「熟練した者たちは目立たなく、また、愚か者のようにさえ見えます。このことを理解している者たちは、神の業を知っています。神の業を知ると、微妙なパワーを知ることになります。その名付けようもない微妙なパワーが万物を動かしているのです。」
(by デヴィッド・R・ホーキンズ)
下図、意識のマップは、デヴィッド・R・ホーキンズ博士により作成された、人間意識のエネルギーフィールドの指数表です。
意識のマップにおける重大な臨界点は、レベル200で測定されます。レベル200とは、「勇気」に関係するレベルです。そのレベル以下の全ての心的態度や思考、気持ち、関係する事柄、会社についての測定や歴史上の人物の測定は、人に弱い反応を与えます。反対に心的態度や思考、気持ち、関係する事柄、会社、あるいは歴史上の人物の測定が200以上であれば、人に強い反応を与えます。つまりレベル200は、ネガティブとポジティブな影響のバランスポイントといえます。
「絶望」と「憂鬱」はパワーに欠けていて、マップの一番下のゾーンに属していますが、それらを含む200以下のレベルでは、自分が生き残るためだけに自分のパワーが使われています。それよりは高いレベルに位置している「恐怖」と「怒り」も、自分が生き残るために生じる衝動として、特徴づけられるものです。プライドのレベルにおける生存への動機は、他者の生存に対する理解へと広がるでしょう。
ネガティブなレベルから「勇気」の影響を受けるポジティブへの臨界点を超えると、他者に対して良き人間であることが重要となります。500レベルにおいては、他人の幸福が不可欠な原動力となって現れます。500レベルの高い位置では、自分自身と他の人間のスピリチュアルな目覚めに関心を持つことが特徴です。600では人類のためになることや、エンライトメント(悟り)が第一目標となります。700~1000は全ての人類の救済に人生を捧げます。
意識のマップを熟考する
意識のマップを熟考することによって、人生には様々な種類の表現があり、また、それらを実際に感じ取って、深く共感することが出来ます。もし、私たちが一般的に道徳的ではないとされている感情的な態度を検討してみれば、本質的には善でも悪でもないことが分かります。なぜなら人によってモラルは異なるからです。
例えば、「深い悲しみ」にいる人は、75という低いエネルギーレベルであり、その人にとって150の「怒り」に上がることははるかに良いことが分かります。しかし、「怒り」そのものは破壊的な感情であり、まだ意識の低い位置にあります。一方で、「無条件の愛」という意識が習慣となっている人は、逆にそれ以下のものを受け入れられないことを経験するでしょう、個人の意識の進化が進むにつれて、そのプロセス自体を永続させて修正し始めるので、自己改善自体がその人の生き方になります。
このマップによって起きる「意識」の認識的な効果は、実践的にスポーツに応用できたり、医学や精神医学、心理学、人間関係にも応用できます。また、一般的な幸福の追求を理解することは、非常に大きい意味があります。
例えば、意識のマップを熟考することで、人間の因果関係に対する理解を変えることが出来ます。意識のレベルとともに、知覚そのものが進化するにつれて、常識的には「原因」だと思っていたものが、実は「結果」に属していることも明らかになります。
自分自身の知覚によって生じた結果に対して責任を取るにつれ、「自分を打ち負かすものは外の世界には何もない」という理解が生まれ、他者に責任をなすりつける精神を超越できます。人生で起こる出来事に対して、自分がどう反応し、どういう態度をとるかによって、それらの出来事が人生にポジティブな影響を及ぼすか、それともネガティブな影響を与えるのかを決定します。その経験は、チャンスにもなれば、ストレスにもなるのです。例えば、離婚にしても、求めていなければそれはトラウマとなり、求めていれば自由へと解放されることにつながります。
さらに、意識のマップは私たちの歴史の進行にも新たな光を投げかけます。最も重要な学びは「フォース」と「パワー」を見分けることです。例えば、インドのイギリス植民地時代の終わりなど、歴史的な出来事を学ぶことが出来ます。利己主義的で利益本位だった当時の大英帝国のレベルを測定すると、200以下であることが分かります。一方で、マハトマ・ガンジーの動機を測定すると、700という普通の人間のレベルの中では非常にトップに近い数値が出ます。ガンジーが苦行に打ち勝ったのは、彼がはるかに偉大なパワーの位置にいたからです。大英帝国はフォース(175と測定)を表していました。どんな場合でも、パワーがフォースに出会えば、いずれは打ち勝ってしまうのです。
この意識のマップを熟考すると、それらの表現が意味することに共感が生まれ、「至福」の境地に至る道がさらに短くなります。至福の境地に至る秘訣は、自分自身も含めて、生きとし生けるものすべてに対する無条件の優しさです。これを慈悲心(思いやり)と呼びます。どんなに努力しても、思いやりがなければ有意義なことは何も達成できません。
参考文献:デヴィッド・R・ホーキンズ著『パワーか、フォースか 』(発売日:2018年6月15日)
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