人生100年時代に突入し、「将来のお金」に不安を持つ人が増えています。そして新型コロナウイルス感染症は、その不安に拍車をかけました。
しかし『人生を自由にしてくれる 本当のお金の使い方』の著者、井上裕之氏の周りの人達から、お金の不安を聞いたことはないそうです。
お金の不安がない人に共通しているのは、お金について次のことを知っていることです。
- 稼ぎ方より大事なのは使い方であること
- お金を正しく使うと金額以上の価値を生み出すことが出来ること
- お金は使うことで回り始めること
「お金=感謝」
生活のため、人間関係を深めるため、精神的に安定するため、ステータスのため等、お金は人によって様々な目的や役割を果たしてくれます。
お金には、一般的に3つの役割(機能)があると考えられています。それは、「尺度」「交換」「保存」です。(詳細は、ビットコインの未来。『ビットコイン・スタンダード』参照)
著者は、お金にはこの3つの役割のほかに、もう一つ大切な役割があると考えています。それは「感謝」です。
お金を払うのも、受け取るのも、本質は「感謝」です。
払う側は、何かをしてもらったことに対するお礼としてお金を払い、受け取る側は、相手のニーズに応えた(相手に喜んでいただいた)お礼としてお金を受け取ります。
この「お金=感謝」と言う本質が分かっていれば、お金を使うことにも、受け取ることにも、心地よさを覚えるようになります。
「お金≠幸せ」
お金を持っていれば幸せになれるのでしょうか。年収が増えるほど、幸福度も高まるのでしょうか。
ダニエル・カーネマンの研究及び内閣府が発表したデータによると、経済的に恵まれていることと幸福度の高さには一定の相関があることは間違いありませんが、「ある金額」をピークに幸福度は横ばいになることが分かっています。
その「ある金額」とは、 ダニエル・カーネマンの研究 によると年収7万5千ドル(約850万円)、 内閣府 のデータによると、世帯年収2,000から3,000万円です。
そして、お金があることと幸せでいることは必ずしもイコールではないと、著者は考えています。理由は、次の2つです。
1.幸せの基準は、人それぞれだから
たくさん稼いでいても不満がある人もいれば、それほど稼いでいなくても毎日笑顔の人もいます。それは「感性」の違いです。どれほど収入や貯蓄を増やしても、「幸せを感じる感性」が乏しければ、不平・不満・不安はなくならないということです。
幸か不幸かは、お金の量に比例して決まるものではなく、全ては「自分の心」=「感性」が決めています。
2.バランスが崩れているから
心の充足感、充実感、満足感が足りない、幸せの感性が足りない、不幸せなお金持ちはいます。
このような「不幸せなお金持ち」は、「健康、人間関係、仕事、お金、社会貢献のバランス」が整っていません。だから心が満たされないのです。
世界最大の世論調査会社「ギャラップ社」は、50年以上かけて世界150か国を調査、分析した結果として、「幸福度を高めるために必要な5つの要素」を明らかにしています。
- 仕事の幸福
- 人間関係の幸福
- 経済的な幸福(お金)
- 身体的な幸福(健康)
- 地域社会の幸福
「どれか一つの要素で高得点を取るのは比較的簡単で66%が実現していますが、全て高得点を獲得できる人は、わずか7%に過ぎない」とギャラップ社は分析しています。
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「お金はあった方が良いか?なくてもいいか?」と言われると、ないよりはあった方が良いでしょう。なぜなら、お金を持っていた方が、幸せを感じられる機会が増えるからです。
お金を持っていることのメリットは、次の4つです。
- 人生の選択肢が広がる
- お金で防げる不幸がある:例えば、お金で健康問題、老後破産のリスクといった不幸を防げる
- 精神的な安定を得られる
- 社会や他者に貢献できる
お金は「循環」させて増やしていく
お金を貯めることに異常な執着を持つ人のことを「守銭奴」と言います。お金を多く貯めておかないと不安だったり、貯金が趣味と言う人もいるでしょう。
しかし、お金を回さなければ経済的な自由が手に入りづらくなります。
予期せぬリスクに備えるため、ある程度の貯蓄はあった方が良いですが、貯蓄や節約を目的にするべきではありません。
「金は天下の回りもの」という言葉がある通り、お金は循環させた方が良いのです。それにより、自己成長でき、人生のバランスが整います。お金が循環すれば、お給料が増え、国の税収が増え、社会保障が充実し、世の中の景気も良くなります。
貯金が趣味の人は、その通帳の金額が大きくなっていくことが楽しいのだと思いますが、それではお金が本来の力を発揮することがないまま眠っていることになります。
自分を成長させ、より豊かな人生を生きるためには、「貯める」と「使う」のバランスを考え、お金を循環させること、そしてお金を使うときは 「幸福度を高めるために必要な5つの要素」 を満たせるように考えて使うことが大切です。私たちの人生で最も大切なことは、より多くのお金を貯めることではありません。プライベートや仕事を充実させることです。
著者が、より多くのお金を使いたいと思っているものは、次の2つです。
- 自己成長:セミナー、書籍、旅行、映画、演劇、音楽、アート鑑賞、趣味等。
- 社会貢献:寄付、応援購入、起業による社会貢献、株式投資等。
社会貢献をすると、いつか巡り巡って自分のところに返ってきます。
自分のしたいことや自分の大切なものにお金を惜しまない人(自己成長)、人の為にお金を惜しまない人(社会貢献)こそが、著者の考える、お金の使い方が上手い人です。
「お金に困らない人」の考え方
1.給料が上がらない場合
給料が安い・上がらないと、会社へ不満がある人はとても多いです。
貴方の会社には「人事評価基準」や「賃金テーブル」はありますか?給与や賞与がどのようなステップで上がるのか、きちんとしたルールがありますか?それを、貴方はしっかりと把握していますか?
ルールを把握すれば、どう働けば給料が上がるかが分かるので、努力の方向性を間違えることもないでしょうし、規程通りに支給されていれば納得がいくはずです。
もし、成果を上げているのに評価が低かったり、ルールを守っているのに給料が上がらないようであれば、転職も視野に入れるべきです。
2.安い仕事ばかりを受けない
見積金額を下げるということは、自分の価値を下げるということ、自分には低い価値しかないと認めることになります。
交渉するのは面倒だとか、高い金額を請求すると相手を不快にさせるのではという理由で価格を低く見積もるのは、やめた方が良いです。
一度、あの人なら安くやってくれるというレッテルを貼られると、安い価格での依頼が続くことになります。次の仕事も安い金額でやらざるを得ない、金額を上げたいが上げてもらいにくい、他の会社を紹介されたときにも安い価格のまま引き受けることになる等、その後の収入の見込みが下がることになります。
それは、自分の自信のなさ、覚悟のなさを助長させてしまったり、仕事の質が下がってしまうことにもなりかねません。
最初から、自分の能力に見合ったギャランティーを受け取るようにしましょう。そうすることで仕事の質も上がり、好循環が生まれます
本書の詳細は 『人生を自由にしてくれる 本当のお金の使い方』 をご参照ください。
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