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9月23日に、イギリスのトラス政権が減税政策を含めた財政政策の詳細を発表してから、ポンドが暴落すると同時に英国債も暴落しており、世界の金融市場に伝播してきています。
この減税政策が暴落要因となる理由は、イギリスの国家財政を悪化させる恐れがあることに加え、そもそもの問題の原因となっているインフレをさらに悪化させてしまう可能性があるためです。
これに対しトラス政権は、「マーケットの動きにコメントしない」との強気のコメントをしたため値を下げ続け、ポンドは1985年以来の低水準まで下落しました。ポンドは対米ドルで、2日間で一時7%を超える史上最安値まで下落しました。
現在、英国債10年の債券利回りは4.1595%、英国債2年の債券利回りは4.3690%です。
債券の価格と利回りは逆相関の関係にあり、例えば10年国債の場合、利回りが1%上昇すると価格は約10%弱下落することになります。10年よりも長期の国債の場合、更に価格の下落が大きくなります。
英国債暴落の影響より、9月23日時点でイギリスの中央銀行であるイングランド銀行が保有している国債の含み損は、2,000億ポンド(約31兆円)まで拡大していると公表されています。そして、この中央銀行が巨額の含み損を抱えている状況が、ポンド安の要因の1つにもなっています。
つまり、金利の上昇により中央銀行が巨額の含み損を抱えることとなり、それが通貨安につながるということです。
イングランド銀行も、日銀と同じくこれまで量的緩和政策で大量の国債を購入してきました。ただし、日銀と比較するとそれほど多くありません。
イングランド銀行が、量的緩和政策で購入してきた国債の量は、英国GDPの40%弱です。
これに対し日銀が、量的緩和政策で購入してきた国債の量は、日本のGDPの約130%です。
日本で、イギリスのような金利上昇が起きると、どれほど大変なことになるでしょうか、、、
こうしたイギリスのポンド及び国債の暴落は、世界に波及しています。
しかし、イングランド銀行は当面何もしないことを表明しており、トラス政権も何らかの対応する気配がありません。そのため、この暴落が続いていく可能性は十分あると考えられています。
現在ポンド対米ドルは約1.075の水準ですが、これが1.0水準にまで下落するとの見方があります。
トラス政権が発足したのは9月6日。そして就任後すぐに発表した減税政策がマーケットの大暴落を招いています。しかし、減税政策を公約として掲げていたため、簡単に撤回することも出来ません。
八方ふさがりの状況ですが、今後更にマーケットが下落していく展開となれば、何らかの政策修正や撤回等をせざるを得なくなるのではないかと思われます。そして、その可能性は高いと思っております。
本日のオマケ
私の本日の取引
1.日本株式インデックスファンド 10,000円(自動買付) (ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド) 2.世界株式インデックスファンド 10,000円(自動買付) (SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド)
3.S&P500インデックスファンド 2,059,772円 (売却) (SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド)
このまま保有し続けるとしばらく含み損状態が続くと予想されること、米国株式から日本株式に資金をシフトさせたいと考えていることから、S&P500インデックスファンドに関しては、含み益の状態のうちに売却することにしました。
ただ残念なことに売却タイミングを逃し、結局実現利益は雀の涙の27,186円に終わりました。
また、こちらの口座はNISA口座ではないため5,522円の譲渡益税がかかり、純粋な実現利益は21,664円となります。
私の投資方針
1.投資対象は、株式インデックスファンド、又は個別株式のみ 2.世界株式インデックスファンドは、老後まで基本的に売却しない 3.レバレッジ、信用取引等はしない 4.財政状態、経営成績が良く、PER及びPBRが低めの割安株式を買う 5.平時は、預貯金の残高が減らないペースで積み立てる 6.暴落等により含み損が発生した場合、含み損状態を脱するまで、平時より積立額を増額する
投資方針の根拠
1.ジェレミー・シーゲル著『株式投資 第4版』 ・長期の実質トータルリターンは、他の資産に比べ株式が圧勝する 2.山崎元、水瀬ケンイチ著『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』 ・世界株式インデックスファンド、特に(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がお勧め 3.厚切りジェイソン著『ジェイソン流お金の増やし方』 ・基本的に売らない 4.ジョン・C・ボーグル著『インデックス投資は勝者のゲーム』 ・インデックスファンドは98%の確率で、アクティブファンドに勝てる 5.チャーリー・マンガー著『マンガーの投資術』 ・素晴らしい会社を適正な価格で買う