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二次的思考、市場の効率性、バリュー投資について

平均的なリターンを得ることは、誰でも達成できます。株式インデックス投資信託を毎月コツコツ購入していくという昔から良く用いられている王道の手法を使えば良いからです。(こちらを参考にしてください)

しかしその上のリターンを目指すこと、市場に勝つことを考えると、途端にそう簡単にはいかなくなります。投資は「科学」であるのと少なくとも同程度に「アート」のような側面があるからです。様々なことに考えをめぐらす必要があります。

ウォーレン・バフェット氏も絶賛している、ハワード・マークス著『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識 (日本経済新聞出版)』より、投資で一番大切なことの一部、今回は3点のみご紹介します。

二次的思考をめぐらす

一次的思考とは、「いい会社だから買おう。」という思考であり、皆が考えつくような単純で浅い思考です。これに対して二次的思考とは、「いい会社である。でも今は過大評価されていて割高だらから、売ろう。」という思考であり、皆が考えつかないような多面的で奥が深い思考です。二次的思考のためには、非常に多くの知識や大きな視点、鋭敏な思考が必要です。

二次的思考では以下のようなことを考えます。

  • 今後どのような出来事が起こるか
  • その予測が当たる確率がどの程度あるか
  • コンセンサス予想はどうで、自分とどう違うのか
  • 現在価値はコンセンサスか自分の見通しに合うか
  • コンセンサスあるいは自己予想が的中したらいくらになるのか・・・等々
orange cube
Photo by Magda Ehlers on Pexels.com

市場の効率性とその限界を理解する

1960年代以降、「シカゴ学派」として知られる新たな金融・投資理論が台頭しました。様々な理論が打ち出されましたが、中でも重要なのが「効率的市場仮説」です。

  • 市場には多くの参加者がいて、彼らはあらゆる情報をおおむね同程度入手することが出来る
  • 彼らは知的で客観的な目線を持っており意欲的であり、努力を惜しまない人たちなので、株価が安すぎたり高すぎたりといった歪が生じた場合、公正な売買をする
  • その結果、株価は妥当とみられる価格に落ち着く

これらを前提としているのが、「効率的市場仮説」です。

しかし現実的には、「効率的市場仮説」 が前提としているような行動を、市場参加者が常にとるとは限りません。つまり、市場参加者は非合理的な行動もしますし、あらゆる情報を入手していない参加者もいるでしょうし、常に客観的に行動出来るとは限らない等のため、「効率的市場仮説」が前提としていることが、常に正しいとは言えません。

そのため市場においては、ミスプライシングが起こることはあります。その「ミスプライシング」が起きた時に、それに気づいて即時投資できるというのが、先に述べた「二次的思考」によるということです。

A:「この銘柄(今500円と評価されている)は、本当は1,000円なのでは?」
B:「そんなはずはない。もしそうであるなら、とっくに1,000円になっているはずだ」
という会話があったとしましょう。そしてその後その銘柄が1,000円になったとしましょう。Bの考え方は 「効率的市場仮説」 です。Aが、「二次的思考」によって、市場のミスプライシングに気づいた人です。

市場ではしばしばミスプライシングが起こるのに、アウトパフォームする投資家が少ないことについて、 ハワード・マークス氏は以下のように述べています。

「より効率的な市場はしばしば資産の価値を見誤るが、他の参加者と同じ情報を基に動き、同じように心理的な影響を受ける個人が、コンセンサスとは異なる、そして、より正確な見方を持ち続けるのは容易なことではない。だからこそ、市場がいつも正しいわけではないにもかかわらず、主流の市場でアウトパフォームするのは極めて難しいのである」

(ハワード・マークス )

バリュー投資を行う

物には、その物が持つ本質的価値と、その時その時の需給バランス等によって変わる価格という2つの価値指標があります。

なお需給バランスとは、需要と供給のバランスです。需要>供給であれば価格は上がり、需要<供給であれば価格は下がるという理論です。欲しい人(需要)が多ければ多いほど価格は高くなる、イメージでもわかると思います。

これが物の価格を決める際の鉄則なのですが、投資の世界はこれとは異なります。

投資の価格は、価格が上がれば嬉しい、価格が下がれば不安になるという、普通の物の価格とは異なる特徴があります。人間は感情の生き物なので、こういった価格の上下で間違った行動をしてしまうことが多くあります。間違った行動をしないためには、正しい分析と、それに基づく強い意志が必要になります。特に価格が下がった時に、これは絶対に大丈夫なんだという強い意志を持っているかどうかで、パフォーマンスは変わります。

そのためには、本質的価値がいくらなのかを見極め、それに対して今の株価はどうなのかを考える必要があります。株価が本質的価値を下回っている時に買う手法が、バリュー投資です。

投資にはバリュー投資以外にも以下の通り様々な手法があります。

先ほどのバリュー投資は、ファンダメンタルズ分析に基づいて行われる手法です。ファンダメンタルズ分析とは、簡単に言うと本質的価値がいくらなのかを分析する方法です。ファンダメンタルズ分析には、バリュー投資以外に、グロース投資があります。

これに対する手法が、テクニカル分析といって、移動平均線、株価チャートなど、株価データの「型」を根拠として株価が上がるのか下がるのかを分析する手法です。そしてそのテクニカル分析の一つに、モメンタム投資というものがあります。(分類イメージは下図の通り)

本書では主に、ファンダメンタルズ分析に基づいて投資をすること、さらにはその中でもバリュー投資が勧められています。

グロース投資は、本質的価値それ自体の将来の成長を想定して買う投資手法であり、バリュー投資とは今現在の価格が本質的価値に比べて安いので、本来の価値に収斂すれば利益が出ると考えて買う投資手法です。

要するに本書の主張は、将来の成長性は不確定事項であるのに対し、現時点で本質的価値を下回る価格になっているのであれば、それが最も信頼性の高い、確実性の高い投資方法であるから、バリュー投資がお勧めだということです。

これについて、本書の著者であるハワード・マークス氏が得意としていたのはジャンク債、不良債権への投資でしたので、バリュー投資がお勧めとの主張になるのだと思いますが、投資の神様と言われているウォーレン・バフェット氏は、 バリュー投資とグロース投資の両方を組み合わせた投資をされています。

なお、ファンダメンタルズ分析の基礎としている「本質的価値」の測り方なのですが、本書にも世の中にも、唯一絶対的な答えというものは残念ながら存在しません。

ただし、色々な計算手法はあります。本質的価値の計算方法として、例えば以下のようなDCF法があります。将来にわたって生み出すされる収益(キャッシュフロー)を現在価値に割り引いて企業価値を評価する手法で、以下の図のように計算をします。

この計算式の意味、理論的には理解できても変数が多くて計算するのは難しいですよね。なお割引率rは金利を参照するので、金利上昇局面は、理論的にはDCF法による本質的価値は下がります。

また、バリュー投資には以下の弱点があります。

1.上述の通り本源的価値をそもそも計算するのが難しいということ、
2.不合理な状態がずっと続く可能性があるということ、があげられます。

1.は先ほど言及した通りです。2.については、 バリュー投資は、価格は本来の価値に収斂していくことを前提としている点、貴方がその株式を保有している期間ずっと収斂しない可能性もあるということです。これについて、ケインズは以下のような言葉を残しています。

「あなたが支払い能力を維持できる期間よりも長く市場は非合理であり続けられる」

(ケインズ)

本書の詳細は 『 投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識 (日本経済新聞出版) 』 をご参照ください。

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