて株価が高いということです。そのため、PBRが高いほど株価は割高となります。

NTT株に当てはめると次の通りです。

PBR=株価÷BPS
  =3,969円(株価)÷2,338.73(実績BPS)
  =1.69

2022年9月末の日本のプライム市場における単純平均PBRは1.5倍、加重平均PERは2.0倍ですので、NTT株のPBR1.69倍は平均的と言えます。

(出所:東京証券取引所データより作成)

4.PERとPBRの関係

ここで、PERとPBRの指標の関係を整理します。
PER、PBR、ROE(株主資本利益率又は純資産利益率)という異なる指標が、実は有機的につながっています。ROEは、純資産に対する利益率を示す指標であり、投資家が最重要視する指標です。

ROE=EPS÷BPS
  =345.9(予想EPS)÷2,338.73(実績BPS)
  =14.79%
①PER=株価÷EPS ⇒ 株価=PER×EPS
②PBR=株価÷BPS
③ROE=EPS÷BPS

①を②に挿入すると

PBR=PER×EPS÷BPS
  =PER×ROE

つまり、PBRはROEとPERの掛け算と一致します。PERが一定であれば、ROEが高いほどPBRが高くなるので、ROEが株価のバリュエーションに大きく影響することが分かります。

株式の価格形成

1.資本コスト

株式の価格形成を理解する上で重要なのが、「株式資本コスト」あるいは「要求収益率」という考え方です。ハイリスク・ハイリターンという言葉をよく聞くと思いますが、リスクが高ければ、リターンが高くないと割に合わないというのは当然ですよね。

銀行預金や国債などは、ほぼ確実に想定される収益率が確保されるため、リスクがありません。そのため、このような資産は「安全資産」又は「リスクフリー資産」と言い、その利回りは「リスクフリーレート」と言います。

従って、投資家が株式に投資する際は、安全資産の利回りより高い収益率を求めるのは自然です。また、同じ株式投資であっても、異なる株式であればリスクの大きさも違うので、株式投資の前提となる、投資家が期待する収益率は異なる収益率になります。これを、投資家が求める収益率ということで、「要求収益率」(又は期待収益率)と言います。

そのため、以下の不等式が成り立ちます。

リスクフリーレート < 低リスク株式の要求収益率 < 高リスク株式の要求収益率

「要求収益率」が高いとは簡単に言うと、「あなたの会社が抱える大きなリスクを承知で株式を買うのだから、高いリターンをくださいね」ということです。

いま株価が100円である会社の株式が150円に上がる見通しだとすると、要求収益率が50%です。しかし、経営上のリスクが浮上したため、要求収益率が100%に高まったとすると、将来株価が150円に上がる見通しであるとしても現在の株価が75円に下がらないとこの収益率が確保できないことになります。そのため、株価が下落するのです。

これを会社側から見た表現を「株式資本コスト」と言います。投資家がある水準のリターンを期待するので、その期待に応えなければならないということで、「資本コスト」というのです。

要求収益率(投資家側から見た言い方) = 資本コスト(会社側から見た言い方)

資本コストが低ければ、安く資金調達が出来るので、資金調達が容易になります。この資本コストは、次のモデルの「割引率」で使われるので、株価評価の最も重要な要素と言えます。

2.配当割引モデル(DDM)とDCFモデル

株価を考えるにあたり、最も基本的な手法が「配当割引モデル」(DDM=Dividend Discount Model)です。株式投資の目的には、配当だけではなく株価の値上がり益もありますが、このモデルは配当を永久に受け取る前提で価値を評価するというものです。

これにはまず、将来受け取る金額を現在の価値である「現在価値」に翻訳することから始めます。
金利が10%の場合、現在の100円は1年後に110円の価値を持ちます。逆に言うと、1年後の110円は現在価値100円に相当するということです。2年目は121円(=100×(1+10%)×(1+10%))ですので、2年後の121円は現在価値100円ということす。この翻訳作業を、「現在価値への割引」と言います。

つぎに、1年目から将来にわたって配当を現在価値に割り引いたものをすべて足し上げる作業をします。途方もなく大変という印象を持つかもしれませんが、ある一定の金額を永久に決まった金利で割り引いた金額の合計は、以下のとても単純な式になります。(参考:無限等比級数の和)

株式価値 = 配当÷資本コスト

なお、一定の増加率で永久に配当が増加する場合の株価の理論値の計算は次の通りです。

株式価値 = 期初配当÷(資本コスト-成長率)

配当割引モデルは、配当という将来キャッシュフローを割り引くという意味でDCF法の一例ですが、配当は株式価値を形成する権利の一部でしかありません。より適切に株式の価値を評価するには、株式に帰属する経済的な権利の全部について検討する必要があります。

企業が1年に稼いで税金を支払った後の利益が「当期純利益」で、これを株式数で割ったものが1株当たり利益(EPS)です。企業は当期純利益から配当を支払い、残ったものが内部留保となります。この留保された利益も清算時に「残余財産」として株主に分配されるので、結局EPSは全額株主に帰属するものと言えるのです。

これらを踏まえると、株式の価値を算定するには、配当の代わりにEPSを株式にとってのキャッシュフローと考えれば、より正確に株式価値を表現することが出来ると言え、以下の式が成り立ちます。

株式価値 = EPS÷資本コスト
株式価値 = EPS÷(資本コスト-成長率)(←一定の増加率でEPSが増えると仮定する場合)

3.資本コストと株価との関係

株式の資本コストは、概念的にはリスクフリーレートにリスクプレミアムを加えたものです。

資本コスト = リスクフリーレート+リスクプレミアム

先述の通り、リスクフリーレートは国債利回り等のため、その時々の国債利回りから得られる情報です。一方リスクプレミアムは、様々な要因により形成されるものであり固有のため、何らかの方法でプレミアムを算定することは難しいのですが、過去のリスクプレミアムは参考になります。

NTT株の現在の株価からリスクプレミアムを計算すると、以下の通りになります。

株式価値 = EPS÷資本コスト
⇒ 3,969円(株式価値) = 345.9円(EPS)÷資本コスト
⇒ 資本コスト = 345.9円(EPS)÷3,969円(株式価値)=8.72% ・・・①
  
資本コスト = リスクフリーレート+リスクプレミアム・・・②

①②より
リスクプレミアム 
=8.72%(資本コスト)- 0.25%(リスクフリーレート:10年国債利回り)
=8.47%

このように過去からのリスクプレミアムを算定して振り返ることによって、株価が暗示する企業や株式に対する見方が推察できます。

最後に、リスクプレミアムがどのような要因に影響されるかについて整理します。

マクロ要因:
国内経済状況、地政学リスク、政権の安定性、金融システムの安定性、海外金融市場の情勢、財政政策、金融政策、気候変動の影響、SDGs等の環境変化 等

ミクロ要因:
経営者への信頼性、サプライチェーンの安定性、原材料市場の状況、規制の強化・緩和、研究開発の動向、依存度の高い海外市場の経済動向、不祥事案、訴訟、競争状況の変化 等

本日のオマケ

私の本日の取引 (休場につき取引なし)

私の投資方針

1.投資対象は、株式インデックスファンド、又は個別株式のみ
2.世界株式インデックスファンドは、老後まで基本的に売却しない
3.レバレッジ、信用取引等はしない
4.財政状態、経営成績が良く、PER及びPBRが低めの割安株式を買う
5.平時は、預貯金の残高が減らないペースで積み立てる
6.暴落等により含み損が発生した場合、含み損状態を脱するまで、平時より積立額を増額する

投資方針の根拠

私の投資方針は、これらの本を読んで決めたものです。これらの本を読むか読まないか、知っているか知らないかで、将来の資産形成は大きく変わると思います。

1.ジェレミー・シーゲル著『株式投資 第4版』
 ・長期の実質トータルリターンは、他の資産に比べ株式が圧勝する
2.山崎元、水瀬ケンイチ著『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』
 ・世界株式インデックスファンド、特に(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がお勧め
3.厚切りジェイソン著『ジェイソン流お金の増やし方』
 ・基本的に売らない
4.ジョン・C・ボーグル著『インデックス投資は勝者のゲーム』
 ・インデックスファンドは98%の確率で、アクティブファンドに勝てる
5.チャーリー・マンガー著『マンガーの投資術』
 ・素晴らしい会社を適正な価格で買う

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