老後資金は、公的年金+退職給付+自分で準備。『老後のお金の不安がなくなる本』

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私たちが「老後のお金」という言葉を聞いて不安になる最大の原因は「わからない」「知らない」ことにあります。

公的年金や勤務先の退職給付制度などをきちんと調べたうえで、資産形成を考えることが実は一番大切です。

50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』の著者、竹川美奈子さんは、出版社や新聞社勤務などを経てファイナンシャル・ジャーナリストとして独立され、金融庁 金融審議会「市場ワーキング・グループ」委員でもある方です。

本書は、「平均的にはどうなのか」ではなく、「自分自身はどうなのか」を見える化することをで、お金の不安を払拭することをコンセプトにしています。

本書を次の6つのポイントでご紹介します。

  • 老後のお金は3層構造
  • 公的年金について
  • 退職給付について
  • 非課税制度
  • 一時金受取の場合の税金
  • 年金制度は継投型へ

老後のお金は3層構造

老後のお金は次のような3層で考えましょう。

一番下の土台に、国から支給される公的年金保険があります。その上に、勤務先から支給される退職一時金、企業型確定拠出年金、確定給付企業年金等の退職給付があります。さらにその上に、貯蓄、投資(投資信託、株式等)等、自分で準備するものがあります。

(出所:50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本

公的年金について

公的年金は、属性によって受け取れる金額が変わります。

自営業・フリーランスの場合、会社員・公務員の場合、専業主婦等の場合、それぞれ以下の通りです。

1.自営業・フリーランスの場合(国民年金第1号被保険者)

「国民年金」のみの1階建てになっています。支払額は月16,610円です。(注:令和3年4月~令和4年3月までの金額。毎年度見直しが行われます。)

これを20歳から60歳までの40年間満額支払っていれば、65歳以降に受け取れる金額は、月額約65,000円(年間78万900円、令和3年4月~令和4年3月まで)です。

2.会社員・公務員の場合(国民年金第2号被保険者)

「国民年金」+「厚生年金」という2階建てになっています。支払額は標準報酬月額(標準賞与月額)×18.3%ですが、半分は会社負担ですので、自己負担分は9.15%です。

厚生年金(国民年金部分含む)受取額は人により異なるのですが、平均は月額約146,000円です。

<参考>

(出所:厚生労働省年金局

3.専業主婦等の場合(国民年金第3号被保険者)

国民年金の加入者のうち、第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収が130万円未満の人)がこのカテゴリーに入ります。

保険料は、配偶者が加入している厚生年金や共済組合が一括して負担しますので、個別に納める必要はありません。支払額は0円です。

65歳以降に受け取れる金額は、自営業・フリーランスの場合と同じく、月額約65,000円(年間78万900円、令和3年4月~令和4年3月まで)です。

・・・・・

自分はいくらもらえるのかは「ねんきん定期便」(はがき)で確認することが出来ます。なお、50歳以上の方と50歳未満の方で記載内容が異なります。

50歳以上の方は、60歳まで同じ働き方、給与水準のまま働き続けると仮定した見込み額が記載されます。一方50歳未満の方は、これまでの加入実績をもとにした年金額が記載されます。

これは50歳くらいになってようやく見込み額が明確になってくるためだと考えられます。20代、30代の若い世代では将来の不確定要素が多すぎて、見込み額を出すことが難しいと考え、このような記載になっているようです。

なお、ねんきんネット|日本年金機構 (nenkin.go.jp)を活用すると、これまでの加入履歴、受取見込み額の試算等が出来ます。

また、繰り下げ受給をすると、受け取る年金が1ヶ月ごとに0.7%増やすことが出来ます。

例えば、65歳で受給開始の場合に78万円/年受け取れる方が、70歳に受給開始を繰り下げる場合、42%(=0.7%×60か月)増額の110.76万円/年が受給できることになります。

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Photo by Ksenia Chernaya on Pexels.com

退職給付について

退職給付には大きく2つの種類があります。退職一時金と、企業年金等です。

1.退職一時金

従業員が定年や自己都合により退職する際に、一時金を支払うもので「退職時に一括で」受け取れるものです。

企業規模が小さいほど、「退職一時金のみ」が多いようです。

2.企業年金等

その企業単体で運営するもの、いくつかの企業が共同で運営するもの、または外部で運営するものがあります。

企業年金は下図の通り、大きく3種類あります。

「確定給付企業年金」は、受け取る給付金額があらかじめ定められているのに対し、「確定拠出年金」は運用成果によって変動します。昔は「確定給付企業年金」が主流だったのですが、現在は「確定拠出年金」を採用する企業が増えています。(詳細は、企業型確定拠出年金と確定給付型企業年金の違い – 株式会社日本企業型確定拠出年金センター をご参照ください。)

また受け取り方は「年金」として受け取るのが原則ですが、本人の選択により、全部または一部を一時金として受け取ることも出来ます。

今現在就業している会社で、どのような退職給付制度があるのか、確認しておきましょう。

非課税制度

自分で準備する資金は、預貯金、投資等がありますが、NISA、iDeCo等の非課税制度を最大限利用するようにしましょう。

1.NISA

NISA制度は、NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類があります。NISAとつみたてNISAの併用は出来ません。

NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの詳しい説明は、金融庁のホームページをご参照ください。

2.iDeCo

iDeCoは、私的年金制度です。掛け金について「小規模企業共済等掛金控除」が利用できるので、運用益が非課税になるだけのNISAと比べても、税金面では更に有利です。ただし、60歳まで引き出しできないというデメリットがあります。

なお、iDeCoの掛け金上限は、下図の通り属性で異なります。

iDeCoの詳しい説明は、国民基金連合会のホームページをご参照ください。

一時金受取の場合の税金

退職金を一時金として受け取る場合は、退職所得の扱いになるので、税金面での優遇が受けられます。退職所得の金額は、原則として、次のように計算します。(詳細は、No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁 (nta.go.jp)をご参照ください。)

(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額

ここで、退職控除額は以下の表を参照して計算します。

(出所:国税庁

この時、退職一時金だけでは 「収入金額 < 退職所得控除額」 となるような場合、他の企業年金やiDeCoの一部を一時金で受け取ることによって、その一時金に係る税負担は0とすることが出来ます。(下図参照)

年金制度は継投型へ

日本年金学会シンポジウムでは、企業年金の役割は、完投型(上乗せ)から継投型へ転換し、①就労長期化、②私的年金、③公的年金の3本柱で老後のお金問題を支えるべきと提言されました。

つまり、①就労長期化により65歳まで働けるようにし、②私的年金、退職金、貯蓄等々で65歳から70歳までのお金を準備し、③公的年金は繰り下げ受給により70歳で42%上乗せされた受給額で受給を開始するのが良いということです。

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本書に興味を持っていただいた方、詳細は『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』をご参照ください。

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