誰もが一度はお金持ちになりたいと思ったことがあると思います。お金持ちになるには、そのための法則を知る必要があります。どんな人で、何を考えていて、何をしているのでしょうか。
激増する億万長者の正体(アップデート版)
日本には億万長者が増えています。クレディスイスのグローバルウェルスレポートによると、100万米ドル(約1億1000万円)超の富を持っている日本の成人の数は、2020年約366万人です。(注:ここでいう富とは、動産、不動産等の金融資産以外の資産を含み、負債を控除した、純資産です。)
この366万人とは、米国、中国に次ぐ世界第3位であり、この数は年々増え続けています。
参考に、日本の家計部門の金融資産は2020年12月末時点で1,936兆円ですので、(出所:日本銀行調査統計局)日本の成人1人あたり平均金融資産は、約1,845万円(2020年12月末成人数10,493万人(出所:総務省))です。
ではどんな人がお金持ちになっているのでしょうか。暗号資産で億り人となった人、ITベンチャー立ち上げで大当たりした等という人は少数派です。
1. 上場企業の株を大量に持っている人
日本の上場企業の配当金は、2009年からわずか約10年間で2倍以上に増えています。またアベノミクスの影響等で、2012年から直近までの間に日経平均株価は約3倍になりました。2012年当時に5,000万円ほどの株を持っていた場合は、1億5,000万円弱程度になっていたということです。日本でお金持ちになるには、投資をすることです。
2.大企業の役員
2010年3月決算から、年収1億円以上の上場企業の役員報酬が開示されるようになりました。2021年3月期の有価証券報告書で、年収1億円を超える上場企業の役員は544人でした。(出所:東京商工リサーチ)2012年には295人でしたので、上場企業の役員の年収も増え続けていることが分かると思います。
なお、2006年から長者番付が廃止されましたが、これは平均的な日本人の所得が下がる中、億万長者の激増を隠す必要があったからだというのが本書の主張です。
富裕層は税金は払わない
1.税金は貧乏人に払わせればいい
お金持ちの人は税金に強い関心を持っています。一方、お金がない人は税金に関して無関心です。例えばフリーランスの方は、一旦所得税が源泉徴収されるのですが、収入が少ない場合は確定申告することにより税金が還付されます。しかし、還付申告をする方は非常に少ないのだそうです。
一方お金持ちの人は税金について研究しています。役員報酬をいくらに設定するのか、社会保険料との関連性、小規模企業共済に入るか、広告費への投資、節税対策、iDeCo、つみたてNISA等々。
つまり、お金持ちから税金を徴収するより、税金に無関心なお金がない人から税金を徴収する方がずっと簡単なのです。そのような事情から、財源確保のため国が行ってきたのは、お金持ちにとって痛みの少ない消費税率や、社会保険料率を上げるという方法でした。
2.富裕層への減税
高額所得者の税金はこの30年間で大幅に下げられてきました。所得が1億円の場合、1980年では、所得税率75%、住民税率13%の合計88%でした。現在では所得税45%、住民税10%の合計55%です。この結果、ピーク時26.7兆円だった所得税は、2009年には12.6兆円になりました。
その補填のため、消費税が引き上げられました。
消費税は、全員に10%の税率ですので、収入が少なく、全ての収入を消費している人にとっては消費税の負担は実質10%(=100%×10%)ですが、収入が多く、収入のうちの10%しか消費に回していない人にとっては、消費税の負担は実質1%と言えます。(=10%×10%)
消費税の増税は、お金を持っていない人の方が、影響が大きいのです。
3.投資家の納税額はサラリーマンの平均以下
税金は通常、所得に比例して税率が上がるようになっていますが(累進課税)、上場株式の配当金に課せられる税金は、一部例外を除いて所得税と住民税合わせて20.315%です。(注:配当所得の多い大口株主は、確定申告で総合課税となり、これより高い税率となることがあります。)
本書の詳細は 『知ってはいけない 金持ち 悪の法則』 をご参照ください。
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