民間平均給与、労働者一人当たりの所得目安、年間所得1億円以上の人数。

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令和2年度(2020年度)の民間給与実態統計調査が発表されましたので、それと関連するデータと合わせ、以下の3つのポイントで中身を見ていきます。

  • 2020年度の民間給与実態統計調査結果の概要
  • 不労所得等も合わせた、労働者一人当たりの所得
  • 国税庁データから見る所得の分布(2019年データ)

2020年度の民間給与実態統計調査結果の概要

令和2年 12 月 31 日現在の給与所得者数は、5,928 万人(対前年比 1.0%減、62 万人の減少)、1年を通じて勤務した給与所得者数は、5,245 万人(対前年比 0.2%減、10 万人の減少)で、その平均給与は 433 万円(同 0.8%減、33 千円の減少)でした。

男女別では、給与所得者数は男性 3,077 万人(同 1.5%増、44 万人の増加)、女性 2,168 万人(同 2.5%減、55 万人の減少)で、平均給与は男性 532 万円(同 1.4%減、75 千円の減少)、女性 293 万円(同 1.0%減、29 千円の減少)です。

正規、非正規の平均給与についてみると、正規 496 万円(同 1.5%減、77 千円の減少)、非正規 176 万円(同 0.9%増、16 千円の増加)です。

この民間給与実態統計調査の対象となっているのは、非正規雇用者を含む従業員及び役員です。公務員、自営業者等は含まれておりません。

また、この調査は民間の給与所得者の給与について源泉徴収義務者(事業所)の支払額に着目し集計を行ったものですので、その個人の所得全体を示したものではありません。

例えば、複数の事業所から給与の支払を受けている個人が、それぞれの事業所で調査対象となる場合、複数の給与所得者として集計されます。

つまり、実態より低く算定されている可能性があるということです。

現在は収入源が複数存在する個人も増えてきていると思いますし、不労所得を得ている人もいます。また、このデータの対象とされていない自営業者や公務員の方が収入が多いイメージがあると思います。

そこでマクロデータから、日本人の平均年収は本当に433万円程度なのか、不労所得等も合わせた、労働者一人当たりの所得を考えます。

また2019年度のデータを用いて、所得の分布も計算します。

black magnifying glass beside yellow pencil
Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels.com

不労所得等も合わせた、労働者一人当たりの所得

内閣府から公表されている、家計可処分所得のデータを参考にして、不労所得等も合わせた、労働者一人当たりの所得を考えます。

家計可処分所得額は、下図の無色の部分、「可処分所得」の3,162,374億円です。

「可処分所得」とは、給与やボーナスなどの個人所得から、税金や社会保険料などを差し引いた残りの手取り収入、つまり自分の意思で使える部分を指します。

下表のそれぞれの詳しい用語の説明はこちらからご参照ください。

(出所:内閣府


上図のうち、オレンジ色に塗っている項目が加算項目、要は家計所得の全体です。薄い黄色が、税金、社会保険料といった減算項目です。

加算項目合計4,291,959億円 - 減算項目合計1,129,585億円 = 可処分所得 3,162,374億円

加算項目合計約429兆円が、日本の家計所得の合計を表しています。

それを就業者6,676万人(2020年平均。出所:総務省)で割ると就業者(労働者)一人当たりの所得概算が計算できます。結果、約643万円となります。

就業者1人当たり所得 約643万円 =  加算項目合計 約429兆円  ÷ 就業者数 約6,676万人

これは、不労所得も年金も補助金も一切合切の収入を合わせた額面ですので、手取りではありません。

手取りは、可処分所得で計算します。同様の計算をすると、 就業者(労働者)一人当たりの手取りは、約473万円となりました。

就業者1人当たり可処分所得 約473万円 =  加算項目合計 約316兆円  ÷ 就業者数 約6,676万人

つまり、一切合切の収入を合わせた額面が約642万円で、そこから税金、社会保険料等が差し引かれた手取り約473万円というのが、日本人の一人当たり就業者(労働者)の所得の目安です。

ただし、働かずに年金所得だけを得ている方も多くいらっしゃるので、一人当たり就業者(労働者)の所得は、これよりもう少し少ないはずです。

参考に、成人一人当たりの所得も計算してみましょう。成人数は10,493万人(2020年12月末。出所:総務省)ですので、一切合切の収入を合わせた、成人一人あたりの所得は約409万円、可処分所得は約301万円ということです。

成人1人当たり所得 約409万円 =  加算項目合計 約429兆円  ÷ 成人数 約10,493万人

成人1人当たり可処分所得 約301万円 =  加算項目合計 約316兆円  ÷ 成人数 約10,493万人

また、雇用者報酬約282兆円を、雇用者5,928万人で割ると、一人当たり雇用者の額面収入が算定されます。約475万円となります。

雇用者1人当たり報酬(≒年収) 約475万円 =  加算項目合計 約282兆円  ÷ 雇用者数 約5,928万人

約475万円というのは、民間給与実態統計調査 の結果と比べてもほとんど差はないですね。約40万円の差です。

これはつまり、ほとんどの方は、1つの会社からしか収入を得ていないということの現れです。また、公務員、議員等を含めても、平均値は民間給与実態とそれほど乖離はしないということです。(公務員等は人数が少ないからというのもあります。)

国税庁データから見る所得の分布(2019年データ)

民間給与実態統計調査(2019)と、所得階級人員データ(2019)の合わせ技で、所得の分布を計算することが出来ます。(所得階級人員データの2020年度がありませんので、2019年度のデータで作成しております。)

なお、民間給与実態統計調査の「年収」とは額面、つまり総支給額なのに対し、給与所得は年収から給与所得控除を控除した金額が「給与所得」となるので、年収>給与所得 です。

例えば年収436万円民間給与実態統計調査(2019) の平均値)であれば、給与所得は294.8万円です。

しかし、下図では給与所得控除までは考慮して作成しておらず、簡便的に、年収=給与所得 と仮定して集計しておりますので、年収436万円は給与所得436万円としております。また、「給与所得者数+確定申告者数-確定申告者かつ給与所得者」として集計しております。

年間所得の中央値は300万円台の前半となりましたが、上述の通り給与所得控除を考慮していないため、実際はこれより低いはずです。一方で、年間所得1億円を超える人も約23,000人います。

上の数字データを、グラフにしたのが、以下の図です。

所得階級人員データ を見ると、年間所得50億円を超える所得者がすべて、「他の区分に該当しない所得者」であることが分かります。

総所得金額は、利子、配当、不動産、事業、給与、譲渡、一時、雑所得金額の合計なので、 「他の区分に該当しない所得者」 は、利子所得か、配当所得か、譲渡所得か一時所得が、主たる所得の所得者ということです。

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Photo by Anna Nekrashevich on Pexels.com

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