『なぜ、この人たちは金持ちになったのか – 億万長者が教える成功の秘訣』の著者トマス・J・スタンリーは、ベストセラーである『となりの億万長者 〔新版〕 ― 成功を生む7つの法則』や、以前ご紹介した、『1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました』の著者でもあります。(ブログはこちら)
こちら でも書いたとおり、お金持ちは極力お金を使わずに日々を楽しもうとする、ごく普通の質素な生活をしている人達です。本日は、本書の中から「職業の選択」に焦点を絞り、以下の4つのポイントでご紹介します。
- お金持ちになれる仕事となれない仕事
- お金持ちはニッチ戦略を使う
- 億万長者は世間のイメージとは逆
- 「きちんとした仕事」という概念を捨てる
お金持ちになれる仕事となれない仕事
億万長者に共通するのは、適切な時に、適切な場所で、適切な職業を選択することです。つまり、今の時代にこの場所に住んでいたら、何の仕事がベストかを徹底的に考えます。簡単に言うと、お金持ちは、お金持ちになる可能性の高い職業しか選びません。世の中には、お金持ちになる可能性がある職業と、お金持ちになる可能性がない職業があります。だから彼らは、職業を選ぶ際には、その業界の利益率を必ず調べます。
例えば、今ならIT業界が一番です。貴方がどこに住んでいてもIT業界がお勧めです。こんなにたくさん億万長者を出している業界は他にありません。稼ぐには、一に業界選び、二に業界選びです。どんなに優秀な人でも、右肩下がりの業界にいれば、お金持ちになれる可能性はとても低いです。
億万長者は、大金が入るか入らないかで選ぶので、肩書にはこだわりません。経済的に完全に自立できるかどうかが重要だと考えます。将来的にお金持ちになる見込みがなかったり、自由が手に入る見込みがない職業は選びません。このまま今の仕事を続けて、将来的に自由が手に入るだろうかと、一度自問してみてください。
お金持ちはニッチ戦略を使う
ほとんどのお金持ちに共通するのは、大きな利益が期待できる、いわゆるニッチ市場に目をつけるのがうまいことです。商売は、競争してはダメです。商売の必勝パターンは戦わないことです。競争者がいないところで、一人勝ちするのが商売のコツです。お金持ちになるには、不戦勝のスペシャリストになるのが一番の近道です。お金持ちは産業の隙間を狙う、ニッチ戦略をもれなく使っています。(飲食店、コンビニ、アパレル、美容師、ネイリスト、ネットワークビジネスなどで独立する人は、数が多いことからニッチ戦略は取りづらいです。)
ニッチを狙うコツは3つあります。
- 一般的なイメージが良くない業界を狙うこと
- 市場規模的に売り上げが小さいため、大企業などが入ってこないジャンルを狙うこと
- 新しいテクノロジーを利用したサービスに速攻で飛びつくこと
つまり、人がやらないことをやる、ということです。
億万長者は世間のイメージと逆
多くの人は職業を選ぶ際、ニッチ戦略とは正反対の行動に走ってしまいます。世間で思うところの「きちんとした職業」を選んでしまいます。ちゃんとしたスーツを着て、ちゃんとした建物に出勤する仕事です。ですが、このようなスーツを着ているような人こそ、世の中にたくさんいます。世間の成功像に合わせた瞬間、その他大勢になります。職業も成功像も、世間で言われているのとは、全て逆に進まなければいけません。多くの人が集まるレッドオーシャン市場に、勝機はほとんどありません。
億万長者は、世間のイメージと逆で、毎日ピシッとしたスーツを着ずに、ニッチなビジネスを展開していることがほとんどだ、ということです。
本書では、ある億万長者と億万長者になれない弁護士が比較されています。億万長者が住んでいる地域の電話帳を調べてみると、弁護士が74ページにわたってリストアップされているのに対し、車の販売業者(ある億万長者の会社の事業)は1ページしかありませんでした。
たくさん勉強してロースクールを卒業し、司法試験までパスしたとしても、数千人の弁護士の中の一人にすぎないようでは、どんなに優秀でも大金は稼げません。ビジネスの本質が分かっていないからです。ビジネスの本質は、需要と供給です。ニッチを攻めれば必然的に、需要が供給を大幅に上回ります。
金持ちになるための思考回路を最も邪魔しているのが、常識や偏見です。一般的な世の中の見方を捨てない限り、お金持ちには決してなれません。
「きちんとした仕事」という概念を捨てる
医師、弁護士、公認会計士といった社会的ステータスの高い仕事には、それぞれ養成機関があり、優秀な学生はそのレールに乗り、誘導されるがままに職業に就きます。この、養成機関があること自体が、ライバルが多いことの証明であり、そのような職業は選ぶべきではありません。
これに対し、億万長者の大半を占める自営業者は、それまでになかった新しいユニークな事業を考えだします。そのため、利益は非常に大きく、ライバルもいません。医師、弁護士、公認会計士にも億万長者は少しいますが、ほとんどの億万長者は資格などに頼らない自営業者です。
レールから外れてお金持ちになるためには、肩書や社会的ステータス、ブルーカラーへの偏見などは捨てなければなりません。分かりやすいのは、今話題のYouTuberです。
「きちんとした仕事」についている人達の多くは、カップルの日常をYouTubeで配信している20代の男女を馬鹿にするでしょう。でも彼らは、「カップルの日常配信」という新たな職業を創りました。チャンネル登録者も100万人以上で、再生数も多いので、おそらく年収にして3,000万円以上は稼いでいるでしょう。一般的に言われている社会的ステータスは0です。でも、「きちんとした仕事」をしているほとんどの人達よりも稼いでいます。カップルユーチューバーは、ちゃんと需要があるから稼げるのです。
「きちんとした仕事」という色眼鏡を外して世間を見ないと、お金持ちへの道は閉ざされます。お金持ちは、常識にとらわれません。世間体も一切気にしない人が多いです。
お金持ちが仕事を選ぶ際に気にするのは、以下の3つです。
- 自分が得意で、楽しめる内容であること
- ライバルが少ないこと
- 経済的に自立できる確率が高いこと
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今YouTube等で人気の、2ちゃんねる開設者ひろゆき氏も同じこと(ニッチ戦略をとるべきということ)を言っています。ひろゆき氏は飾らない億万長者。本日紹介した本の億万長者像とも被ります。
なお、仕事を考える上で、長期的に持続可能なのかということは忘れるべきではないと思います。自分のスキルがたまっていく仕事や、実績を積める働き方をするべきだと思います。(年収1億円を稼ぐ、マナブ氏のこちらの記事参照)
この記事を面白いと思っていただいた方、カスタマーレビューも面白く参考になりますので、 『 なぜ、この人たちは金持ちになったのか – 億万長者が教える成功の秘訣 』 をご参照ください。
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