韓国統計庁の「出入国・外国人政策統計年報」によると、日本国籍の結婚移民者は、2006年の6,546人から増減しつつ2010年からは毎年増加。2021年には15,074人と、ベトナム、中国に次いで3番目に多い水準となっています。
「韓国人男性×外国籍女性」の組み合わせで見ると、日本国籍者はベトナム、中国、タイ、アメリカに次ぐ5位。一方「韓国人女性×外国籍男性」の組み合わせで見ると、日本国籍者は2016年を境に激減、近年は上位にランクインせず、「その他」にカテゴライズされています。日韓カップルにおいては圧倒的に「韓国人男性×日本人女性」の組み合わせが多いことがうかがえます。
韓国に結婚移住する日本人女性はこれまでもいましたが、昨今ではその動機が大きく変わり、韓国人男性自体に憧れを持つ女性が増えているように思えます。その背景に、韓流ブームによって作り上げられたイメージが大きく影響しているのは言うまでもありません。
韓国人男性の魅力とは
彼女たちの中にある韓国人男性像は、フィジカルとメンタルにおける男性的魅力に集約されます。「背が高く筋肉質で、女性を甘えさせてくれる声掛けが出来る」「高身長で色白で美意識が高い」「思ったことを素直に言ってくれるし、リードしてくれる」「紳士的で、尽くしてくれる」等です。
韓国人は兵役もあって、普通の人の体格が満遍なくいいし、中身も鍛えられているのでちょうどいい。また韓国人男性の平均身長は172.5㎝で、日本人男性の170.8㎝より高い。それほど大きな差はないように思えるかもしれませんが、1996年生まれの男性の平均身長は、日本人が170.8㎝であるのに対し、韓国人は174.9㎝だと言います。特に若い世代で日韓の体格差が出ているのです。
韓国家族との難しい関係
2019年に韓国に結婚移住したGさんは、2年の遠距離恋愛を経て韓国人男性と婚約に至りました。結婚生活は前途洋々に思われましたが、出産を機に夫の実家からの干渉が徐々に増え、指図してくるようになりました。「舅子との関係に悩む日本人妻は多いと思います。やはり儒教の影響は大きくて、大抵の夫は親の味方をするんです」
19歳の頃から十数人以上の韓国人男性と交際してきたHさんは、「後にも先にも、韓国人以外と付き合うことはあり得ない」と断言します。しかし、たくさんの「サンプル」を収集する中で得た実証は、心身共に暴力をふるってくる男性が多いことです。「女性に意地悪なことを言ったり、小突いたり殴ったりすることが愛情表現だと思っている節があるんです」
靴紐まで結んでくれる男性も
しかし実際、韓国人男性に独特の「魅力」があることは確かなようです。
日本人男性との違いは、「とにかく尽くしてくれる点」です。「もちろん日本人男性にも優しい人はいましたが、さすがに靴紐まで結んでくれる人は夫が初めてでした。遠距離をしていた2年間、毎日欠かさず電話をしてくれたことで、更に信頼が深まりましたね」
韓国国内の深刻な男女対立
韓国の男女の感情的対立は修復不可能な領域にまで及んでいます。建国以来、長きにわたり家父長制や男性中心社会に基づく性差別が根をはり、社会運動でもインターネット上でも、激しい対立が繰り広げられてきました。
その反動として、今若い女性たちの間で「4B4T運動(4B=非恋愛、非結婚、非SEX、非出産、4T=脱アイドル、脱オタク、脱宗教、脱コルセット」が広がっているほか、各地で非婚主義女性団体が発足しています。
2019年の『中央日報』によると、20代女性の半分が「脱恋愛」傾向にあります。フェミニズムが台頭し、女性の社会進出が促進される一方で、恋愛観においてはいまだ「良妻賢母であれ」「清純であれ」といった旧態依然とした価値観がまかり通っていることに矛盾を覚えるというのが主な理由です。
一方で、脱恋愛をしたいと答えた男性は8%です。20代男性はアンチフェミニストの比率が最も高い年代でもあります。彼らは、自分達こそが差別の被害者であり弱者であると認識しています。男性が徴兵される18か月間に女性は労働市場で有利なポジションを得られるのは不当だとして、女性に対しても徴兵を要求するなど過激な主張をすることで知られていますが、その置かれた苦境を考えると無理もありません。韓国の2023年第1四半期の青年失業率は6.7%で、2022年第3,4四半期よりも悪化しています。
「持たざる者」であるにもかかわらず、依然として男性に経済力を求める風潮にさらされる彼らにとって、フェミニズムは逆差別を助長する思考に他ならないのです。
参考文献:山田 昌弘著『「今どきの若者」のリアル』(発売日:2023年11月16日)
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