Column
キーポイント
・欧州では景気後退の可能性が高く、米国では90%の確率で後退すると見られている。 ・米国の金利は市場の予想よりも長く高止まりし、2023年も英国/ユーロ圏では高止まりする見通し。 ・雇用市場は依然として堅調であり、米国の失業率は5%程度がピークと見られている。 ・中国のゼロコロナ政策が緩和され、景気回復が見込まれる。
米国、ユーロ圏、英国は景気後退に近づき、中国は循環的な景気回復に向かうという、先進国と新興国の間の対比が鮮明になってきています。米国、ユーロ圏、英国ではインフレ圧力が続く中、金利は長期にわたって高い水準を維持すると予想していますが、新興市場では来年中に低下し始めると予想しています。
米国
米国では、2023年通年で0.25%程度の経済成長が見込まれています。しかし、金利がコアインフレ率を上回る可能性が高い年央頃から景気後退の可能性が90%になると考えています。しかし、現在の労働市場の逼迫を考えると、失業率は歴史的に低い5%前後でピークに達する可能性があります。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、4回連続で75bpの利上げを行った後、12月14日に主要政策金利の目標を50bp引き上げました。利上げのペースは若干下方修正されたものの、FRBは2023年も利上げを継続し、FF金利目標は5%から5.25%でピークを迎え、2023年内はその水準に留まると予想しています。これは市場が現在織り込んでいるよりも高い水準です。
ユーロ圏
ユーロ圏では10月に失業率が6.5%と過去最低水準まで低下しましたが、主要経済指標は成長率のさらなる低下を示唆しています。Vanguard社は、ユーロ圏の景気後退は既に始まっていると考えていますが、比較的穏やかなものになると考えています。
欧州中央銀行(ECB)は預金制度を50ベーシスポイント引き上げ、「インフレ率を中期目標である2%に適時に戻すためには、依然として金利を安定したペースで大幅に上昇させる必要がある」との考えを示しました。世界経済の低迷という厳しい背景の下、ECBは2023年第1四半期に預金金利を2.5%に引き上げ、年内はそのまま据え置くと考えています。
また英国は、消費者信頼感指数が歴史的な低水準にあり、金利が上昇傾向にあることから、景気後退に入ったとみています。2023年の英国の景気縮小率はコンセンサスを上回る1%から1.5%程度、景気後退は6四半期程度続き、ユーロ圏より深くなる予想です。
中国
中国では、ゼロコロナ政策の緩和と不動産セクターの安定化により、2022年の困難な時期を乗り越え、循環的な経済活動の上昇への道が開かれつつあります。
ゼロコロナ政策からの脱却は、同国の医療制度が大規模な感染症に対して脆弱であることに変わりはないため順調とは言い難いが、2023年の成長率は4.5%程度と予想しており、上振れ可能性もあると見ています。
新興国
来年の新興国のGDP成長率は3.4%となり、先進国全体の成長率0.3%を大きく上回ることになるとみています。また新興国の中央銀行は、早ければ来年にも利下げサイクルを開始し、中南米がその先頭に立つことになると考えています。
資産クラスのリターン見通し
以下は、Vanguard社の株式および債券リターンに関する最新の10年間の年率見通しです。
世界株式(英国を除く、為替ヘッジなし)のリターン見通しは6.1%~8.1%で最大、世界債券(ユーロ圏を除く)のリターン見通しは2.1%~3.1%で最小となると考えています。
本日のオマケ
私の取引
以下のファンドを毎営業日自動買付しています。
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またこれらとは別に、日経平均225(ダイワ上場投信-日経225(大和日経平均)【1320】株の基本情報|株探(かぶたん) (kabutan.jp))も、少しずつ購入しています。
今週は、日本銀行がイールドカーブ・コントロール(YCC)の柔軟化措置を決め、変動幅を従来の「±0.25%程度」から、「±0.5%程度」へと拡大したことから、日経平均株価が急落しました。
28,600円から100円下がるごとに1口ずつ買うように指値注文を入れていた結果、今週は合計18口追加購入ができました。現在評価額は839,635円(31口)、含み損は28,365円(△3.27%)です。平均取得価格は600円以上下がり、28,000円/口になりました。
株価が下がる場合は引き続き追加購入する予定で、来週は27,900円から100円下がるごとに1口ずつ買うように指値注文を入れています。
私の投資方針
1.投資対象は、主に株式インデックスファンド、又は個別株式とする。 2.世界株式インデックスファンドは、老後まで基本的に売却しない 3.レバレッジ、信用取引等はしない 4.財政状態、経営成績が良く、PER及びPBRが低めの割安株式を買う 5.平時は、預貯金の残高が減らないペースで積み立てる 6.暴落等により含み損が発生した場合、含み損状態を脱するまで、平時より積立額を増額する
投資方針の根拠
1.ジェレミー・シーゲル著『株式投資 第4版』 ・長期の実質トータルリターンは、他の資産に比べ株式が圧勝する 2.山崎元、水瀬ケンイチ著『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』 ・世界株式インデックスファンド、特に(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がお勧め 3.厚切りジェイソン著『ジェイソン流お金の増やし方』 ・基本的に売らない 4.ジョン・C・ボーグル著『インデックス投資は勝者のゲーム』 ・インデックスファンドは98%の確率で、アクティブファンドに勝てる 5.チャーリー・マンガー著『マンガーの投資術』 ・素晴らしい会社を適正な価格で買う