人間の意識の様々な表し方は非常に深く、かつ広範囲にわたります。意識のレベルによる影響は、明確なものから微妙なものまで様々です。
200以下の全てのレベルは、個人にとっても社会にとっても、どちらも生きていく上で破壊的です。対照に、200を超えたすべてのレベルは、建設的なパワーの表現です。200というレベルは、フォース(偽り)とパワー(真実)の領域を分ける決定的な分岐点となります。
25~100のエネルギーレベルについてはこちらをご参照ください。
エネルギーレベル125:欲望
「欲望」は、経済も含めて人間の活動の広い領域を動機づけます。広告業者は本能的にニーズを欲するような状態にするよう、私たちの「欲望」をけしかけます
「欲望」は目標を達成するか、その見返りのために努力をするようにと、私たちを動かします。お金や名声、パワーを得ることに関わる欲望が、恐怖のレベル(エネルギーレベル100)から抜け出した多くの人々の人生において優先的な動機となります。
どうしても周りの人の注意をひかなければいられない人たちもいて、彼らのきりのない要求に人々は離れていきます。また、性的に認められたいという切望が、化粧品やファッション産業を生み出しました。
「欲望」は、絶えず何らかの目的に向かうエネルギーフィールドなので、飽きることを知りません。従って、一つ満足を得ても、他の満たされていない渇望に取り替えられてしまいます。たとえば億万長者は、更に莫大なお金を手に入れることに取りつかれたままの傾向があります。
欲することは、それ以下のレベルよりも、私たちを達成への道へとスタートしやすくさせてくれます。従って、「欲望」は意識のより高いレベルへの飛び込み台となるのです。
エネルギーレベル150:怒り
「怒り」は殺人や戦争に通じるかもしれませんが、エネルギーレベルとしては「死」からはるかに遠いものです。怒りは、創造と破壊の両方に通じています。
1つ前のエネルギーレベル「欲望」はフラストレーションに通じ、そこからさらに「怒り」に通じます。従って、怒りは圧迫から自由へと猛烈な勢いで向かうテコとなるかもしれません。社会的な不公平感や、処罰、不平などに対する怒りは、社会構造に変化をもたらす大きな社会運動を生んできました。
しかし、「怒り」は恨みや復讐心につながっていることが良くあるので爆発しやすく、危険でもあります。怒りはたやすく憎しみへと転じ、憎しみは人生のすべての領域において破壊的な影響を及ぼします。
エネルギーレベル175:プライド
プライドは175で測定されますが、実際にアメリカ海兵隊の精神的基盤になるほどのエネルギーを持っています。
プライドは現代人の大方が求めているレベルです。下方のエネルギーフィールドに比べると、このレベルに達すると、人間は積極的傾向になります。自尊心が湧いてくると、意識の低いレベルで経験したすべての苦痛は和らぎます。プライドは自らの格好良さを知っているので、人生というステージでそれを見せびらかそうとします。
一般にプライドはプラスに評価されていて、社会的にも奨励されています。しかし、意識レベルのチャートから見ると、200という臨界点より下にとどまっているため、まだネガティブな状態です。これは、プライドがそれより低いレベルと比較した優越感に浸れるものに過ぎないからです。
つまり、プライドを持つことで「天狗になっている」ことが問題なのです。プライドは外的な状況に依存しているので、受け身であり、傷つきやすいものです。外部の条件次第では、突然低いレベルに戻ります。膨れあがったエゴは、攻撃に弱いのです。
プライドは他者と自分を区別するので、派閥争いを招き、結果的に高い代償を払うことにもなります。人はプライドのために死ぬこともありますし、軍隊は「愛国心」と呼ばれるプライドのために、決まって互いに殺し合っています。中東と欧州間のおぞましい歴史的な宗教戦争や、狂信的な政治的テロリズムなど、全ては社会が支払うプライドの代償です。
プライドの全面的な問題の1つは、否認です。名声と信望をもって、プライドに代わる本当のパワーを得るためには、プライドは相当大きな障害となります。
エネルギーレベル200:勇気
200レベルにおいて、初めて「フォース」から「パワー」に切り替わります。200レベルは生きることに対してポジティブか、それともネガティブな影響を与えるのかを識別できる臨界点です。
このレベルは、様々な能力が生まれ、探求、達成、忍耐力、決断力の領域です。人生は面白く挑戦的であり、刺激があるように思えるのです。
「勇気」とは、新しいものを試みながら、人生の変化と挑戦に立ち向かう意欲を意味します。このレベルでは様々な能力が与えられるので、人は難問にも対処できるようになり、やってくるチャンスをうまく生かすことが出来ます。
例えば、新しい仕事の技術を学ぶエネルギーが得られます。成長することや学びは、達成可能な目標となります。恐怖や性格の欠点に直面しても、そんなことにも負けずに成長できる能力があります。このレベルでは努力を無駄にしません。意識が200未満である人々なら打ち負かされる様な障害であっても、このレベルに進化した人たちにとっては、逆に刺激となって働きかけるのです。
このレベルにある人々は、自分たちが得るものと同じくらい多くのエネルギーを世間に返しています。達成すること自体が自分への見返りとなり、ポジティブな自尊心にもつながるので、次第に強くなっていき、生産的な生き方が始まります。
エネルギーレベル250:中立
「中立」と呼ばれるレベルに達すると、低いレベルから解放されるので、エネルギーは非常にポジティブになります。
障壁や、人のエネルギーを消耗させる対立を超えると、「中立」の状態となります。柔軟さがあり、批判的にならないので、問題に対する現実的な評価が出来るようになります。「中立」であることは、比較的結果にこだわらないことを意味します。自分の思い通りにならないことに対する恐れや苛立ちは、もはや経験しなくなるでしょう。
「中立」のレベルでは、「この仕事が得られないのなら、また別の仕事でも探そうかな」ということが出来ます。これは、内なる自信の始まりを意味します。自分のパワーが感じられると、人は簡単におじけづいたりしませんし、他人に認めてもらう必要もありません。基本的に250のレベルがあると、浮き沈みする人生においても自然体でいられます。
「中立」の人達には幸福感があり、この世で生きている自信が現れます。このレベルの人達は、対立や競争、罪悪感に囚われがないので、周囲の人達も安心して良好な関係が築けます。彼らは基本的に感情の乱れがなく、批判的な態度や他人をコントロールしようとすることもないので、一緒にいると快適です。また、中立の人達は自由を大切にするからこそ、彼らをコントロールすることも難しいのです。
参考文献:デヴィッド・R・ホーキンズ著『パワーか、フォースか 』(発売日:2018年6月15日)
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