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毛沢東時代の困窮とその反動『中国不動産バブル』

鄧小平によって1978年に改革・開放へ舵を切られるまで、中国には資本家も地主もいませんでした。30年近く続いた毛沢東時代では、共産党高級幹部以外、大半の中国人が貧しい生活を送っていました。

毛沢東時代

毛沢東(政権:1949年~1976年)は、一国の経済力の象徴が工業生産高であると信奉していました。特に、鉄鋼などの重厚長大な産業の発展は、経済発展を表す重要な指標であると思われていました。英米などの先進国に追いつき追い越すため、毛沢東が考えたのは、農業をもって工業の発展を支援することでした。つまり農民を農村に固定させ、相対的に生活レベルの高い都市部へ出てこられないように戸籍管理制度を導入したのです。毛沢東は、工業を発展させるために、農民を搾取しました。

例えば、穀物などの農産物の買い付け価格を低く抑え、それをもって都市部で工業に従事する住民の生活を保障する。結果的に農民の生活レベルは下がり、想像以上の苦しみを生むことになりました。生活に困った農民が都市部に仕事を求めようとしても、戸籍管理制度のために農民は都市部に移動することも出来ませんでした。

毛沢東の最大の過ちは、工業のキャッチアップを急ぐあまり、農業生産を粗末にしたことです。特に1958年、毛沢東は鉄鋼生産量を増やすため、「大躍進」運動という史上最大の茶番劇をプロデュースしました。全国民は家にある鉄製の道具などを持ち寄り、それを溶かして、鉄鋼生産量としてカウントしました。農家も農作業を止めて、鉄鋼産業に従事しました。その結果、その後の3年間、農作物は不作になり、数千万人が餓死したのです。政府共産党はこの史実を隠蔽するために、大飢饉の原因を「自然災害」だとしました。しかし、当時大規模な洪水や干ばつは起きていません。大飢饉は毛沢東による人災でした。

問題は、毛沢東の悪性の責任が、その後も徹底的に追及されなかったことです。3年間の大飢饉の責任を逃れるために、毛沢東は1966年から文化大革命を発動しました。経済は破綻状態にあり、都市部に住む大量の若者は就職先がなく、途方に暮れていました。このままいったら、毛沢東に対する批判が噴出しかねない。そこで毛沢東は若者に「造反有理」を呼びかけ、学校の先生などの知識人を迫害するように煽りました。無知な若者たちは知識人を手当たり次第に迫害し、学校の校長や先生などが多数殺害されました。しかし、文化大革命が終わった後も、犯人たちの罪は追求されていません。

経済建設は日に日に停滞し、人々の生活も益々困窮していきました。そんな中、毛沢東は1976年に病死します。1978年に改革・開放へ舵を切られるまで、毛沢東時代の30年近く、住宅の建設はほとんど行われませんでした。特に都市部の住民の住宅事情は想像を絶するほど悪化していました。上海のような商業都市でも、1人あたりの平均居住面積は3㎡程度だったと言われています。

中国人は少しでも広い家に住みたいと夢見ました。その反動から今、中国で不動産神話が沸き起こったのです。これから求められるのは不動産開発の加速ではなく、住居の格差を平準化させ、持続可能な生活様式を実現することです。

住宅が公共財から商品へと変化した

改革・解放前の毛沢東時代の中国では、住宅は商品ではありませんでした。土地は国が所有するもので、いかなる個人と企業もそれを開発して売買することが禁止されていました。住宅は国営企業などが福利厚生の一環として、労働者に分配することになっていました。しかも当時は、鉄鋼生産などの重厚業大産業の発展が国策だったため、新規の住宅がほとんど建設されませんでした。毛沢東は英米に追いつくために、人口を増やす必要があると考え、1950年代には出産を奨励しました。その結果、中国でベビーブームが起きて人口が増えましたが、住宅などの都市インフラの整備が遅れたため、住宅不足が急激に深刻化しました。

近年住宅開発が急速に進んだのは、住宅が福利厚生の公共財でなくなり、商品化したからです。ディベロッパーが住宅を開発して商品として売り出し、売上をもってさらに新しい住宅を開発するという循環は、不動産ブームを作り上げました。その上に、投資や投機が積み重なって、不動産バブルが起きました。

マイホームはステータスシンボル

こうして不動産ブームは不動産バブルへと変化しました。バブルに拍車をかけたのは、若者を中心に形成された「マイホームを持つことはステータスシンボルになる」という価値観です。中国ではお見合いをする前に、女性側は必ず男性側にマイホームを持っているかどうかを確認します。

従って、バブルで不動産が値上がりしても、人々は経済的に無理をしてでも購入しようとします。住居としての実需に、不動産投資も加わり、需要が大きく膨らんでいったのです。中国は格差の大きい社会で、しかも貯蓄率が高い。富裕層は資産運用のリターンを求めて不動産に投資をするので、マイホーム以外に投資の物件を複数持っていることが多い。

住宅を資源と見做して、それを平準化していけば、バブルは起きにくいし社会も安定すると思われます。しかし中国では、固定資産税はいまだに導入されておらず、不動産所有のコストがあまりにも安いため、金持ちはより多くの不動産を所有することになるのです。


参考文献:柯 隆著『中国不動産バブル』(発売日:2024年4月19日)

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