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階級社会の女たち『女性の階級』

『女性の階級』では、女性たちを以下の20の所属階級別に分類しています。ここでは、この20グループの女性たちについて、それぞれの特徴を詳しく見ていきます。

(出所:『女性の階級』)

1.資本家階級の女たち

資本家階級の女たちは、①資本家階級 – 資本家階級、②専業主婦 – 資本家階級の2グループです。

①資本家階級 – 資本家階級[中小企業のおかみさんたち]

彼女たちは、夫とともに企業を経営する女性達です。平均年齢は54.3歳、個人年収は296万円なので多くはありませんが、世帯年収は1,173万円で、全20グループの内2番目に多いです。しかし企業規模が小さく、生活満足度や階層帰属意識などにおいて、「②専業主婦 – 資本家階級」のグループに大きく後れを取っており、文字通りの特権階級とは言えません。彼女らの実態にふさわしいのは「中小企業のおかみさんたち」という表現でしょう。従業員数は5~9人が49.3%、10~29人が36.2%、30~99人が14.5%で、100人以上は1人もいません。

職業を持ち、高い生活水準を維持しながらも、伝統的な性役割意識を保持し、政治的にも保守的な女性達です。

②専業主婦 – 資本家階級[経営者の妻たち]

彼女たちは、企業経営に関わる夫を持つ専業主婦、つまり「経営者の妻たち」です。平均年齢は53.5歳、夫の個人年収が1,136万円と全グループの中でずば抜けて高く、世帯年収も1,226万円でやはり最高です。高等教育を受けた夫の比率は68.8%と高く、結婚後に企業内キャリアを通じて資本家階級に上昇した、サラリーマン型の夫がかなり含まれています。

経営者の夫を陰で支えながら、伝統的な性役割規範を疑わず、子どもに高いレベルの教育をうけさせることに腐心しながらも、典型的な専業主婦として豊かで満ち足りた生活を送る女性達です。

2.新中間階級の女たち

新中間階級の女たちは、6グループあります。

③新中間階級 – 新中間階級グループ[ダブル・インカムの女たちI]

彼女たちは、主に企業や自治体、学校などで働く専門職で、ホワイトカラーの夫を持つ女性達です。平均年齢は44.6歳、個人年収は359万円、世帯年収は997万円です。高等教育を受けた人の比率が高く、本人が64.4%、夫が72.5%です。職種は94.6%までが専門職で、残りは管理職、あるいは課長以上の役割を持つ事務職、サービス職等です。

家族構成を見ると、73.8%が未婚の子供と同居しており、子どもを持ったことのない人は15.1%に過ぎません。いわゆるDINKSは、意外に少ないのです。

④専業主婦 – 新中間階級グループ[専業主婦のコア・グループ]

彼女たちは、主に企業で働くホワイトカラーの夫を持つ専業主婦たちです。女性全体に占める比率は7.9%で高い。平均年齢は44.8歳、世帯年収は691万円ですが、夫の年収は資本家階級以外では最高の、646万円です。夫は高等教育を受けた比率が高いが、彼女たち高等教育を受けた人の比率は51.5%と、さほど高くありません。そういう意味では、学歴について「上昇婚」した人が多いと言って良いでしょう。

高学歴で高収入の夫を持ち、家事と子育て・子供の教育に専心しながら、「経営者の妻たち」ほどの豊かさはないとしても、幸福で平穏な生活を送る、「専業主婦」のイメージの中核に位置する女性たちといえます。

⑤パート主婦 – 新中間階級グループ[働く主婦・上層]

彼女たちは、主に企業で働く新中間階級の夫を持ち、自らは非正規のパート労働者として働いている女性達です。平均年齢は46.5歳、週の平均労働時間は25.0時間、個人年収は104万円です。夫の個人年収は631万円、世帯年収は772万円です。

夫の個人年収は人並みよりやや上ではあるものの、住宅ローンの返済や教育費などを補うためにパート勤めをし、仕事との折り合いをつけながら家事と子育てに勤しむ、平凡な主婦たちです。

⑥新中間階級 – 労働者階級グループ[階級横断家族の女たち]

彼女たちは、自分は主に企業や公館長などで専門職などとして働き、夫は主に企業でマニュアル職として働くという、異なる階級同士し、しかも自分が夫より上位に位置するカップルを形成した女性達です。平均年齢は42.1歳で、高等教育を受けた比率が、本人は42.2%、夫が29.0%と、本人が高くなっているという特徴があります。職種では本人の92.7%までが専門職、その他が課長以上の役職者、個人年収は本人が275万円、世帯年収は728万円です。

専門職としての能力やキャリアがありながらも、仕事に不満を持ち、また平均以上の世帯収入があるにもかかわらず、生活全般にもあまり満足を感じることが出来ずにいる女性達です。

⑦I 新中間階級・シングルグループ[<独身貴族>たち]

彼女たちは、新中間階級として働く、配偶者のいない女性達です。91.7%までが専門職ですが、管理職や課長以上の役職を持つ事務職や販売職なども8.3%おり、いわゆる独身キャリアウーマンを多く含んでいます。平均年齢は35.9歳、個人年収は357万円、高等教育を受けた人の比率は65.3%と、高い。

単身で女性としては収入が比較的高く、文化的活動や消費活動の上では「独身貴族」的で華やかな側面も見せますが、生活には必ずしも満足できないでいる女性達です。

⑦II 新中間階級・シングルマザーグループ[シングルマザー・上層]

彼女たちは、女性新中間階級として働く、無配偶で、未婚の子供と同居して子育てなどを行っている女性達です。平均年齢は44.5歳、専門職が96.4%で圧倒的多数を占めており、個人年収は373万円で全グループの中で最も多い。世帯年収は473万円で少ないものの、シングルマザーの3つのグループの中で最も多い。

専門職に就く新中間階級であることから、他のシングルマザーに比べれば貧困リスクは低いと言えますが、多くの悩みや不満、健康上の問題などを抱える女性達です。

3.労働者階級の女たち

労働者階級の女たちは、6グループあります。

⑧正規労働者階級 – 新中間階級グループ[ダブル・インカムの女たちII]

新中間階級の夫を持ち、自分は正規労働者として働く女性達です。平均年齢は43.0歳、個人年収は329万円、世帯年収は933万円です。本人の職種は68.5%までが事務職で、係長以下の役職を持つ人が23.0%います。

単純事務職とサービス職・マニュアル職が大部分とはいえ、結婚を経て長く勤続しているからそれなりに高収入で、夫の安定した収入も合わせて豊かな生活をする、女性労働者階級の上層といえます。

⑨正規労働者階級 – 労働者階級グループ[共働きの女性労働者たち]

彼女たちは、労働者階級の夫を持ち、自らも正規労働者階級として働く女性達です。平均年齢は43.2歳、個人年収は255万円、世帯年収は663万円で、[ダブル・インカムの女たちI・II]と比べると、世帯年収は300万円程の差があります。

あまり豊かな女性達とは言えませんが、663万円という世帯年収は、全体平均をわずかに上回るから、「中流の下」とは言えるでしょう。決して高くはない収入を夫と持ち寄って、堅実に生活を送る女性達と言えます。

⑩パート主婦 – 労働者階級グループ[働く主婦・下層]

労働者階級の夫を持ち、自分はパートなど非正規労働者として働く女性達です。平均年齢は47.4歳、個人年収は115万円、世帯年収は545万円です。女性全体に占める比率は10.8%で、最も大きい。

伝統的な主婦役割を受け入れながら、夫の収入だけでは苦しい家計を支えるためにパート勤めをしているが、それでもローンや教育費などで生活は楽ではなく、不満を抱えながら健気に暮らす女性達です。

⑪専業主婦 – 労働者階級グループ[労働者階級の妻たち]

彼女たちは、労働者階級の夫を持ち、専業主婦として家庭を支える女性達です。女性全体に占める比率は10.1%で、[働く主婦・下層]に次いで大きい。平均年齢は47.0歳、世帯年収は486万円で、有配偶者の中では最も少なく、貧困率は17.3%と高くなっています。

経済的に苦しい中、大量の家事と育児をほぼ一人でこなし、家族の生活を支える女たちです。[専業主婦のコア・グループ]彼女たちは、労働者階級の夫を持ち、専業主婦として家庭を支える女性達です。女性全体に占める比率は10.1%で、[働く主婦・下層]に次いで大きい。平均年齢は47.0歳、世帯年収は486万円で、有配偶者の中では最も少なく、貧困率は17.3%と高くなっています。

経済的に苦しい中、大量の家事と育児をほぼ一人でこなし、家族の生活を支える女たちです。[専業主婦のコア・グループ]と違って、テレビドラマの主人公として描かれたりすることはなく、その実像をイメージできる人は多くないかもしれないが、労働者階級世帯を支える、したがって日本社会を支える陰の立役者として、無視してはならない存在と言えます。

⑫I 正規労働者階級・シングルグループ[シングル・ライフの女たち]

彼女たちは、正規労働者として働く、配偶者のいない女性達です。平均年齢は33.7歳、個人年収は300万円。世帯年収は591万円だが、78.2%は自分の親と同居しており、その世帯年収は776万円と多い。

1人暮らしでも、また親と同居していても、生活は楽ではないが、それなりに生活をエンジョイしており、また政治的にはアクティブではないものの、既存のジェンダー秩序に対して静かに抵抗している女たちといえます。

⑫II 正規労働者階級・シングルマザーグループ[シングルマザー・中層]

彼女たちは、正規労働者として働きながら、未婚の子供と同居して子育てなどを行う、配偶者のいない女性達です。平均年齢は45.6歳、個人年収は294万円で、世帯年収は418万円と低く、貧困率は28.1%と高くなっています。

正規雇用の職を確保していることから、貧困リスクが際立って高いというわけではないが、やはり生活には多くの不安と不満があり、同時に健康不安も抱えた女性達です。また、性役割分業を否定する傾向が強い点も、特筆すべきです。

4.アンダークラスの女たち

アンダークラスの女たちは、2グループあります。

⑬I アンダークラスグループ[アンダークラスの女たち]

彼女たちは、非正規労働者として働いており、配偶者のいない女性達です。全女性の5.3%という、かなり規模の大きいグループです。平均年齢は42.9歳、個人年収はわずか169万円、世帯年収は306万円で、貧困率は29.1%に達しています。1人暮らしは32.0%で、55.6%は自分の親と同居しています。しかし親と同居している人々も、世帯年収は477万円に過ぎません。

次に取り上げるアンダークラスのシングルマザーとともに、現代日本の最下層であり、現代の階級社会の矛盾が最も集中する女性達です。一部には親と同居して普通に生活している女性達もいますが、やがて親は引退し、彼女たちが非正規雇用の低収入で親の面オウを見なければいけない時がやってきます。将来に深刻な不安を抱えています。

⑬II アンダークラス・シングルマザーグループ[シングルマザー・下層]

彼女たちは、非正規労働者として働いていて、配偶者がなく、未婚の子供と同居して子育てなどをしている女性達です。平均年齢は46.4歳、個人年収は168万円、世帯年収は300万円、資産総額もわずか547万円で、資産が全くない人が35.6%と、1/3以上を占めます。

全グループの中で、最も格差や貧困の現状に問題を感じ、最も強く格差拡大に反対する女たちと言っていいが、支持政党がなく、投票にも行かず、その声は政治に届いていません。現代日本の最下層であると共に、もっとも政治から見放された女たちだといえます。

5.旧中間階級の女たち

旧中間階級の女性は、3グループあります。

⑭旧中間階級 – 旧中間階級グループ[家業に生きる女たち]

彼女たちは、夫とともに家業を営む女性達です。平均年齢は57.3歳、個人年収は147万円と少ないが、世帯年収は688万円で、「専業主婦・コア・グループ」とも肩を並べる、かなり豊かな女性達です。ただし自営業という性質上、内部の格差が大きいため、貧困率は14.5%とやや高い。

伝統的な家業に根差し、働く女性でありながらも伝統的な規範を維持する、保守的な女性達ということが出来ます。

⑮専業主婦 – 旧中間階級グループ[職人の妻たち]

彼女たちは、家業や自由業を営む夫を持つ専業主婦です。平均年齢は56.7歳、世帯年収は547万円、貧困率は16.1%と高い。ただし、資産総額は4,226万円と、全グループの中で3番目に高い。

経営規模が極小の自営業を営む、手に職をつけた夫を陰で支える、旧中間階級の下層としての性格が強い女性達です。

⑯パート主婦 – 旧中間階級グループ[「過剰人口」の女たち]

彼女たちは、自営業を営む旧中間階級の夫を持ちながら、これとは別に非正規のパート労働者として外で働く女性達です。平均年齢は49.9歳、個人年収は129万円、世帯年収は520万円です。

彼女たちが経済構造に占める位置は、「過剰人口」と表現することが出来ます。過剰人口とは、経済学で古くから使われてきた用語で、人口に対して雇用機会が少なすぎることから、職に就くことが出来なかったり、やむを得ず低所得の職業に従事している人々をさします。彼女たち、そしておそらく夫たちの多くも、収益力のない自営業セクター内部に形成された過剰人口であり、夫たちは細々と事業を続け、彼女たちは夫を自営業に残して労働市場に身を投じ、雇用労働者になったのです。旧中間階級の下層であり、しかも労働者階級の下層でもあるという、二重の意味で下層的性格が強い女たちということが出来ます。

6.無職・シングルの女たち

⑰無職・シングルグループ[老いに直面する女たち]

無職で配偶者のない、40歳以上の女性達です。平均年齢は60.6歳、1人暮らしが42.3%で、17.7%は自分の親と同居しています。個人年収は132万円、世帯年収は230万円と極端に少ない。貧困率は55.9%にのぼり、特に1人暮らしの場合は60.0%、離別女性の場合は69.6%に達します。

多くが離死別を経験し、安定した収入がなく、多くの生活不安を抱えながら老いと向き合う女性達です。特に50歳代以下の女性たちの多くは、健康に問題があり、将来に多くの不安を抱えているようです。


参考文献:橋本 健二著『女性の階級』(発売日:2024年4月17日)

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