2024年1月、新NISAがスタートします。簡単に言うと、「投資で儲けても、国は税金を取りません」という制度です。現在もNISA制度はありますが、2024年から「どこまでの金額なら、儲けても税金を取らないか」という範囲が大きく広がることになります。
新NISAのルール7つとメリットベスト5を、改めて確認していきましょう。
新NISAの7つのルール
ルール① 「1,800万円までお金が入るハコ」が全員もらえる
もらえるハコは全員平等、必ず1人1個。あなたが生きている限り、壊れることはありません。この箱は使っても使わなくてもOKですが、誰かに売ったりあげたりすることは出来ません。子供は18歳になった時点でもらえます。そしてこの箱には、1,800万円までの株・投資信託を入れることが出来ます。
ルール② ハコの中で増えたお金には税金がかからない
あなたのハコには1,800万円までの株・投資信託を入れられます。ハコに株・投資信託をいれると、ハコの中でお金が増えても、税金がかかりません。
株を買うと次の2種類のリターンが得られますが、これらに税金がかかりません。
1.株の値上がり益 100万円で買った株を120万円で売ると、20万円の儲けが出ますが、これに対して約20%の税金がかかります。つまり約4万円(=20万円×約20%)税金として持っていかれます。この儲けに対して税金を取られないようにするのが、新NISAのハコ。このハコに最初から株を入れておくと、いくら儲かっても税金は取られません。 2.配当金 例えば、2022年のトヨタの配当利回り(リターン)は約3%なので、トヨタに100万円投資すると毎年3万円程の配当金がもらえます。この配当金に対してもかかる税率は約20%。つまり約6千円(=3万円×約20%)が税金として引かれることになります。これを新NISAのハコに入れておくと、配当金に対しても永久に税金はかかりません。10年持ち続けるとすれば、約6万円(=約6千円×10年)にもなります。
ルール③ ハコの上限1,800万円は「入ったお金」でカウント
例えば100万円の株を買い、新NISAのハコに入れた場合、ハコの上限は1,800万円なので、あなたがNISAに入れられる金額は、あと1,700万円です。
たとえ、その株の株価が120万円になり、配当金3万円を受け取ったとしても、あなたが入れたお金が100万円なので、あと箱に入れられる金額は1,700万円のままです。
ルール④ ハコの中身は出し入れ自由
例えば100万円を新NISAのハコに入れると、残りは1,700万円になります。そのハコから50万円を取り出すと、箱の中身は50万円になります。すると、1,750万円(=1,800万円-50万円)まで、新たにお金を入れることが出来るようになります。
ルール⑤ ハコに入れられるお金は年間360万円
新NISAのハコには総額1,800万円まで入れられますが、1年間では360万円までしか入れられません。また、その内訳は「つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円」です。
つみたて投資枠: ずーっと持っておくのにベストな資産。長期投資に適するもので、あなたの資産を守るために分散投資が出来る商品のことです。比較的、リスクもリターンも低い商品です。(つみたて投資枠対象商品はこちら) 成長投資枠: 多少のリスクは覚悟しても、もっと積極的に資産を増やしていきたい!そのような「攻めの投資」に使えるのが、成長投資枠です。成長投資枠で買える商品とは、一般的な株(上場株式)、一般的な投資信託(上場投資信託)です。比較的、リスクもリターンも高い商品です。
ルール⑥ 上限1,800万円のうち「成長投資枠」は1,200万円まで
新NISAのハコは、1,800万円までお金を入れることが出来ます。しかしそのうち、「成長投資枠」に入れられるのは、1,200万円までです。成長投資枠では、やろうと思えばハイリスクな投資も可能ですが、国民がハイリスク投資で大きなダメージを受けないように、「成長投資枠」に上限を設けたものと思われます。一方で、比較的ローリスクな「つみたて投資枠」には、上限はありません。
つまり、なるべくリスクを抑えたい人は、1,800万円全額を「つみたて投資枠」として使うのが良く、リスクを取ってでも大きく資産を増やしたい人は、1,200万円を成長投資枠として使い、残り600万円分をつみたて投資枠として使うのが良いでしょう。
ルール⑦ 今までの「NISA」とは別のハコとして扱う
2023年まで、NISA制度は3つに分かれていました。①つみたてNISA、②一般NISA、③ジュニアNISAです。この3つの制度を使って投資できるのは、2023年末まで。2024年以降、3つの旧NISA制度には、新たにお金を入れることが出来なくなります。
そして、これまで「3つの旧NISA制度」でいくら投資していようが、「新NISA制度で投資できるのは1,800万円まで」というルールは変わりません。つまり、「2023年までの3つの旧NISA制度」と、「2024年からの新NISA制度」は、全く別のハコとして区分されます。
新NISAのメリットベスト5
第1位 非課税保有期間が無期限に!
2023年までの一般NISAでは、非課税となる期間は5年間でした。例えば一般NISAで100万円投資し、5年後に120万円になったとします。この値上がり分20万円には税金がかかりません。しかし更に5年後、株価が150万円まで値上がりすると、後半5年間の値上がり分30万円に対して税金がかかるような制度でした。
一方、2024年から始まる新NISA制度では、株や投資信託を何十年持っても永久に税金はかかりません。例えばあなたが30歳時点で100万円分の株を買い、60歳の時点で1,000万円まで上がったとすると、この値上がり分900万円に対し、全く税金がかかりません。
どれだけ株・投資信託を持っていても永久に非課税。これが、新NISA制度を使う最大のメリットです。
第2位 投資枠が大幅拡大
2023年までの旧NISA制度では、①つみたてNISA(40万円/年、総額800万円)、②一般NISA(120万円/年、総額600万円)、③ジュニアNISA(80万円/年、総額400万円)でした。
一方、新NISA制度では、この投資枠が「360万円/年(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)」、「総額で1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)」と大幅に拡大されました。
第3位 枠の再利用が出来る!
これまでのNISA制度では、枠は1度使えばそこで終わりでした。
例えば2023年2月に、あなたが一般NISAを使い、株を100万円買ったとします。それが2023年3月に150万円まで上がったので利益確定のために全部売却しても枠は20万円(=120万円-100万円)のまま復活しません。つまり、120万円の枠のうち100万円分の枠を1度消費したので、その後株を売った場合でも、残りは20万円とカウントされます。
一方、新NISA制度では、枠の再利用が可能です。例えば、新NISAのハコの中に既に1700万円(購入価格)の株が入っている時に700万円分売ると、ハコの中身は1,000万円になります。すると、売却した700万円分の枠が復活します。つまり、ここからまた800万円(=1,800万円-1,000万円)分の株や投資信託を買うことが出来るのです。
第4位 年間の枠は使い切らなくてもOK!
旧制度のつみたてNISAでは、総額800万円を使い切るには、年間40万円×20年という答えが決まっていました。
一方、新NISAでは、総枠1,800万円を使い切るには「年間360万円×5年」、「年間180万円×10年」、「年間90万円×20年間」、「年間60万円×30年間」・・・と無数にあります。特に嬉しいのが、「1年目は100万円、2年目は20万円、3年目は50万円・・・」と変則的に投資しても、総枠1,800万円を目指せることです。
第5位 これまでのNISAとは別の扱い
上に記載した「ルール⑦ 今までの「NISA」とは別のハコとして扱う」のことです。
そのため、2023年の1年間旧NISA制度をフルに使ったうえで、2024年からの新NISA制度もガンガン使うのが、資産形成の動きとしては最善になります。
参考文献:浅見 陽輔著『新NISA』(発売日:2023年1月11日)
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