医療にまつわる恐ろしい話
中国ではいまだに、誰でも知っている大病院に勤務している医者が、堂々と高額な治療費を巻き上げようとすることがあります。また、中国製ワクチンを接種した人の中に、肺にポリープが出来て手術した人もかなりいるそうです。
以前と比べて、健康である程度のお金があれば、中国はとても便利な社会になりました。デジタル化も進んでおり、日本より活気もチャンスもあります。しかし、水面下ではよく分からないことが起きていて、このまま中国に住んでいると、じわじわと命が蝕まれるかもしれないと感じます。
強まる政府の情報統制
現地では、「習近平」と呼び捨てするだけで警官に注意されたとか、SNSで政府に目をつけられている人の事について誰かと情報交換したら、それだけでアカウントが3日間停止されたそうです。外国の政治的な歌も、中国国内で聴くことは出来ません。政府に、削除されてしまうのです。
中国国内の銀行で大金を下ろそうとすると、「今すぐは準備できないので、少し待ってください」と言われます。その間にその人を調べて目を付けられます。最近では、大きなお金は動かしづらくなっているのです。
お金はあっても幸せではない
ある在日中国人女性が、2022年、20代のある中国人富裕層夫婦の日本観光のアテンドをした時の話です。
「お金持ちの子供同士の結婚で、24歳と25歳でした。最近、中国の都市部やアメリカに住む中国人の間で、こういうカップルが増えています。以前のような『玉の輿』は、もうあり得ません。お金がある人は、そうでない人のことを見向きもしない。
(在日中国人アテンダント)
彼らは不動産でも、宝石でも、自動車でも、欲しいものは何でも手に入れられるのですが、私は数日間一緒にいて、ふと『彼らは本当に幸せなのだろうか?』という疑問を持ちました。いつも最高級のものに囲まれていて、それが当たり前。幸福を感じるハードルがとても高く、基準もお金しかない。少しの事では幸せを全く感じなくなっているのです。日本にいる間に訪れたUSJは、当然VIPチケットだし、レストランもミシュランの星つきなど、高級店ばかり。それでいて、安い公園で入場料がかかると分かると、入るのをやめたりするので、笑ってしまいました。お金持ってそういうものなのかもしれませんが、新婚の夫婦なのに、本当に幸せそうには見えなかったのが残念でした。」
中国の現在地
2020年5月に開催された全人代後の記者会見で、当時の李克強首相が「中国は人口が多い発展途上国であり、中国国民1人当たりの平均年収は3万元(当時のレートで約45.5万円)。月収1,000元(約1.5万円)の人が6億人いる」と語りました。
その後、専門家の分析等により、李克強首相が語った内容はややオーバーで、データとの乖離があることが分かりました。それでも、2019年、中国の1人当たりのGDPが初めて1万ドル(当時のレートで約108万円)を超え、ようやく中所得国の水準に達したばかりであることは確かです。
2022年2月、江蘇省の農村の小屋で、精神障害の疑いがある女性が首に鎖をつながれた状態で発見され、その女性が8人の子供を出産していたことが判明した事件が、中国で話題になりました。中国では児童の誘拐、人身売買もまだあります。中国がいくら経済大国になり、アメリカのGDPに近づいても、国民1人ひとりが幸せになれたのか、というと疑問です。
日本は漢方薬のようなもの
かつての「仰ぎ見る存在」だった日本とはかなり変容しているとしても、「日本はアジアで唯一の先進国」と言う中国人は多い。
日本のパスポートはいまだに世界最強です。それは、私たち国民が長年かけて培ってきた信頼の証でもあります。日本は、経済の低迷が続いていて、給料も上がらず、国家としての存在感は薄くなっていきますが、「日本人の素質(民度、マナー、素養)の高さ」は彼らにとって憧れであり、驚きであり、なかなか真似できないものと思われています。
特に彼らが感じているのは、日本人のいざという時の強さです。普段感じることはありませんが、有事の際の日本人の我慢強さ、団結力、他人に迷惑をかけない気づかいは、中国でしばしば語られます。優秀な中国人であればあるほど、「日本人は私たちの先生」と言います。
「日本の良さは、1~2回旅行で訪れただけでは分かりにくいのです。中国のような派手な高層ビルはないし、日本人は自己アピールをあまりしないので。私はいつも中国の友人に日本の良さをこう説明しているんです。日本は漢方薬みたいなもの。1回で効果はないけれど、じわじわ効いてきて、やがてその虜になるのです。」
参考文献:中島 恵著『中国人が日本を買う理由』(発売日:2023年5月9日)
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