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孤独をいとわない。『一流投資家が人生で一番大切にしていること』

「多数派と違うことをしない限り、とび向けた成果を出すことは出来ない。」

(by サー・ジョン・テンプルトン)

1954年に、テンプルトンが設立したテンプルトン・グロース・ファンドは、38年間にわたり年平均14.5%のリターンをあげました。当時もし10万ドルを投資していたら、1,700万ドルを超えていた計算になります。1912年にテネシー州の小さな田舎に生まれたテンプルトンは、ゼロから始めて億万長者になりました。どうやってそれを成し遂げたのでしょうか。

投資会社リッパ-・アドバイザリー・サービシズの会長マイケル・リッパ-は、テンプルトン、ジョージ・ソロス、ウォーレン・バフェットには重要な特性が共通すると言います。

「孤独をいとわないところだ。周りから賢いと思われないような振る舞いを平気で出来るところも。大半の人にはない、ゆるぎない信念があるのだ」

市場に勝つ唯一の方法は、市場の流れから外れることです。それは文字通り、知的にも気質的にも並外れている人間にぴったりの仕事です。本書『一流投資家が人生で一番大切にしていること』の著者は、サー・ジョン・テンプルトンについて、彼ほど頭が切れて偏屈な人物はいないと言います。

異端者が誕生するまで

テンプルトンは、学校で11年間オールAを取り続け、1930年にイェール大学へ進学しました。父親は弁護士で実業家でしたが、大恐慌で財産を失い、テンプルトンが1年生の終わりを迎える頃、学費を1ドルさえも支払えなくなったと手紙を送ってきました。テンプルトンはバイトを掛け持ちし、イェール大学から奨学金を得たほかに、ポーカーで稼いだ金も足しにしました。同時に必死に勉強もして、3年生の終わりには学年トップになります。

テンプルトンが投資家を志したのは、大学在学中でした。数学と、方法論に沿って整然と問題を解くのが得意だったからでもあるし、自分の家族は失ってしまった経済的安定を多くの人が手に出来るようにする、人の役に立つ仕事だと思えたからでもあります。イェール大学を卒業した後、ローズ奨学生としてオックスフォード大学で2年間学びます。経営学を学びたかったが、正当な学科ではないとして担当教授に却下され、仕方なく法律を学びます。

オックスフォード大学を卒業すると、いずれ投資するかもしれない外国市場について学びたいと考えて、寝袋と1回分の洋服の替え、ガイドブック4冊、そして聖書を携え、7か月間で27か国をまわりました。

1937年にアメリカに帰国したのちに結婚し、ウォール街にある証券会社フェナー・アンド・ビーンで3か月働き、石油探索会社へ移ります。

世紀の賭け

1939年、ナチス・ドイツがポーランドに侵攻し、その後数カ月の間にノルウェー、オランダ、ベルギーを降伏させ、翌年5月にフランスに侵攻すると、ダウ平均は安値を更新し、112ドルまで落ちました。

世界がまさに崖っぷちでよろめいている時、知恵のある投資家はどう動くべきか。従来の考えなら、ここは撤退が賢明と唱えるかもしれません。株価が安値を更新し続け、市場が混乱をきわめている時には、現金や金、土地など守りの資産で安全を確保するのがしかるべき対応です。しかし、テンプルトンは常識通りに動く人間ではありません。

テンプルトンは、「多くの企業が大恐慌に打ちのめされ息絶える寸前だったが、だからこそ運命が急転換すれば、その株価はとんでもないことになる。生まれ変わった企業はそこまで打撃を受けていなかった他の企業を追い越すかもしれない。適者生存ならぬ「不適者」生存の時代が来るのだ」と考えました。そして、「恐ろしい恐慌」を経験して株価が1ドルかそれ以下に落ち込んだ104のアメリカ企業を選び出し、これらの銘柄に100ドルずつ投資しました。

「儲ける可能性の方が、損をする可能性よりはるかに大きかった」
「もちろん、100ドルを失うこともありえます。けれども、100ドルを失わないのであれば、おそらく大儲けするのです」

特筆すべきは、世界が戦争に向かう中でテンプルトンが104の悪評高い銘柄に投資する勇気を持っていた点だけではありません。その後、世界の情勢がますます深刻になっていく中で、株を手放さずにいる勇気がありました。

1942年、連合国軍に運が向き始め、アメリカ経済が復調してくると、株価の下落は止まり、上昇に転じます。テンプルトンが投資した、かつては足かせにされていた銘柄は高騰しました。嵐のような5年間を経て、テンプルトンはついにそれらを手放しました。

「現金に換えたら、104あったうち100の銘柄で利益が出て、元金は大体5倍になりました。」

戦時中のテンプルトンの賭けは、歴史上ほとんど例がないほど大胆で先見の明がある投資だったのではないでしょうか。彼は、経済史や金融市場、人間の性質を深く理解し、極度の悲観はいずれ天井知らずの楽観にとってかわられると分かっていました。

policeman walking near tanks
Photo by Kris Møklebust on Pexels.com

群れない投資家の6つの原則

以下に示す原則は、テンプルトンが60年以上にわたる実経験と熟考を通して得た、彼独自の英知です。

1.自分の感情に用心すること

投資で感情的になり、道を間違えてしまう人が多いのです。大儲けをして楽観的になりわきが甘くなった時と、大損をして悲観的になり何に対しても慎重になりすぎた時が危ない。

2.自分の無知に用心すること

こちらの方が感情より重要な問題かもしれません。ほんのわずかな情報を頼りに買い物をする人が多すぎます。自分が何を買おうとしているのかを本当に分かっていません。最も情報を集めた者こそ勝利に近づくので、そのための研究や勉強を欠かすべきではありません。

3.自分は間違うことを見越して広く投資を分散すること

投資は実に難しく、既に名を上げた投資家であっても、どんなに頑張っても、自分が2/3以上の確率で正しくはなれないと心得ておくべきです。自惚れを戒め、リスクにさらされる度合いを抑える必要があります。

4.投資で成功するには忍耐強くなければいけないこと

投資で極めて良い結果を出すには、忍耐さえあればいい。投資家たちのほとんど全員が、せっかちすぎます。年が変わる度にファンドから別のファンドへ飛び移る人たちは、調べた結果ではなく感情で判断しています。

5.掘出し物を見つける一番良い方法は、過去5年間で最もひどい成績の資産について調べ、悪い原因が一時的なのか永続的なのかを見極めること

ほとんどの人は、評価の高い株や債券であれ、急成長している国であれ、すでに良い成績を出していて投資家たちに人気のある商品に自然と惹かれます。しかし、掘出し物は暗がりにあります。世界中を見渡して、窮地にある業界や市場の株を吟味し、自分の考える価値と比べて、どれが一番割安かと、絶えず自問することです。

6.投資家として特に大事なのは、流行を追わないということ

投資家として集団妄想に取りつかれないためには、先行きではなく価値に注目すべきです。例えば、ある企業の過去5年間の株価を、1株あたりの売上高や純資産、平均純利益を照らし合わせる等、各種の具体的な評価基準を調べて、あくまで現実を見据えるようにするべきです。投資の基本的な価値を批判的に分析することが、群衆の狂気から身を守る盾となります。


参考文献:ウィリアム・グリーン著『一流投資家が人生で一番大切にしていること』(発売日:2023年6月20日)

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