人生100年時代における結婚、家族、働き方

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男女共同参画白書」が、年次で内閣府男女共同参画府より発行されています。

2022年6月14日に発表された「令和4年6月版」のテーマは、「人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか」です。

この特集で改めて明らかにされたのは、ひとり親世帯や単独世帯の増加等、家族の姿が変化しているにもかかわらず、男女間の賃金格差や働き方等の慣行、人々の意識、様々な政策や制度等が、依然として戦後の高度成長期、昭和時代のままであるということです。

人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか」より、いくつかデータをピックアップしてご紹介します。

男女間賃金格差

男女間賃金格差

男女間の賃金格差を見ると、正職員でも正職員以外でも、どの年齢階級においても男性が女性より高く、また年齢とともに男女間の賃金格差が拡大する傾向があります。(下図左)

正職員のみで比較しても、平均的に見ると、大卒女性の給与は高卒男性とほぼ同水準であることが分かります。(下図右)

(出所:内閣府男女共同参画府

婚姻・離婚・再婚件数の年次推移

初婚件数は、1970年の102.9万件をピークにほぼ減少の一途をたどり、2021年には51.4万件、ピーク時の約半分に減少しました。

これに対して離婚件数は、2000年を境に減少に転じたものの、1900年代に比べると高水準で推移しており、婚姻件数に占める再婚の割合は、ここ10年程26%前後で安定しています。

(出所:内閣府男女共同参画府

50歳時の未婚割合

1990年以降、特に男性の50歳時の未婚割合が急上昇しており、女性の未婚割合を大きく上回り続けています

2020年の50歳時の未婚割合は、女性は約18%であり、男性は28%です。未婚割合とは、つまり、50歳女性の約5人に1人、男性の約4人に1人は結婚経験がありません。

(出所:内閣府男女共同参画府

世帯の家族累計別構成割合の推移

単独世帯、夫婦のみ世帯、ひとり親と子供世帯が増加傾向であり、このうち特に単独世帯が急増しています。

2040年には約4割の世帯が一人世帯になる、つまり独身者が多数派になることが推計されています。

一方で、夫婦と子供(ファミリー)世帯、3世代等世帯が減少傾向です。子供の数が減少していくこと、それに伴い1世帯あたりの人数も減少していくことが読み取れます。

(出所:内閣府男女共同参画府

共働き等世帯数の推移

専業主婦世帯(ピンク色のグラフ)が減少傾向であり、それに代わって増えているのは、共働き世帯のうち、妻がパートの世帯(青色のグラフ)です。

共働きが増えているということは良く言われていますが、増えているのは妻がフルタイムの世帯ではなく、パート世帯です。妻がフルタイムの世帯はほとんど増えていません。

つまり、男性が主たる稼ぎ手であるということは、令和の時代にあっても変わっていないということです。

(出所:内閣府男女共同参画府

所得階級別有業者割合

既婚女性の約6割は所得200万円未満であり、未婚女性でも過半数が所得300万円未満です。

男性は、未婚者よりも既婚者の方が所得が高いですが、女性は逆という点、興味深いです。

なお、ここでいう「所得」とは、通常得ている過去1年間の収入(税込み額)の合計をいいます。年金、恩給など定期的に得られる収入は含めますが、土地、家屋や証券などの財産の売却によって得た収入、預貯金の引き出しなど所有財産を現金化したものや、相続、贈与、退職金などの臨時的な収入は含みません。

(出所:内閣府男女共同参画府

全世帯とひとり親世帯の等価可処分所得の分布

子供がいる現役世帯のうち、ひとり親世帯の多くは貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)近くに分布しており、相対的貧困率(貧困線に満たない世帯員の割合)は48.1%もいます。ひとり親世帯の多くは、生活が非常に厳しいということが分かります。

これに対し、全世帯中の相対的貧困率は15.4%です。

なお、等価可処分所得とは、世帯の可処分所得を世帯員数の平方根で割った値です。つまり、可処分所得 600万円の場合の等価可処分所得は次のようになります。
  ・1人世帯 -> 600 / √1 = 600万円
  ・2人世帯 -> 600 / √2 = 424万円
  ・3人世帯 -> 600 / √3 = 346万円
  ・4人世帯 -> 600 / √4 = 300万円

(出所:内閣府男女共同参画府

世帯主が就業している世帯の所得分布

世帯主が男性の方が、世帯主が女性よりも所得が高いです。

また男性も女性も、単独世帯より単独世帯以外の方が所得が高いです。

世帯主女性の単独世帯は、世帯所得300万円未満の世帯が過半数、190万世帯もあります。

(出所:内閣府男女共同参画府

これまでの恋人の人数

既婚者は、男女の「これまでの恋人の人数」が似ており、3人前後が平均的です。

独身者の男性を見ると、これまでの恋人の人数が0の割合が4割弱います。特に男性においては、恋愛強者と恋愛弱者の差が明確だといえそうです。

(出所:内閣府男女共同参画府

今後の結婚願望

女性は20代などの若年層で結婚意思があり、年代が上がるにつれて結婚意思が顕著に弱くなっていくのに対し、男性は年代が上がっても女性ほど結婚意思は落ちません。

結婚したい若い女性と、結婚したい熟年男性という構図が見えます。

(出所:内閣府男女共同参画府

過去の離婚経験

年代が上がるにつれ、既婚割合も離婚経験割合も増加していきます。

50~60代の現在独身の人に着目すると、女性は約半数が離婚経験があり、男性は半数以上がこれまで一度も結婚していたことがないことが分かります。

(出所:内閣府男女共同参画府

テレワーク実施頻度の変化

コロナ下で、テレワークの浸透や在宅勤務等、働き方が多様化し、コロナ前に比べ、平日に自宅で仕事以外に使える時間が増えるなど、男女ともに家庭と仕事の両立をしやすくなった方が増加しています。

「働き方をコロナ前に戻さない」という決意のもとで、テレワークや在宅勤務を一層普及
させ、男女ともにワーク・ライフ・バランスを実現することが重要です。

(出所:内閣府男女共同参画府

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