全世界で累計4,000万部を突破しているベスト&ロングセラーの、ロバート キヨサキ著『金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 』は、時代が変わっても古びない原理原則を示す「お金」の基本図書です。
私は、父の勧めで学生の時に初めてこの本を読みました。今思い返してみれば、私が会計に興味を持ったのも、投資に興味を持ったのも、これがきっかけだったかもしれません。本書を、次の4つのポイントでご紹介します。
世間の嘘
世間の親は一般的に、「いい成績を取っていい大学に行って安定した会社に就職しなさい」と言います。しかし本当に、成績が良くていい大学に行った人達が、お金持ちになり楽しそうに暮らしているでしょうか。
お金持ちなのは、いい会社に入った人達ではなく、全て自営業の人です。
ではなぜ、親のアドバイスは100年近く変わっていないのでしょうか。それは、自分がそういわれて育ったからです。
自分がお金持ちじゃないから、お金持ちのなり方が分からないんです。自分がお金持ちじゃないから、お金持ちのなり方を説明できないんです。だから100年前と同じアドバイスを、子供にするのです。
普通に考えれば、実生活で絶対に使わないようなことを学校で勉強する必要がどこにあるのか、という疑問が出てくるはずです。それを学んだところで、社会に出て成功するとは限りません。
また社会保険料の負担等で、会社員の手取りは年々減っています。終身雇用制度も崩壊しています。1945年生まれくらいの世代には、「いい成績を取っていい大学へ行きなさい」というアドバイスもある意味正解といえますが、今の時代は違うといえるでしょう。
95%の人は、ラットレースをしています。ラットレースとは、働いても働いても一向に資産が貯まらない状態のことです。この、働いても一向に資産が貯まらない様子が、回し車の中でくるくる回っているネズミに似ていることから定義されています。
家のローン、子供の養育費、税金の支払い等に追われ、一生同じような「平日朝起きて出社して、休日はレジャーに行く」という生活が続きます。自分がやりたいことをするための資産や時間が、永遠に手に入らない状態です。
会社のオーナーに利益をもたらすために働き、政府に税金を払うために働き、銀行にローンを返すために働き、買い物の支払いをするために働く人生です。
ここから抜け出すには、お金について勉強することが必要です。
現在の学校教育では、お金持ちが知っているようなことは教えてくれません。ですが、これは当たり前です。そもそも、教育システムはお金持ちになれるように作られているのではなく、お金持ちのために働く人を作るために、教育システムは作られているからです。
今の時代、会社にも国にも頼らない生き方をすることが大切です。会社や国がどうなっても、旦那さんとどうなっても、生きていけるようになりましょう。
お金持ちは違うルールで人生をプレーしている
今の子供たちは、時代遅れの教育システムの中で、将来決して使うことのない知識を学び、何年もの時を無駄に過ごしています。
社会制度が変わるときには順番があります。まずはビジネス界が変化し、その後政治が変化し、最後に教育が変化します。これは、あらゆる時代のあらゆる世界でそうでした。ですので、現行の教育に従っていても時代遅れの知識を学ぶことになり、お金持ちにはなれません。
お金持ちは、普通の人とは違うルールでプレーしています。
企業が経費削減でダウンサイジングをしたら、解雇が行われ、失業率が上がります。しかし、企業は経費を削減すると高評価になり、株価が上がります。株価が上がればお金持ちは更にお金持ちになります。会社員は負け、企業のオーナーと投資家は勝つということです。
これが、子供にただ勉強しろと言うのがどれだけ馬鹿げているかの理由です。学校では、ゲームに勝つための勉強を一切していません。一生プレーすることのない違うゲームのルールを学んでいるのです。
世の中には2つのルールがあります。お金持ちが使っているルールと、残りの95%の人が使っているルールです。家庭や学校で教えられているのは、この95%が使っているルールです。
必ず勉強した方が良いのが、「お金の知識」と「人間理解力」です。お金に関する知識、人とのコミュニケーションの技術は成功には欠かせません。人間理解力の中に、お金、心理学、哲学、コミュ力、政治経済等が含まれます。
金持ち父さんと貧乏父さんの考えが一番違うのは「お金」についてです。
貧乏な父は、いい仕事に就き、出来るだけお金を稼ぐために働くように言いましたが、お金持ちの父は、お金のために働くのではなく、お金を自分のために働かせろと言いました。
貧乏な父は、「大切なのはお金じゃない」とよく言っていましたが、お金持ちの父は、「お金とは自由だ」と言っていました。
貧乏な父は「お金への執着は悪の根源だ」と言っていましたが、お金持ちの父は、「金がないことこそが悪の根源だ」と言っていました。
貧乏な父は「お金がないから買えない」とよく言っていましたが、お金持ちの父は、「どうすれば買えるようになるだろう」と考えるのが正解だと言っていました。
貧乏な父は、会社や政府が自分たちの面倒を見てくれると信じて疑いませんでした。この考えは、ただ生き延びるために仕事をしているようなものです。お金持ちの父は、経済的に100%自分に依存することが大事だと考えていました。
貧乏な父は、いい仕事に就くための履歴書の書き方を教えてくれて、お金持ちの父は、自分で仕事を生み出すためのビジネスプランの書き方を教えてくれました。
このように、裕福な人とそうでない人は全く相反するアドバイスをします。違うルールで生きているからです。
お金持ちが更にお金持ちになり、貧乏人がさらに貧乏になる理由は、お金に関する教育が、「学校」ではなく「家庭」で行われるからです。
お金持ちのルール6つ
1.お金持ちはお金のために働かない
お金が貯まるようになると生活レベルを上げたくなります。すると、支払いが増えます。その支払いのために出世しなければならないと考えます。そして出世すると、さらに生活レベルを上げようとします。これを繰り返すのがお金持ちになれない典型的なパターンで、「ラットレース」と言います。ラットレースの罠にはまらないためには、収入が増えても支出は増やすなと言うことです。
お金を稼げばお金持ちになれるわけではありません。大切なのは「お金の稼ぎ方」よりも「お金の使い方」です。
一番大切なのは、「収入>支出」を徹底すること。そして最終的には、「不労所得>支出」の状態にすることが目標です。これが、完全に労働から解放された状態であり、この本が目指すゴールです
「富」とは、仕事を辞めたとして、その日から何日何もせずに暮らしていけるかで決まるものです。仕事をしなくてもずっと暮らしていける状態が、本当の安定です。
2.お金の流れの読み方を学ぶ
資産と負債の違いを知ることが大切です。資産とは、自分のポケットにお金を入れてくれるもの、負債とは、自分のポケットからお金を取っていくものです。
この考え方に基づくと、持ち家は負債になります。なぜなら、持ち家を持つとローンや固定資産税の支払いが発生し、自分のポケットからお金が出ていくことになるからです。
お金持ちになるには、収入を得たらなるべく多く「資産」へ投資をして、不労所得を増やす必要があります。
3.自分のビジネスを持つ
言い換えると、自分の資産を持つということです。
自分の資産とは、①自分がいなくても収入を産むビジネス(会社オーナー、本、ブログ等)、②株式、③不動産等があげられます。
つまり、ほったらかしで自動的に継続的な収入をうむ何かを持つことです。
4.会社を作って節税する
これが、会社員では絶対にお金持ちになれない理由です。会社員はほとんど節税できないからです。大半の人がお金持ちになれないように、税金のシステムはうまく作ってあります。
5.1つの収入源に頼らない
大抵の人は、雇われて給料をもらうという方法しかありません。しかしこれでは、会社がつぶれたり、リストラされたり、色々なリスクに対応できません。
たくさんの収入減、選択肢を持つことが大切です。
6.お金の為ではなく、学ぶために働く
いくら稼げるかではなく、何を学べるかで仕事を選ぶべきだということです。
給料で仕事を選ぶのは短期思考、スキルアップで仕事を選ぶのは長期思考と言えます。人生100年時代と言われている現代では、長期思考が良いのは言うまでもありません。
ネットワークビジネスに注意
この本は、ネットワークビジネスの勧誘によく利用されています。しかし筆者は、ネットワークビジネスのように、フランチャイズ権を誰かにもらったビジネスは自分のビジネスではないと言います。
著者はネットワークビジネスを勧めてはいますが、学ぶためであって、儲かるからではありません。ネットワークビジネスでは、話が上手になったり、すごそうな雰囲気を出すのが上手になったりします。いうなれば、詐欺師に必要なスキルが身に付きます。
しかし、このようなまがい物のビジネスは淘汰される時代です。なぜなら現代の信用経済社会(レビューや口コミが重要な社会)では、「信用」が最も大事だからです。
そう考えると、ネットワークビジネスで身につくスキルは無駄になることが多く、幸福度も下がり、後悔する可能性も高いです。友人からの信用を失うリスクも高いです。
今後は、信用がお金になる時代が加速されていくので、お金を稼ぐこと以上に、信用を稼ぐことが必要になります。
本書の詳細は『金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 』をご参照ください。
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