私たちの「脳」と「お金に関する行動」は、実はとても深い関係にあります。すなわち、「お金持ちや成功者に共通する脳の使い方(金持ち脳)」と、「お金がなかなか貯まらない貧乏な人の脳の使い方(貧乏脳)」があります。金持ち脳は「お金がお金を生み出す」という思考で物事を考えることが出来る脳です。世の中の成功者たちは、ほぼ例外なく、この「金持ち脳」を持っています。
ところで、人はなぜお金を貯めようとするのでしょうか。何かを購入するという目的がなくても、定期預金や積立をする人は多いはずです。
実は、この貯蓄というのは、脳が人間の行動に影響を及ぼすことによって生まれる典型的な行動パターンの1つです。人が貯蓄をするという行動は、「未来に投資をする」という意味あいが強く、これは脳が「自分の未来は明るいものだ」と思っているからです。貯蓄というのは、脳が持つ楽観主義に基づく行動であると言えるのです。
その反面、人生の「不確実性」に対する備えという意味での貯蓄行動であるとも言えます。ある程度の蓄え(貯蓄)があると、人間は安心できるのです。そして、その安心をベースにして、積極的な行動もとれるようになってくるのです。
このように、貯蓄を始め、私たちが普段何気なく行っているお金に関する行動のほぼすべてを、脳が操っているのです。
金持ち脳と貧乏脳の決定的な違い
簡単に言うと、金持ち脳とはお金を増やすことを考えている脳であり、貧乏脳とはただお金を使うことだけしか考えていない脳です。
お金持の多くは最初からお金持ちだったわけではありません。お金持ちになった人は、自分の成長のための自己投資を怠らずに、10年、20年先を見据えて普通の人よりも必死で努力してきた人たちです。お金がお金を生み出す仕組みを知るために本を読みあさり、セミナーに参加し、人脈を作り、能力をアップさせ、自分磨きに邁進した人たちがお金持ちになっているのです。逆に、自分には特別な才能はないと最初からあきらめて、ただ単にお金を稼ぐために仕事をしている人というのは貧乏脳の典型的なパターンです。
金持ち脳と貧乏脳の特徴の決定的な違いは以下の通りです。
<金持ち脳の特徴> ・人間関係が幅広い ・自己投資にお金を惜しまない ・好奇心が旺盛である ・誰に対しても自分の知らないことを素直に質問できる ・人の話を聞いて即行動に移すことが出来る ・人の良い部分をすぐにまねすることが得意 ・偏見が少ない ・判断基準として、「まず何でもやってみる」という考え方を持っている ・夢や目標がはっきりしている ・朝型で健康に気を配り身体を大事にしている <貧乏脳の特徴> ・いざという時に頼れる友人・知人が少ない ・他人の意見や行動に流されやすい ・与えることよりも、もらうことばかり考えている ・常に受け身で被害妄想に駆られてしまう ・でも、だって、どうせが口癖 ・気が付くと愚痴をこぼしている ・嫌なことは常に先延ばししてしまう ・目先に利益だけをつい追いかけてしまう ・夢や目標を掲げるのが苦手 ・不健康で体のケアをあまり気にしない
金持ち脳は永久不滅の救世主
貧乏脳を金持ち脳に転換しない限り、仮に運良く投資や宝くじで大金を手にしたとしても、すぐにまた貧乏に逆戻りしてしまいます。逆に金持ち脳を持っていれば、仮に事業に失敗したりして一時的に貧乏になっても、すぐにお金持ちに戻ることが出来るのです。つまり、金持ち脳は永久不滅の救世主となって、幸せな人生を送るための心強い武器になりうるということです。
ビジネスにおいてもそうですが、安定していて今すぐ儲かるような仕事ばかり追いかけていれば、その視野や思考法がどんどんと狭くなり、将来のビジョンが見えなくなってきてしまいます。
金持ち脳を作るために最初に必要なのは、まずは10年後をイメージすることです。どのような自分になっていたいか、どのくらいのお金を稼ぎたいのか。出来るかできないかという基準ではなく、どのような10年後だったら自分は幸せか、どれくらい稼いでいれば自分としては成功か、ワクワクした気持ちで考えてみることです。
人間の脳は、快感や幸せをもたらすことで行動を強化する性質があります。ですので、絶対に叶えられるということを前提に考えていきましょう。
金持ち脳と貧乏脳のターニングポイント
お金持ちになる人の発想は、貧乏な人の発想とは全く異なっていると言えます。
多くのビジネスパーソンは、何らかの形で会社などの組織に入って働くことになります。そして、ほどんどの人は数年で、社会人になりたての頃の野心的な意識を徐々に忘れ去り、従順なサラリーマンに変貌していってしまいます。
「自分はこれで満足だ」、あるいは「普通が一番」などといった発想でお金が欲しいと思っていても、これではいつまでたっても貧乏脳のままでお金持ちにはなれません。それを打ち破るために必要な思考や発想を持てるか、行動に結びつけられるかということが、今後の自分の幸せを大きく左右すると言っても過言ではありません。
サラリーマン生活が徐々に心地よくなるという麻酔のような感覚に眠ってしまうのか、それとも、これまでの経験と価値観をもって、新たなチャレンジを考えることが出来るかが、お金持ちになるための最初のターニングポイントであると言えます。
それには出世レースに参加する、あるいは起業する等が考えられますが、もちろんこのようなチャレンジにはリスクが伴います。
しっかりとビジネスの仕組を理解し、世間的な評価や動向などを客観的に考えることが出来るのはもちろん、自分に降りかかってくるリスクをしっかりと回避しながら、どのような活動をしていけば収益が見込めるのかということについて、自分なりに答えが出せるという、金持ち脳を持った人がビジネスの世界で成功していくのです。
脳がつくりたがる安全基地とは
人は「確実性」という名の安全基地をつくりたがります。ただし、「貯蓄=お金」というものが脳の確実性、つまり安全基地を支配しているわけではありません。
お金は脳の安全基地の一部分でしかありません。やはり人間関係におけるネットワーク、信頼、そして自分のスキル、知識、経験、そういうものが総合的に脳の安全基地となって確実性が生まれ、その分、不確実性を積み増すことが出来る人が、世の中の一流と呼ばれる人やお金持ちに共通する特徴なのです。
確実なことや不確実なことの内容は人によって違いますが、全ての人にある確実性と不確実性にそれほど大きな差はありません。
重要なのは、たくさんのお金を手に入れてきた人は、確実なことや不確実なことをうまく生かしながら人間関係やスキルを構築してきた人であり、お金があまりない人は、知識や経験、その人にしか持っていないノウハウやビジョンというものを、まだ生かしきれていないだけだということです。
それが出来るようになれば、どんな人にもお金は自然と集まってくるのです。
参考文献:茂木 健一郎著『一生お金に困らない脳の使い方』(発売日:2023年12月19日)
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