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がん保険はやっぱりいらなかった『がんになってわかった お金と人生の本質』

『がんになってわかった お金と人生の本質』の著者、山崎 元 さん(2022年8月24日に食道癌の正式な診断が下った)は、がん保険に入っていませんでしたが、「それで何の問題もなかったし、がん保険に入らないという意思決定は、広範囲の人にとってこれからも正しい」と言います。

もちろん、がん保険に入っていれば「結果的に」お金がもらえて得をしていたでしょう。しかし、仮に筆者がもう一度人生をやり直すことが出来るとして、「意思決定の問題」として、がん保険に入るかというと、入らないといいます。現行の制度や保険の性質がすっかり変わらない限り、答えは同じです。

癌治療の負担額

筆者は、2022年8月24日に食道がんと診断が確定し、9月上旬から抗癌剤治療で2回入院(1回あたり10日から2週間くらいの入院)し、その後10月27日に手術を受けて13日後に退院しました。

この時点で、筆者が医療費として直接支払ったお金は約235万円でした。ただし、この中の約160万円は、入院一日当たり4万円のシャワー付きの個室を選んだ筆者の意図的な贅沢によるもので、治療のためにどうしても必要だった費用ではありません。個室の部屋代4万円というのは高い方で、もっと安い場合は多いです。

残る費用約75万円は、高額療養費制度の上限を適用しながら大学病院が請求した金額を支払ったものです。大掛かりな手術を伴う治療をしたにもかかわらず、「意外に大した金額ではない」のではないでしょうか。

さらに、筆者は2022年時点で東京証券業健康保険組合の加入者だったので、同組合が設定している、「医療費1回の支払いが2万円を超えた部分を健康保険組合が補填してくれる制度」が機能して、結局、筆者がどうしても支払わなければならなかった医療費は約14万円に過ぎませんでした。(この種の補填制度は、多くの健康保険組合が備えています。保険組合によってここに内容が異なるので、国民健康保険ではなく、健康保険組合に加入している方は制度を調べとくと良いでしょう。)

がん保険の保険料を毎月支払うよりも、預金なり積立投資なりで早く何百万円かの備えを作ることを考えた方が良いと思います。老後の生活に備えた蓄えの形成も必要なのだから、同時に行うと良いです。

癌治療で、実は最大のコストとは?

おそらく最大のコストは、機会費用です。

筆者の場合、2022年9月初旬に初めて入院し、間隔を置きながら都合3回入院して、10月27日に手術を終えて、食事などが不自由ななりに病後の人間レベルでだが普通の生活が出来るようになったのは11月末くらいからです。

この間3か月ほど、講演や動画出演はもちろん、コンサルティング的な仕事も出来ないし、新しい仕事の種をまくような活動も出来ませんでした。この逸失利益は小さくありません。これは、機会費用としてカウントすべきコストです。

経済的な損得勘定を正確に把握しようとすると、実質的に払った医療費がいくらであったかといった問題は些末とまではいわないまでも、細かな問題だとさえ言えます。病気治療の費用を見積もるうえでは、病気治療が必要ない場合に獲得可能だはずだった経済価値の中で取り込み損ねたコストを機会費用として認識する必要があります。

加入していい保険の条件

「がん保険に入っていて助かった」という経験者の話を聞いて感動して、自分もガン保険に入ろうと思う人は、相当に判断力が弱い。保険加入のような冷静に判断すべき経済行為は、漠然とした安心のような「感情によって」ではなく、保険の必要性を冷静に判断して行うべきです。

保険それ自体は、(1)滅多に起こらないことだけれども、(2)起こった場合の損失が破壊的に大きい、リスク・イベントに対して、人が集団で対処する巧妙で賢い仕組みです。しかし、平均的にはかなり損な賭けです。保険の仕組みを提供するにはコストがかかるのですから、当然です。

保険を利用することが経済的意思決定として正当化されうる必要条件は、この(1)と(2)を満たすことです。例えば、自動車事故を引き起こしてしまった場合の補償に備える自賠責保険や、延焼の責任を問われることもある火災に備える火災保険などは、多くの人にとって(1)、(2)を満たしていて、他に変わりうる手段を持たない点で、加入が正当化されるし、必要でもある保険でしょう。

2人に1人は癌に罹ると言われている我が国におけるがん保険や、多くの人に訪れる老後の生活費を賄うための年金保険などは、必要条件を満たさないので、保険会社が大規模な計算間違いでもしない限り、明らかに要らない保険なのです。

庶民レベルで生命保険が必要なのは、貧乏で且ついざという時に頼ることのできる家族や親類などを持たない夫婦に子供が生まれた時に、一家の稼ぎ手が加入する死亡保障の保険くらいでしょう。そして「保険は損!」なのだから、子供が成人するまでの期間限定で、掛け捨ての保険がいいのです。


参考文献:山崎 元 著『がんになってわかった お金と人生の本質』(発売日:2024年7月19日)

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