医師や旅行会社を潤わせたワクチン接種ですが、最も儲けたのはもちろんワクチンメーカーです。2022年12月現在、国内で使われているワクチンは、ファイザー製(3億9,900万回分)、モデルナ製(2億1,300万回分)、アストラゼネカ製(1億2,000万回分)、ノババックス製(1億5,000万回分)の4種類です。合計8億8,200万回分、調達コストは2兆4,026億円となっています。
世界保健機構(WHO)の2022年6月16日時点データによると、世界で最も調達量が多かったのがファイザー製で、53億4,128万回分と全体の28.6%を占めています。2位がモデルナ製で32億2,974億回分(17.3%)、3位がアストラゼネカ製で21億4,229万回分(11.5%)と続きます。
ファイザー社の儲け
ところで、ファイザー社はコロナワクチンでどのくらい儲けたのでしょうか。
2019年12月期:売上高517億5,000万ドル
2020年12月期:売上高419億8,000万ドル(製薬企業売上高ランキング8位)
2021年12月期:売上高812億8,800万ドル(うちコロナワクチンの売上367億8,100万ドル)
ファイザー社は2021年12月期にコロナワクチン売上によって劇的に増収し、製薬企業売上高ランキングでも5年ぶりにトップの座に返り咲きました。2022年12月期も、コロナワクチンの通年売上を340億ドルと見込んでいます。
これにより、ファイザー社の幹部も巨万の富を手にしました。同社CEOのアルバート・ブーラ氏の2021年の報酬は前年比15%増の2,430万ドル(約31億5,900万円)と伝えられており、かつ自身が保有するファイザー株13万株余りを売却し、約560万ドル(約7億2,800万円)を得ました。
陰の立役者ビオンテック社の儲け
ファイザー社が表立っていますが、実際にmRNAワクチンの技術を持っていたのは、ファイザー社と共同開発をしているドイツのビオンテック社です。ファイザー社は2020年3月17日という非常に早い段階で、ビオンテック社と新型コロナワクチンの共同開発を取り決めています。
ビオンテック社の売上、最終損益の推移は次の通りです。
2019年12月期:売上高1億858万ユーロ、最終損益△1億7,900万ユーロ
2020年12月期:売上高4億8,232万ユーロ、最終損益+1,500万ユーロ
2021年12月期:売上高189億7,670万ユーロ、最終損益+102億9,250万ユーロ
つまり、ビオンテック社はコロナワクチン特需により最終益が前期比約686倍となり、売上高も一気に製薬会社世界売上高ランキング16位に躍り出ることとなりました。ビオンテック社の創業者、ウール・シャヒン氏の総資産は2020年に51億ドルにまで膨れ上がり、世界長者番付で493位に入りました。
モデルナ社の大躍進
mRNAワクチンを開発した創薬ベンチャー企業であったモデルナ社も、コロナ特需で大きな儲けをたたき出しました。
2018年12月期:売上高1億3,500万ドル、最終損益赤字
219年12月期:売上高6,000万ドル、最終損益赤字
2020年12月期:売上高8億300万ドル、最終損益赤字
2021年12月期:売上高184億7,100万ドル、最終益+122億200万ドル
モデルナ社はコロナワクチン特需により最終益が黒字に転換し、売上高も一気に製薬会社世界売上高ランキング19位に躍り出ることとなりました。2018年、モデルナ社はアメリカナスダック市場に上場し、2021年8月、一時的に時価総額およそ1,700億ドルにまで膨れ上がりました。
壮絶な在庫ワクチン
ワクチンメーカーにこれほどまでに巨大な富をもたらしたのは、各国政府がワクチンにお金をつぎ込んだからです。
日本では合計8億8,200万回分の数量を契約しています。しかし、在庫が順調にさばけているとは言えません。2020年9月14日時点で、ファイザー製は在庫消化率60.9%に及んでいますが、モデルナ製は約36%、アストラゼネカやノババックスに至っては、それぞれ0.1%、0.13%しか在庫を消化できていません。金額にすると、約1兆3,608億円分の在庫が、まだ余った状態になっています。
TBSの独自調査によると、期限切れなどの理由で、東京23区だけで100万回分のワクチンが廃棄されたと言います。金額にするとおよそ27億2,500万円分です。東京23区だけで100万回分にも及ぶので、全国で廃棄されたワクチンが相当数に上るのは間違いありません。
また接種率も、接種回数を重ねるごとに落ちており、在庫を消化できる見込みがありません。
全国のワクチン接種状況(2022年11月20日時点)によると、全国民を母数とした接種率は、1回目77.68%、2回目77.20%、3回目66.73%、4回目36.75%、5回目3.83%となっています。
これは当然で、接種してもコロナが終息するどころか、2022年夏の第7波は過去最多の陽性者数を記録した一方、コロナウイルスは弱毒化したと言われています。この状況を見て、発熱、頭痛、倦怠感などのつらい副反応に耐えてまで打つメリットはないと判断した人が増えたのではないでしょうか。
この8億8,200万回分という数、日本人全員が7回打てるほどの数量です。膨大な在庫からもその他状況からも、それほどの数量必要ないはずですが、日本政府は2022年にも追加購入しています。ワクチンメーカーとどのような契約が交わされているのか明らかになってはいませんが、あらかじめ「これだけの値段で、これだけの回数分を購入する」と約束されていたのではないでしょうか。
「この国の構造的な欠陥だと思うのですが、一度走り出したら、途中で間違いに気づいても、引き返すことが出来ないんです。本来は、一刻も早くワクチン接種をやめるべきなんです。でも、巨費を投じたのに、コロナを収束することが出来なかったどころか、薬害までもたらしてしまったとなると、今までの過ちを認めなくてはならなくなる。その責任をだれも取りたくないから、ワクチン接種を進めた政府も、政治家も、専門家も方向転換できないんです。」
参考文献:鳥集 徹著『コロナ利権の真相』(発売日: 2023年1月6日)
本日のオマケ
私の投資方針
1.投資対象は、主に株式インデックスファンド、又は個別株式とする。 2.世界株式インデックスファンドは、老後まで基本的に売却しない 3.レバレッジ、信用取引等はしない 4.財政状態、経営成績が良く、PER及びPBRが低めの割安株式を買う 5.平時は、預貯金の残高が減らないペースで積み立てる 6.暴落等により含み損が発生した場合、含み損状態を脱するまで、平時より積立額を増額する
投資方針の根拠
1.ジェレミー・シーゲル著『株式投資 第4版』 ・長期の実質トータルリターンは、他の資産に比べ株式が圧勝する 2.山崎元、水瀬ケンイチ著『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』 ・世界株式インデックスファンド、特に(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がお勧め 3.厚切りジェイソン著『ジェイソン流お金の増やし方』 ・基本的に売らない 4.ジョン・C・ボーグル著『インデックス投資は勝者のゲーム』 ・インデックスファンドは98%の確率で、アクティブファンドに勝てる 5.チャーリー・マンガー著『マンガーの投資術』 ・素晴らしい会社を適正な価格で買う