Column
米国経済は現在、景気先行指数、一致指数ともに上向き、雇用統計(米労働省が本日11月4日に発表した10月の雇用統計によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数は前月比26万1000人増であり、市場予測20万人増を上回りました。)も割と強い状態です。
その一方で、ミシガン大学消費者信頼感指数(1966年を100として指数化された米国の消費者マインドを示す代表的な指数。ミシガン大学の調査研究センターがアンケート調査を行い、現状判断指数(約40%)と先行き期待指数(約60%)で構成されています。指数の予想が強ければ米国経済は好調とみなされ、弱ければ不調とみなされます。)に見られるように、一部に非常に懸念すべきデータが出てきています。
上図は「ミシガン大学消費者信頼感指数」の過去5年間の推移をあらわしていますが、現在の指数はかなり低いと言えます。
これはつまり、消費者は景気が悪いと実感しているということであり、米国において実体経済と資産価格が凄まじい乖離を見せている象徴的な出来事だと捉えることが出来ます。過去、ここまで実体経済と資産価格が乖離した局面にはその後、資産価格に必ず大きな調整が入りました。
ともあれ、米国経済が崩れるのは最後だと決まっています。
その理由は、世界経済の好不況の動きを見る時、先に動きが現れる先行指数は、製造業及び輸出中心の中国であり、一致指数は、製造業とサービス業が混在している日本であり、遅行指数は、ほとんどサービス業で成り立っている米国であると考えるからです。経済のサイクルで最後に動くのは小売りや個人消費になり、それらはサービス業に分類されます。
つまり中国の経済が傾いたら、それがタイムラグをもって日本へ、そして米国へとしわ寄せが行く仕組みになっています。そして、既に中国の景気が下向きになっているのは確実で、それは様々なマクロ指標でも確認でき、不動産バブル崩壊の状態にも出ており、中国株の下落にも表れています。
上図は「深圳100指数」の過去5年間の推移をあらわしていますが、2021年頃から徐々に下落していることが分かると思います。深圳は中国のシリコンバレーであり、深圳の企業業績が悪くなるということは、日本企業、米国の巨大テック企業にも問題が起きていることを物語っています。
米国はこのタイミングで、テーパリングの終了を前倒しし、(2022年3月末テーパリング終了。参考:12月15日 FOMC声明 = テーパリング終了を3月に前倒し – FEDウォッチ – 時事エクイティ (jiji.com))過去に類を見ないスピードで利上げも行っています。
これは、今後の景気の悪化に拍車をかけるおそれがあります。
参考文献(エミン・ユマルズ著『エブリシング・バブルの崩壊』
本日のオマケ
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1.日本株式インデックスファンド 10,000円(自動買付) (ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド) 2.世界株式インデックスファンド 10,000円(自動買付) (SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド)
私の投資方針
1.投資対象は、株式インデックスファンド、又は個別株式のみ 2.世界株式インデックスファンドは、老後まで基本的に売却しない 3.レバレッジ、信用取引等はしない 4.財政状態、経営成績が良く、PER及びPBRが低めの割安株式を買う 5.平時は、預貯金の残高が減らないペースで積み立てる 6.暴落等により含み損が発生した場合、含み損状態を脱するまで、平時より積立額を増額する
投資方針の根拠
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