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法曹難民『高学歴難民』

学歴はあるけれど、賞味期限が切れていて買い手がつかない?一時はエリートと呼ばれ、順風満帆な人生を歩んでいたかと思えば、30歳を過ぎてもまだ無職・・・。長年の努力は評価してもらえず、居場所を求めてさまようことになってしまった「高学歴難民」。

近年、高学歴ワーキングプアーが社会問題になっています。学歴社会は変化していても、学歴社会で育ってきた人々の中には、未だに根強い学歴信仰が残存しています。学歴は、子供時代を犠牲にしてまでも手に入れなければならないものなのでしょうか。

法曹難民

CAから検察官への転身を夢見て – 相澤真理(40代)

相澤さんの前職は、国際線のキャビンアテンダント(CA)です。就職が決まるなり、出身大学の広報誌や地元メディアから取材を受けるようになり、人もうらやむ順風満帆な人生を歩み出していました。

小さい頃から学校の成績は良く、運動会や学芸会でも活躍し、成績表にはいつも5が並んでいて、両親や先生から何時も褒められてばかりいる「いい子」でした。

入社後、相澤さんは誰よりも早く出社し、掃除をしたり、仕事を早く覚えたりするように努めていました。休日は語学教室に通い、ジムで体も鍛えていました。しかし、完璧に仕事をしようと努力する相澤さんは、飲み会やプライベートな話題ばかりに夢中な同僚たちとかみ合わず、孤立するようになります。口調がきつくてお客様からのクレームも多いと、社内で評価もされません。

入社後3年目を迎えても、職場では孤立したまま、CAの仕事にやりがいは見出せませんでした。この頃から鬱状態も始まっていて、精神科にも通院していました。遅かれ早かれ仕事は続けられなくなると思っていた時、目に入ったのが法科大学院の募集です。「これだ!」と思いました。

相澤さんは法学部出身者ではないので、法科大学院は未修者の3年コースを選択しました。1年間は予備校に通い、4年後に試験を受け、30歳で法曹デビューするという計画でした。第一志望東京大学。東大大学院を出て検察官になり、注目を集めて、職場の同僚たちを見返してやりたいと意気込んでいました。次の目標が定まったことで、鬱からも抜け出すことが出来たのです。

予備校生活は充実していたものの、入試の結果は散々で、結局引っかかったのは、卒業した大学より偏差値の低い大学の大学院でした。予備校の仲間たちも、有名な大学の大学院には合格できず、進学を断念する人もいました。

「もし司法試験に合格しなかったら、微妙な学歴だけが残るよな…。学費も高いし、烙印になったらと思うと躊躇する」

(都内の有名私立大学を卒業している男性)

ここがターニングポイントだったと思うと、相澤さんは振り返ります。彼が言った通り、学歴は相澤さんにとって烙印になりました。

順調に大学院3年間を過ごし、最初の司法試験の受験日を迎えました。大学院の成績は良かったのですが、不合格となります。30歳で天職という計画が狂い、途方にくれました。大学院の学費は奨学金制度を利用していましたが、予備校の費用や生活費は貯金から出していました。アルバイトなどできる余裕もなく、あと1年に全てをかけると決めます。

相澤さんは1年間、机と参考書だけが置いてある部屋で、1人で朝から晩まで勉強をつづけました。食べることだけが唯一の楽しみとなり、運動もしないので、それまで来ていた洋服は、全てはいらなくなりました。美容院にも行かず、化粧もしない。ほとんどパジャマで過ごし、買い物にもジャージで出かけることが習慣になっていきました。しかし、迎えた2回目の試験も不合格だったのです。

貯金もほとんど底をつき、これからどうしようかと途方に暮れていた時、父親から100万円の振り込みを受け、再チャレンジすることを決めます。

更に1年間、1人で朝から晩まで勉強をつづけました。体重はさらに増え、髪は白髪だらけで臨んだ試験。しかし結果は不合格。それでも、相澤さんは諦めませんでした。ここまできたら、とことん受けるしかないと。

しかしほとんどお金も底をつき、昔の同業者に今のみじめな姿を見られるのは嫌なので、アルバイトも出来ません。自殺も考えましたが、こんな惨めな姿のまま死ねないと、藁にもすがる思いで相澤さんの家によく来ていた新興宗教の人に電話をして支援を求めると、洋服や食べ物を差し入れてくれました。

信者の人達は、相澤さんに結婚を強く勧め、彼女にふさわしいだろうという白人男性を連れてきてくれました。その男性は小柄で小太りで、頭はすっかり禿げあがった方でしたが、デートしてみることにしました。

相澤さんの自宅に迎えに来てくれた彼は意外にも高級車に乗っていました。連れて行ってくれたお店も、高級料理店でした。彼は、外資系企業に勤めているエリートサラリーマンだったのです。日本のアニメが好きなオタクで、同僚と話が合わず、いつも一人だという彼に、相澤さんは共感しました。

2回目のデートで、早速彼にプロポーズされました。相澤さんが間もなく住むところを失うというと、一緒に暮らそうと言ってくれたのです。彼はアメリカに帰国しなければならず、一緒についてきてくれて、家事と育児に専念してくれる女性を求めていました。相澤さんは二つ返事でOKしました。

社会に適応できない相澤さんが生きていくには、家庭しか居場所がなかったのだと今は受け入れています。しかし、司法試験に挑戦してきたことに全く後悔はありません。今、とても幸せだと感じています。

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Photo by Trung Nguyen on Pexels.com

参考文献:阿部 恭子著『高学歴難民』(発売日:2023年10月19日)

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