泉正人著『「パラレルインカム」のはじめ方 私たちの新しい「お金と生き方」の選択肢』には、年収300万円から出来る進化版FIRE(Financial Independence Retire Early(経済的自立と早期リタイア))という、FIREを上回る新しい生き方が提案されています。
進化版FIREは「パラレルインカム」を目指すもので、FIREより5倍楽に達成できます。そしてそのゴールは、「圧倒的な幸せと自由」です。
本書を次の3つのポイントでご紹介します。
パラレルインカムとは
パラレルインカムとは、2本の「金の成る木」を育てるということです。
自分にとってストレスのない好きなことを仕事にして「労働所得」を得るとともに、自動的・安定的に入ってくる「資産所得」の2つの収入を柱にして、精神的にも経済的にも自由にな生活をしようということです。このパラレルインカムという生き方は、FIREより豊かな生活が実現できます。
FIRE「4%ルール」の落とし穴
アメリカの大学の「トリニティスタディ」という研究で、4%ルールがあり、それがFIREの基本的な考え方を作っています。
4%ルールとは、例えば総資産を1億円とすると、そこから4%ずつ(年400万円)取り崩しをしていけば、30年以上資産が尽きることはないということが、高確率で実現するというものです。しかしこれには次のような弱点があります。
1億円貯めるまでが大変すぎる
まず1億円貯めるところからスタートしますが、そのハードルが高すぎるということです。
年400万円という制限
例え頑張って1億円貯めたとしても、年間で使える金額は400万円、平均的な金額しか使えないという制限があります。夢がないと感じるかもしれません。
FIREは退屈になる
実際にFIREした人は、日常に退屈を感じており、そこに不満を抱いている人が少なくないようです。
街に出ても高齢者ばかりだったり、友人は皆昼間は仕事をしている中自分だけが仕事をしていないことに疎外感を感じたり、お金はあっても刺激がないという生活になります。
この点パラレルインカムという生き方は、これらFIREの弱点を次の通り克服してくれます。
「1億円貯めるまでが大変すぎる」の解決策
最終的には不動産投資に移行するのが目標だと、本書には書かれています。
不動産投資特有のメリットは、借入をすることによりレバレッジがかけられるということです。株式投資では、借入は出来ません。
4%ルールでは、1億円貯めないと年400万円の収入を得ることは出来ないということでしたが、不動産でレバレッジをかければ、1億円の1/5の元本である2,000万円で、年400万円の収入は実現できます。だから、FIREより5倍楽だということです。
「年400万円という制限」の解決策
パラレルインカムの場合、2本の収入の柱で高収入を目指すことが出来ます。人それぞれ十分と感じる金額は異なりますが、1億円貯めて年400万円という限られた収入の中で生活する必要がなく、労働所得でもガッツリ稼ぎたい人は稼いでもいいという選択肢が出来ます。
「FIREは退屈になる」の解決策
パラレルインカムは、好きな仕事を続ける生き方ですので、生きがいがあります。やりたい仕事をし、人から感謝されてお金ももらえるという喜びは、何事にも代えがたいのではないでしょうか。日々の生活のための「ライスワーク」ではなく、生きがいのための「ライフワーク」を求めることが出来るのが、パラレルインカムという生き方です。
パラレルインカムを実現する4つのステップ
労働所得を増やす
労働所得を増やすとは、要はお給料を増やすということですが、どうやって増やせば良いでしょうか。
それは、「貴方」という商品を、市場でより価値を認めてもらえて、高い給料を払うのに値すると周りから思ってもらえるにはどうすればいいのかを考え、実行するということです。企業が市場の中で競争に打ち勝つためには、どのような外部環境に対してどのような内部環境を整備しすれば良いのかを考え実行していきますが、それを「貴方」という商品でも同じように当てはめて考えるということです。
資産構築をする&資産所得を作る
株式でも不動産でも、値段が上がれば、値上がり益(キャピタルゲイン)を得られます。それに加え、株式では配当、不動産は賃料という、資産を持っているだけで得られる収入、インカムゲインがあります。まずはキャピタルゲインを得ることにより資産構築し、徐々にインカムゲインに移行していきます。
仕事でも自己実現を
資産所得が育っていけば、それが生活の土台になり、安心感につながります。それにより、本当に好きなことだけをやって、労働所得を得るという生活が実現します。
もし資産所得がなかったら、本当は◎◎をしたいのに、◎◎では食べていけないので△△をするということになってしまうということもありますが、資産所得が育っていけば、そのような選択の制限がなくなります。
精神的なプレッシャーもなく、生活のことを考えずに好きなことを追求できるようになると、その「好きなこと」から得られる「労働所得」も増えていく可能性があります。仕事でも自己実現をすること、これがパラレルインカムという生き方のゴールです。
「与えることは最高の喜びなのだ。他人に喜びを運ぶ人は、それによって、自分自身の喜びと満足を得る。」
(by ウォールト・ディズニー)
本書の詳細は『「パラレルインカム」のはじめ方 私たちの新しい「お金と生き方」の選択肢』をご参照ください。
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