経済的に豊かになる方法は、実は100年ほど前からほとんど変わっていません。収入を増やし、支出を減らし、余ったお金を運用して増やしていく、という方法です。これを着実に実行できれば、お金に苦労する人生からは解放されるでしょう。
実家がお金持ちでなくても、宝くじなどに当たらなくても、何十年もコツコツと貯蓄と投資を続ければ、億単位の資産を築くことは出来るのです。何十年も愚直に投資を継続するのは簡単なことではないかもしれませんが、逆に言うと、それさえできれば多くの人に明るい未来が待っています。
しかし、お金があれば不安がすべて解消されるというわけではありません。不安の根本原因は、お金そのものではなく、「選択肢」がないことだからです。
「選択肢」がないとは、例えば「自分にはこの会社しかないんだ!」という思い等です。この場合、職場の人間関係が悪くて居心地が悪かったとしても、長時間労働を強いられるのに給料が安くても、逃げることが出来ません。一方で、「いざとなったら転職すればいい」とか、「フリーランスになっても稼げる」と思えるようになれば、随分と気持ちが楽になるはずです。
私たちは、自分の意思で動けないと、不安になってしまいます。不安を消すための唯一の方法は、「常に複数の選択肢を確保して、いつでも自分の意思で動けるようにしておくこと」なのです。不安を消すために貯金をするのもいいでしょう。少しでもまとまったお金があると、自分の人生のシナリオを考えるとき、選択の幅がぐっと広がるからです。つまり、お金そのものが不安を解消するわけではなく、第一歩を踏み出すきっかけがお金になるということです。
人は、先が見えないために不安になります。不安をなくすには、先が見える状態にする必要があります。そのためには、どんな仕事をしたいのか、誰と共に人生を歩みたいのか、どんな人生にしたいのかを一度真剣に考えてみる必要があります。将来に向けたビジョンがあれば、漠然とした不安で動けなくなるということが無くなります。
最も大切なのは、お金そのものではなく、お金とどう付き合うのかという「知恵」です。
お金に不安がある方、将来に不安がある全ての方へ、加谷 珪一 著『お金で絶対に苦労しない方法を教えてください!』を次の3つのポイントでご紹介します。
お金の貯め方
1.貯める目的や金額を決める
無駄遣いをしているつもりがないのに、なぜかほとんど貯金が出来ないというように、貯金が出来ない方には共通点があります。それは、「貯める目的や金額を決めていないこと」です。あなたは、何のために貯金をして、どれくらい貯金があれば良いでしょうか。「いざという時に備え貯めている」という方、結構多いと思います。この理由、とりあえず最初の目的として悪くないと筆者はいいます。
では、「いざという時」に必要なお金はどのくらいなのでしょうか。大きなけがをしたり病気をしたとき等を想定している方が多いと思いますが、日本には「高額療養費制度」があり、医療費がどんなに高額になっても自己負担は一定額を超えることはありません。そのため、どんな大けがをしたり病気になっても、大抵の場合100万円程あれば、何とかなるのです。
また他に、急に仕事をクビになってしまった場合、生きていくための最低限のお金が必要になります。貴方は、生活するのに月々いくら必要でしょうか。また、何か月あれば新しい仕事を探したりして生活を立て直せるでしょうか。一度イメージしておけば、最低限必要な貯金の目標額が分かると思います。
貯金したいなら、まず、貯める目的や金額を決めましょう。
※私がお金を貯める理由は、「いつでも自由に動けるようにしておきたい」、「心に余裕を持っていたい」、「やりたいことを、やりたいときに、やりたいだけやりたい」からです。仕事が好きなので、FIRE(Financial Independence, Retire Early)は目指していません。人生色々なことがあり、色々と吹っ切れ、今は「一切我慢しない」と決めています。自由な生き方を実現するために、お金を貯めています。私にとって、「お金=自由」です。
2.先取貯金
お金の貯め方は、銀行口座を2つ用意し、1つを「生活費専用口座」、もう1つを「貯蓄専用口座」とし、給料(手取り)の2割を「貯蓄専用口座」に入れて、そのままにしておくというシンプルなやり方です。いわゆる「先取り貯金」です。貯金が出来る多くの方は、この方法を実行しています。なお、銀行の「貯蓄専用口座」を用意するのではなく、証券口座を用意して、「つみたてNISA」等の制度を活用して、投資信託で運用するのも良いと思います。
3.節約
節約で最も大きな効果を発揮するのは、固定費を抑えることです。まずは、金額の大きな家賃を見直しましょう。今払っている家賃は、投資効果に見合っているでしょうか。
一般的に、家賃は給料の3割までと言われていますが、例えば通勤時間を減らすために都心のマンションを買う場合は、時間をお金で買っていることになりますので、たとえ少し高かったとしても必ずしも悪いわけではありません。時間を節約することで収入アップが見込めるなら、家賃に投資するのも良いと考えられるからです。ただし基本的には、貯金をしたいなら、家賃はおさえるべきです。家賃を抑えられれば、大きく貯金できるチャンスが生まれます。
次に、車を見直しましょう。都心部に住んでいるなら、車は必要ないのではないでしょうか。たまにしか乗らないのに車を持っているのは、究極の贅沢です。
そして、通信費も見直しましょう。著者は、節約という観点に限って言えば、iPhoneよりも圧倒的にAndroidが優れていると言います。iPhoneは高いですが、Androidはかなり安い物もあります。またよく言われていますが、大手キャリアは解約して、格安SIMを使いましょう。
支払いは、現金よりキャッシュレスがお勧めです。キャッシュレス決済によると、自分が何にお金を使ったのかという履歴が明確に見えるからです。ただし、クレジットカードのリボ払いは、15%程金利がかかるので、絶対にNGです。タバコやパチンコをやめるのも、効果的です。
お金の使い方
1.交際費も投資の一貫
交際費も投資の一貫だと考え、将来につながる人間関係を作るために使いましょう。例えば、自分のために一生懸命働いてくれる後輩や部下を味方につけておくことも、仕事を円滑に進めるうえで重要です。
プライベートでは、本当に自分が大好きで付き合いたい人とだけに交際費を使いましょう。どうでも良い同僚と愚痴の言い合いの飲み会などに、お金を使うのはやめましょう。
2.自分へのご褒美は、百害あって一利なし
高級ブランドバッグを買う、ローンを組んで車を買う、高級レストランに行く等の自分へのご褒美は、百害あって一利なしです。
なぜなら、必要ではないことは頭では分かっているけれど、欲しいものを正当化するために「ご褒美」という言葉をつかっているからです。本当に必要な物であれば、「ご褒美」等と言い訳をせずに買えばいいのです。
お金から自由になる方法
お金を貯める理由の一つに「老後の生活が心配だから」というものがあると思いますが、いくら貯まれば、その不安から解放されるのでしょうか。
一つの目安として、1億円を目指してみましょう。
1億円を年利3%で運用すれば、それだけで年間300万円の不労所得を得られるからです。老後は、他に年金の支給もありますので、特別な贅沢をしなければ、働かなくても暮らしていくことが出来ます。どれだけ莫大な富を得ようとも、次の目標や欲求が現れたり、お金にまつわる心配から完全に開放されることは結構難しいのが現実です。大切なのは、「最低限どれくらいの資産があれば生きていけるのか」をいう最低ラインを意識することです。またお金だけではなく、仕事のスキルや人脈も含めた、広い意味での資産も意識するようにしましょう。
本書の詳細は『お金で絶対に苦労しない方法を教えてください!』をご参照ください。
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